いよいよ明日が旅行の日。
持っていく物は昨日整理し終わったので、準備万端だ。
「もう明日だな〜、旅行。」
「ところでどこに行くか、まだ教えてくれないの?」
「あぁ、もう言ってもいいか。行き先は静岡県。」
「へぇー静岡か〜。行ったことないから楽しみ!」
静岡に行くのか〜。お茶が有名っていうのは
知ってるけど、どんなところなんだろう。
まだ見たことのない景色を見ることができるような気がして、なんだかとてもわくわくする。
「蓮は静岡県って行ったことあるの?」
「俺もないんだよね。」
「そうなんだ。」
「俺の母さんと父さんが前に一度行ったことがあるみたいで、緑がたくさんあってすごくいいところだったからいつかみんなで行きたいと思ってたらしいんだ。」
「へぇ〜。そんなこと聞くと、尚更楽しみになっちゃう。」
「楽しみでいいじゃん。楽しむために行くんだから。」
「そうだね。」
その後も、家に着くまでの会話は明日の旅行の話題で持ちきりで、あっという間に家の前まで来てしまった。
「萌百!」
お互いバイバイと言い合い、背を向けて歩き出したとき、蓮が私の名前を呼んだ。
振り返ると、満面の笑みを浮かべた蓮が言った。
「明日楽しみにしてろよ!」
「うん!」
「早く寝るんだぞ。じゃあな。」
明日は久しぶりの旅行。そして蓮と行ける最初で最後の旅行になるだろう。だからこそ、楽しもうと心に決めた。
青空が空いっぱいに広がる気持ちのいい朝。さすがに一台の車では行けないので、行き帰りはそれぞれの家の車で行くということになった。
最初は、自分たちが住んでいるところと代わり映えのしない風景だったが、静岡県に近づくにつれて、緑豊かな自然が広がっていく。普段見慣れていないからか、すごくきらきらして見えて、とても綺麗だなと感動する。そしてついに目的の場所に着いた。海がすぐ近くにある旅館で私たちは泊まる予約をとっている。まずは予約してある部屋に大きな荷物を置き、旅館の近くの店を見て回ろうということになる。そこで私と蓮は、お母さんやお父さんたちにバレないようにお揃いのキーホールダーを買った。少し恥ずかしさもあったが、はじめての蓮とのお揃いで気分が上がったまま旅館まで帰った。
「萌百、今から一緒に温泉入りに行かない?」
「うん。いいよ。」
お母さんが、何か伺うように誘ってきたので、なんでかなと思いつつ返事をした。
ピチャンピチャン
何故か無言の空気が流れ、お湯が床に落ちて跳ねる音が響く。
すると、お母さんがこの静寂を破った。
「萌百、蓮くんと付き合ってるでしょ?」
お母さんの口から思いもよらない言葉が飛び出してきた。
「えっ、知ってたの?」
「うん。なんとなくだけどね。二人とも、しばらく話してなかったのに、急にまた一緒にいるところ見るようになったし、今日お揃いのキーホールダー買ってたでしょ?」
まさかそんなところまで見られていたなんて。恥ずかしくてお母さんの顔を見れない。きっと、今私の顔は真っ赤になっているはずだ。
「そっか。バレてたんだ。」
体を洗い終わり、二人で湯船に浸かる。
「でも、本当に聞きたいことはこれじゃなくてね。」
お母さんが私の方を向き、真剣な眼差しで見つめてくる。
「なんか悩んでる事とかない?」
「えっ、なんで?」
「最近、嬉しそうな萌百をよく見るようになったけど、その分元気のない萌百も見るようになったから、少し心配で。」
話そうか迷った。いっその事、全部話せてしまえればもっと楽になるかもしれないと思う。でも、これは自分で解決するべき事。それに、心配はかけたくなかった。
「お母さんの言う通り、今すごく悩んでる事がある。でも、自分で解決するべきことだから。でも、私なら大丈夫。いつか絶対に全部話すから、その時は私の話、聞いてくれる?」
「うん。辛くなったらいつでも頼ってくれていいからね?」
澪からかけてもらった言葉と同じようなことをお母さんも言ってくれた。友達も家族もみんなあたたかい。私はすごく幸せ者だなと改めて思った。
持っていく物は昨日整理し終わったので、準備万端だ。
「もう明日だな〜、旅行。」
「ところでどこに行くか、まだ教えてくれないの?」
「あぁ、もう言ってもいいか。行き先は静岡県。」
「へぇー静岡か〜。行ったことないから楽しみ!」
静岡に行くのか〜。お茶が有名っていうのは
知ってるけど、どんなところなんだろう。
まだ見たことのない景色を見ることができるような気がして、なんだかとてもわくわくする。
「蓮は静岡県って行ったことあるの?」
「俺もないんだよね。」
「そうなんだ。」
「俺の母さんと父さんが前に一度行ったことがあるみたいで、緑がたくさんあってすごくいいところだったからいつかみんなで行きたいと思ってたらしいんだ。」
「へぇ〜。そんなこと聞くと、尚更楽しみになっちゃう。」
「楽しみでいいじゃん。楽しむために行くんだから。」
「そうだね。」
その後も、家に着くまでの会話は明日の旅行の話題で持ちきりで、あっという間に家の前まで来てしまった。
「萌百!」
お互いバイバイと言い合い、背を向けて歩き出したとき、蓮が私の名前を呼んだ。
振り返ると、満面の笑みを浮かべた蓮が言った。
「明日楽しみにしてろよ!」
「うん!」
「早く寝るんだぞ。じゃあな。」
明日は久しぶりの旅行。そして蓮と行ける最初で最後の旅行になるだろう。だからこそ、楽しもうと心に決めた。
青空が空いっぱいに広がる気持ちのいい朝。さすがに一台の車では行けないので、行き帰りはそれぞれの家の車で行くということになった。
最初は、自分たちが住んでいるところと代わり映えのしない風景だったが、静岡県に近づくにつれて、緑豊かな自然が広がっていく。普段見慣れていないからか、すごくきらきらして見えて、とても綺麗だなと感動する。そしてついに目的の場所に着いた。海がすぐ近くにある旅館で私たちは泊まる予約をとっている。まずは予約してある部屋に大きな荷物を置き、旅館の近くの店を見て回ろうということになる。そこで私と蓮は、お母さんやお父さんたちにバレないようにお揃いのキーホールダーを買った。少し恥ずかしさもあったが、はじめての蓮とのお揃いで気分が上がったまま旅館まで帰った。
「萌百、今から一緒に温泉入りに行かない?」
「うん。いいよ。」
お母さんが、何か伺うように誘ってきたので、なんでかなと思いつつ返事をした。
ピチャンピチャン
何故か無言の空気が流れ、お湯が床に落ちて跳ねる音が響く。
すると、お母さんがこの静寂を破った。
「萌百、蓮くんと付き合ってるでしょ?」
お母さんの口から思いもよらない言葉が飛び出してきた。
「えっ、知ってたの?」
「うん。なんとなくだけどね。二人とも、しばらく話してなかったのに、急にまた一緒にいるところ見るようになったし、今日お揃いのキーホールダー買ってたでしょ?」
まさかそんなところまで見られていたなんて。恥ずかしくてお母さんの顔を見れない。きっと、今私の顔は真っ赤になっているはずだ。
「そっか。バレてたんだ。」
体を洗い終わり、二人で湯船に浸かる。
「でも、本当に聞きたいことはこれじゃなくてね。」
お母さんが私の方を向き、真剣な眼差しで見つめてくる。
「なんか悩んでる事とかない?」
「えっ、なんで?」
「最近、嬉しそうな萌百をよく見るようになったけど、その分元気のない萌百も見るようになったから、少し心配で。」
話そうか迷った。いっその事、全部話せてしまえればもっと楽になるかもしれないと思う。でも、これは自分で解決するべき事。それに、心配はかけたくなかった。
「お母さんの言う通り、今すごく悩んでる事がある。でも、自分で解決するべきことだから。でも、私なら大丈夫。いつか絶対に全部話すから、その時は私の話、聞いてくれる?」
「うん。辛くなったらいつでも頼ってくれていいからね?」
澪からかけてもらった言葉と同じようなことをお母さんも言ってくれた。友達も家族もみんなあたたかい。私はすごく幸せ者だなと改めて思った。



