次の週の火曜日、8時過ぎに小山部長の奥様から電話が入った。お見合い相手の飯塚奈緒さんから仲人の土田さんを通して破談の連絡があったと言う。
土曜日にそんなそぶりはご両親にも微塵もなかった。まして奈緒さんは交際の継続を望んでいるように見えた。
腑に落ちなかったが、ご縁がなかったと了解した。わざわざ先方の自宅まで訪ねて行ったのに、うまく進んでいたと思っていたので、全身から力が抜けた。
◆ ◆ ◆
次の週になって、また部長の奥様から連絡が入った。飯塚奈緒さんのお母様からなぜ僕が断りを入れて来たのか、腑に落ちないので理由だけでも教えてほしいと連絡があったと言う。奥様は土田さんから断りの連絡が入ったので、こちらからはお断りしていないと答えたそうだ。
それで奈緒さんのお母様がよろしければ僕に交際を続けてほしいとおっしゃっていると伝えられた。もちろん、奈緒さんも交際の継続を希望しているとのことで、僕にどうすると聞いてきたのだった。
僕はあれから気が滅入っていた。ご縁がないとあきらめていた。それにここで交際を再開すると言うことは、僕が彼女に決めたということと同じになり、今度はこちらから断りにくいと思った。
あのまま交際を続けていたら、もっと自由に判断できたのにと思わないではいられなかった。ご縁がないのかもしれない、一度こういうことがあるとまた面倒が起こるかもしれないとも思った。
それで、こんな行き違いが起こることになるのも、やっぱりご縁がなかったのだと、断りの意思を伝えてもらった。
土曜日にそんなそぶりはご両親にも微塵もなかった。まして奈緒さんは交際の継続を望んでいるように見えた。
腑に落ちなかったが、ご縁がなかったと了解した。わざわざ先方の自宅まで訪ねて行ったのに、うまく進んでいたと思っていたので、全身から力が抜けた。
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次の週になって、また部長の奥様から連絡が入った。飯塚奈緒さんのお母様からなぜ僕が断りを入れて来たのか、腑に落ちないので理由だけでも教えてほしいと連絡があったと言う。奥様は土田さんから断りの連絡が入ったので、こちらからはお断りしていないと答えたそうだ。
それで奈緒さんのお母様がよろしければ僕に交際を続けてほしいとおっしゃっていると伝えられた。もちろん、奈緒さんも交際の継続を希望しているとのことで、僕にどうすると聞いてきたのだった。
僕はあれから気が滅入っていた。ご縁がないとあきらめていた。それにここで交際を再開すると言うことは、僕が彼女に決めたということと同じになり、今度はこちらから断りにくいと思った。
あのまま交際を続けていたら、もっと自由に判断できたのにと思わないではいられなかった。ご縁がないのかもしれない、一度こういうことがあるとまた面倒が起こるかもしれないとも思った。
それで、こんな行き違いが起こることになるのも、やっぱりご縁がなかったのだと、断りの意思を伝えてもらった。