ずっと気怠さがある藍里。やはり生理なのか、彼女は貧血になりやすい。
よくさくらが焼き鳥屋さんでレバ串を買ってくるがあれほど不味くて苦手なものはない。
さくらは好んで食べていたが理解できなかった。
「嫌でも食べられるようになるけど今からたくさん食べておきなさい」
と言われても食べたくなかった。パサパサしてまずい。
授業中も集中できないくらいの気怠さ。お腹も痛い。
学校も終わり、通学路を清太郎と歩く。歩くのも気だるいが家に帰ってもすぐバイトがある。
「今日、バイト先に行っていい?」
「えっ、まぁいいけど。私は出てこないけど」
「藍里が作ったもの食べられるやん」
「仕上げだけだから」
「それでもいい」
「変な人」
清太郎は歩くのが早い。藍里は合わせるのが大変だ。まだお腹痛い。
清太郎の話を半分ぐらい上の空である。子供の頃もこうして話して帰ったような、というのも思い出す。
「そういえば宮部くんのお母さん、お花まだ好き?」
清太郎の母はガーデニングが好きで常に花を庭に埋め尽くしていた。
「おう、ここ最近はガーデニング講師をやっとる」
「すご」
「最初は近所の人で集まって教えてたけどだんだん広まって今じゃカルチャースクールでも教えてる。親父もいないからすごくのびのびしとるな」
「好きなことを仕事にできるっていいな」
「そやけど母ちゃんは『好きを仕事にするのはダメヨォ』って」
と、清太郎は彼の母親の口調と仕草の真似をした。藍里は思い出した。かなり特徴のある喋り方だったと。
正直さくらのことで病んでしまったというがそんな人に思えないほどポジティブでシャキシャキしていた。
「似てる……懐かしいなぁ」
「まぁ相変わらずうざい。ガーデニングやってるといろんなことを忘れる、とは言ってたがな」
と話していると藍里のマンションの前に着いた。もちろん一階のファミレスの客席が目の前にある。
ちらっとバイトの先輩と目が合い藍里は清太郎から離れた。
「じゃあ、これで」
「おう、仕事頑張れよ。俺もこのあと配達行くから」
「うん、頑張ろう!」
だがなかなかしんどい、ピークが来ていた。ここからバイトかぁ、と思うと憂鬱な藍里だった。こうやって毎日行きも帰りも清太郎と一緒というと思うと学校生活も楽しくなりそう、と彼の背中を見送りながら微笑む。
部屋に戻る。明かりはついているが静かである。玄関側の洗面所に行く。そういえばあの敷きパッド……とカゴを見るとなかった。
時雨が洗濯してくれたのだろうかと思うと恥ずかしくなった。
大抵この時間は時雨が料理をしているから料理中の音や匂いがするはずだと藍里は不思議がる。
あるいは時雨が寝てしまったか? さくらは仕事休みだしもしかして2人で……と良からぬことを考えてしまう藍里。あの時のリビングで2人が愛し合ってる時を思い返す。
リビングのドアの前に立ってじっと待つが音は聞こえない。誰もいないようだ。
「ママー、時雨くん?」
小さな声で藍里は部屋に声かけるが返事がない。
台所に行く。時雨がコンロの前でメガネを外して目頭を押さえて項垂れていた。
「藍里ちゃん、おかえり……」
「ただいま、敷きパッドありがとう」
「あ、うん。天気もいい取り込むよ」
時雨の目が真っ赤である。メガネをしてないのもドキッとするが……。
「大丈夫?」
「いや、玉ねぎみじん切りしてたら目に染みてさ……」
手元には玉ねぎはない。どころか何も手付かずであった。
「大丈夫じゃないじゃん」
と藍里は近づいて近くにあったキッチンタオルを時雨の目元にやる。
その時だった。
「藍里ちゃん~!!!」
時雨が藍里に泣きついたのだ。
よくさくらが焼き鳥屋さんでレバ串を買ってくるがあれほど不味くて苦手なものはない。
さくらは好んで食べていたが理解できなかった。
「嫌でも食べられるようになるけど今からたくさん食べておきなさい」
と言われても食べたくなかった。パサパサしてまずい。
授業中も集中できないくらいの気怠さ。お腹も痛い。
学校も終わり、通学路を清太郎と歩く。歩くのも気だるいが家に帰ってもすぐバイトがある。
「今日、バイト先に行っていい?」
「えっ、まぁいいけど。私は出てこないけど」
「藍里が作ったもの食べられるやん」
「仕上げだけだから」
「それでもいい」
「変な人」
清太郎は歩くのが早い。藍里は合わせるのが大変だ。まだお腹痛い。
清太郎の話を半分ぐらい上の空である。子供の頃もこうして話して帰ったような、というのも思い出す。
「そういえば宮部くんのお母さん、お花まだ好き?」
清太郎の母はガーデニングが好きで常に花を庭に埋め尽くしていた。
「おう、ここ最近はガーデニング講師をやっとる」
「すご」
「最初は近所の人で集まって教えてたけどだんだん広まって今じゃカルチャースクールでも教えてる。親父もいないからすごくのびのびしとるな」
「好きなことを仕事にできるっていいな」
「そやけど母ちゃんは『好きを仕事にするのはダメヨォ』って」
と、清太郎は彼の母親の口調と仕草の真似をした。藍里は思い出した。かなり特徴のある喋り方だったと。
正直さくらのことで病んでしまったというがそんな人に思えないほどポジティブでシャキシャキしていた。
「似てる……懐かしいなぁ」
「まぁ相変わらずうざい。ガーデニングやってるといろんなことを忘れる、とは言ってたがな」
と話していると藍里のマンションの前に着いた。もちろん一階のファミレスの客席が目の前にある。
ちらっとバイトの先輩と目が合い藍里は清太郎から離れた。
「じゃあ、これで」
「おう、仕事頑張れよ。俺もこのあと配達行くから」
「うん、頑張ろう!」
だがなかなかしんどい、ピークが来ていた。ここからバイトかぁ、と思うと憂鬱な藍里だった。こうやって毎日行きも帰りも清太郎と一緒というと思うと学校生活も楽しくなりそう、と彼の背中を見送りながら微笑む。
部屋に戻る。明かりはついているが静かである。玄関側の洗面所に行く。そういえばあの敷きパッド……とカゴを見るとなかった。
時雨が洗濯してくれたのだろうかと思うと恥ずかしくなった。
大抵この時間は時雨が料理をしているから料理中の音や匂いがするはずだと藍里は不思議がる。
あるいは時雨が寝てしまったか? さくらは仕事休みだしもしかして2人で……と良からぬことを考えてしまう藍里。あの時のリビングで2人が愛し合ってる時を思い返す。
リビングのドアの前に立ってじっと待つが音は聞こえない。誰もいないようだ。
「ママー、時雨くん?」
小さな声で藍里は部屋に声かけるが返事がない。
台所に行く。時雨がコンロの前でメガネを外して目頭を押さえて項垂れていた。
「藍里ちゃん、おかえり……」
「ただいま、敷きパッドありがとう」
「あ、うん。天気もいい取り込むよ」
時雨の目が真っ赤である。メガネをしてないのもドキッとするが……。
「大丈夫?」
「いや、玉ねぎみじん切りしてたら目に染みてさ……」
手元には玉ねぎはない。どころか何も手付かずであった。
「大丈夫じゃないじゃん」
と藍里は近づいて近くにあったキッチンタオルを時雨の目元にやる。
その時だった。
「藍里ちゃん~!!!」
時雨が藍里に泣きついたのだ。