「なぁ、翔夜って本当に心が見えるのー?」
は?それどこから聞いたんだ?
俺の表情から戸惑っている事がわかった名前のわからない女子たちが言い直した。
「翔夜は心が見えるって聞いたんだけど」
何で知ってんだよ。
「それ、誰から聞いたの?」
「「翔夜!」」
気づいたら後ろに翔夜がいて。
「えと、掲示板に流れてて」
掲示板?なんだそれ。
「で、きみはどう思うの?」
「っ.....!」
翔夜は鋭く目の前にいる女の子を睨んでいた
「俺がもし心が見えていたらどう思う?」
「少し怖いと思う」
翔夜、わざわざ自分が傷つく質問すんなよ。
「じゃあ『心が見えるの?』って聞かれる俺の気持ちは?」
翔夜.....
あの時も今も思うけど翔夜は深く傷ついているんだ。
俺には理解できないほどに。
「ごめん。そうだよね、そんなわけないもんね」
違う。そんな言葉がほしいわけじゃないんだよ。翔夜は。
「そうだね」
「ごめんねっ!じゃあ!」
翔夜は悲しそうな顔だった。
俺も悲しくなる。
翔夜....
「気にしないで。花岡にも聞いたんだ。噂になってるらしい。多分これから色んな人に言われると思うから」
「翔夜、何かあったら話せよ」
曖昧な笑顔を浮かべた翔夜は「ありがとう」と言って帰っていった。
少し、いやとても心配だ。