ただもう一度、君に会いたかった

家に帰ってから、私はすぐ外へ駆け出した。
ピンポーン
蓮の家のインターフォンを鳴らす。
「はーい。」という蓮の声がした。てっきりおばさんがでると思っていたので驚いたが、今日はおばさんもおじさんも仕事の日だということを思い出した。今日のような日は、よく私の家で夜ご飯を食べていたな。そんな事を考えているうちに、扉が開く。
「萌百、どうしたの?」
「えっとー、、、」
最近全然話していなかったし、この前も玄関先で少し話すぐらいだったから、緊張して上手く言葉が出てこない。でもここで言わないといけないんだと自分に言い聞かせる。
「ちょっと話したいことがあって。公園で二人で話さない?」
「うん。行こう。」
蓮の隣を歩くのはいつぶりだろう。もう思い出せない。なんだか久しぶりすぎて不思議な感じがする。
「急にごめんね。」
「いや、大丈夫だけど、どうした?」
「最近全然一緒にいなかったから、話したいなと思って。」
「俺も、話したいと思ってた。」
その言葉を聞いて驚きつつも、安心する。話したいと思っていたのは私だけなんじゃないかと、不安だったから。
「蓮」
「ん?」
「好き」
「えっ」
「えっ、あっ、今私なんて、、、」
蓮ともう一度話せたという嬉しさと、もう後悔したくないという焦りから、ついずっと胸の内に秘めていた言葉が出てきてしまった。
こんなことを言うはずじゃなかったんだけど。
少しの間、沈黙が流れる。
「萌百、俺から言いたかったんだけど、実は俺もずっと好きだった。」
「えっ。本当?」
「本当。だから、付き合おう。」
「うん!」
私は迷わず返事をした。長く続かないと分かっている。それでも、どんなに短くてもいいから、私は蓮の彼女になりたかった。
「萌百?手繋いでいいか?」
「私も、繋ぎたいと思ってた。」
蓮が広げた手のひらに、自分の手のひらを合わせる。そうすると、蓮が固く強くぎゅっと握ってくれた。私も負けじと握り返す。
長い間話をしていて、もう日が暮れてしまった。蓮と、「バイバイ」とわかれた後、「どこ行ってたの!」と怒られたことはまぁいいだろう。この日の帰り道は今までで一番幸せで、静かに吹く風が心地よく、僅かに光る星がとても綺麗だった。