「くっ!」

 力を込めていない結月の刃では徐々に押し戻される。
 すかさず、魔夜の後方より飛びかかるように瀬那が攻撃をしかける。

 瀬那の刃は魔夜に到達していた。

「いけるかっ!?」

 しかし、その刃は軽い傷を負わせるだけにとどまる。
 そればかりか、今の攻撃で力を増す魔夜。

「くそっ! 無理か……」

 刃ははじかれ、瀬那の身体は吹き飛ばされる。
 結月もその後双剣もろとも弾き飛ばされ、木に打ち付けられる。

「ぐっ!」

 結月は背中を大きく打ち付け、強烈な痛みに襲われる。

「結月ちゃんっ!」

 結月に近づこうとするその間に魔夜が立ちはだかる。

「どけ……つうのっ!」

 瀬那が刃を振るうも、魔夜はその攻撃をひらりと避けて瀬那に刃を突き立てる。

「ぐっ!」

「瀬那さん!」

 瀬那は刃をもろにくらい身体をよろけさせた。
 その隙を狙い、魔夜は瀬那を蹴り飛ばす。

 受け身の取れなかった瀬那は大きく飛ばされ、大きな岩にぶつかり止まった。

「ぐはっ!」

 瀬那はぶつかった衝撃で座り込むように倒れてしまった。

 結月と瀬那はじりじりと追い詰められていた──