ただもう一度、君に会いたかった

もう遅い時間。お風呂から出て、布団に入る。そして、蓮との会話を思い出し、嬉しさが溢れ、笑みがこぼれた。やっと自分の気持ちを伝えることができ、また一つ心残りを無くすことができた。しかし、その反面で切なさもある。やっと蓮と恋人になれたのに、蓮は一ヶ月後に亡くなってしまう。小説で、事故にあって亡くなった人を、時間を戻して助ける話を読んだことがある。蓮も、事故で亡くなってしまうのなら、助けられたかもしれないが、現実は小説のように上手くはいかず、病気はどうしようもない。
切なさのあまり弱気になるが、蓮と話したかったこと、蓮と行きたかった場所、あの日後悔したことを全部やらなきゃ。そう思い直し、自分がやるべきことを明確にした。そういえば、蓮が通っている学校と私が通っている学校は近いから、途中まで一緒に行けるかもしれない。
勇気を出して、メールを送ることにした。
『これからは、一緒に学校行けないかな?』
『いいよ。俺が朝迎えに行くよ。』
『ありがとう。おやすみ。』
『おやすみ。』
私がスマホを買ってもらったのは中学生になってからのことで、そのときにはもうすでに、蓮とはあまり話さなくなっていた。
だから、今日連絡先を交換したばかりで、そんな小さなことでさえ、私は嬉しかった。
もうさっきのような切なさはない。
だって、一ヶ月後にある別れを考えるんじゃなくて、これから二人でどう過ごしていきたいかを考える方が、ずっと大事だと思うから。
気持ちを切り替えることができたからなのか、窓から見える夜空がなんだか昨日よりも明るく見えた。