前世の記憶で異世界を発展させます!~のんびり開発で世界最強~

 今日は合格発表の日だ。
 グランたちはこの前のカフェで待ち合わせをしていた。

「今日は合格発表だね!」

「そうだな。受かってるといいけど……」

「グランは絶対に受かってるから大丈夫でしょ…」

「僕だって魔法の試験とか怪しかったんだから」

「でもグラン以外の人は的を壊してる人なんていなかったよ!」

「それは多分他の人が蓄積させたダメージがちょうど限界量に達したんだと…」

「絶対違うよ!」

「グラン〜」
 ティナと二人で入試の振り返りをしているとエリザベートがやってきた。

「おはよう!グラン、ティナ」

「おはようエリー」

「おはよう♪エリー!」

「なんの話をしてたの?」

「グランは絶対受かってるから大丈夫って話」

「だからそんなことは」

「こう言う感じで自分がやってたことに自覚ないんだよね……」

「ああ……昔からグランはこんな感じだわ」

「そうなんだ……今回結果を見て自覚してくれるといいね……」

「グランなら首席になっていてもおかしくないわね」

「確かに」

「そういえばナミアがまだ来ないな……」

「そういえば来る時見なかったわね」

「珍しいな」

「そんなに珍しいの?」

「ナミアはいっつも一番乗りで来るんだ。どんな時でも」

「そうなんだ……心配だね」

「でもそろそろに来るでしょ」
 三人はかなりの時間ナミアを待っていたが来ることはなかった。

「もしかしてもう向こうに行ってるのかも」

「間違えてそうだね」

「じゃあいってみよー!」
 ナミアに連絡を入れ学園へ向かうと既に人で溢れていた。

「まだ時間まであるのに早いね!」

「まあ合格発表だから……」

「あっ!ナミちゃ〜ん!」

「こっちこっち!」

「グラン、ティナ、エリー探したよ!」

「それはこっちのセリフだ。ずっとカフェで待ってたんたぞ?」

「えっ!?集合ここじゃないっけ?」

「カフェって連絡したと思うんだけど……」

「っ!本当だ!ごめん☆間違えちゃった」
 その後少し待った後合格者の受験番号が書かれた紙が貼り出された

「っ!あった!あったよ!受かってたよグラン!」

「私もあった!」

「私も〜!」

「やったなみんな!」

「グランは?どうだった?」

「それがないんだよ番号が……」

「「「えっ!?」」」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「よかったよ僕の分もあって」

「本当に首席になってるなんてびっくりね……」

「しかも全然別の場所にでかでかと書かれていたからすごく目立ってたね」

「やっぱりすごいね!グラン!」
 今四人は入学のために必要な書類や制服などの必要なものの注文をしていた。

「グラン君はいるかね?」

「はい!グランです!あなたは?」

「少しグラン君に頼みたいことがあったんだ。私はガイアス・レア・ザクライ。この学園の学園長だ」

「学園長でしたか。これからよろしくお願いします!」

「ああこちらこそ頼むぞ。ベルセリア家の神童と名高いグラン君がこの学園に入学してくれるのが嬉しくてね。ついついここにきてしまったよ」

「?ベルセリア家の神童?それは誰から?」

「グラン君の妹や領民が言っているのを噂でな」

「そんなことを……ま、まあそれはいいです。学園長はどうしてここに?」

「グラン君に入学式に新入生代表挨拶をしてもらおうと思ってな。うちの学園は代々首席が務めることのなっているんだ。だがたまに挨拶は辞退したいと言う生徒がいるため事前に確認を取っているのだ」

「なるほど……わかりました。その話受けたいと思います」


「本当か!?ありがとうグラン君!式を楽しみにしているよ」
 学園長が去っていくとティナ達が「良さそうな学園長だったね」と言いながら書類にサインをしていた。

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「宴だ〜!」
 書類も全て書き終え入学の手続きが終わったため四人は王都で美味しいと評判の定食屋に入った。
 注文を終えるとグラン達はドリンク片手にお互いを祝い、労い合った。

「みんなお疲れ様!」

「「「おつかれ〜」」」

「これでみんなで学園生活楽しめるね!」

「そうだね!色々なイベントもあるみたいだし楽しみだなぁ」

「とりあえず入学式よ。グラン頑張って!」

「そうだね!首席さん☆頑張ってねスピーチ」

「僕なりに頑張ってみるよ。よし!今日はとことん楽しもう!」
 その後グラン達の宴は日が暮れるまで続いた。

今日はティナがこちらに引っ越してくる日だ。
入試が終わり冬になると寒さが一層増すことになる。
そんな中での引っ越しは厳しいとして本格的に寒くなる前にこちらに越してくることになった。
とは言ってもグランの転移で引っ越すのであまり関係はないが。

「これからも娘のことをよろしくお願いします!グラン君」

「こちらこそよろしくお願いします!任せてください!」
荷物を全て王都のベルセリア家に運び終えるとグランはティナの家にいた。

「にしても本当にグラン君の転移は便利だね!」

「いつでもどこでも行けるのよね。それにこの電話もすごいわ!どれだけ離れてても会話が出来るなんて……」
グランはティナの引っ越しに合わせ、ティナの家に電話を設置した。
いわゆる家電のようなものだ。
また空気中の魔力を自動で吸収し貯めておく機能がついているためコンセントや電池が必要ないのが魅力だといえる。
かなりハイスペックなため携帯にもつけたい機能ではあるがどうしてもサイズが大きくなってしまうため実装できずにいた。

「それは僕とティナ、王都とベルセリア領の家に繋がります」
その後で電話の使い方について実際に電話してみてもらいレクチャーした。
幸いすぐに理解してもらえた。

「いつでも電話できるとはいえ寂しくなったら帰ってきていいからね」

「グランだってもう家族なんだから好きなときに来てくれていいからね」

「はい!」

「じゃあまた来るね!」

「転移」


「あの二人は本当に仲がいいな。新しい場所でもうまく行くといいけど……」

「大丈夫よ。二人なら……」

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「じゃあ荷物ティナさんの部屋に運び終わったよ。後は好きなように部屋を使ってくれて構わないから」

「ありがとうございます!お義父様」

(よし!荷物もある程度片付いたことだしグランのとこにでも行こうかな?)
ティナはグランの部屋の前まで行き、扉を開けようとすると中から話し声が聞こえてきた。

「本当ですか!?」

「ああ。というかそれが規則だからはいるしかないんだけど……」

(この声は…カノン?けんか?してるのかな…)

「本当にティナお姉様と寮に行ってしまうのですか?二人ともここから通えばいいのに…」

「僕もここでみんなと暮らしたかったんだけど寮にはいらないといけないからね」

「でも例外があるはずです!」

「婚約者が…とか言うやつかい?」
学園は基本全寮制だ。
しかしなかには婚約者がいたり結婚してるから寮でなくて他の家に一緒に住みたいという生徒もいる。
学園は前世で言う大学のようなところで10歳以上なら誰でも受験資格を持っている。
それを配慮した例外である。

「それは基本既に自分達の家を持ってるような人たちの制度だよ」

「ううぅ…………」

(カノンも寂しかったんだね……私と同じだよ。今は二人にしてあげよう)

「寂しいのは僕も一緒だよ。もちろんティナも寂しいと思う。だけど寂しいからってずっと一緒にいたら大人になれないよ?」

「……そうですね。わかりました。それによくよく考えてみるといつでもお兄様の転移で会えますもの!」

「確かにね。でもやっぱり僕も寂しいからカノンにこれをプレゼントするよ」

「?これはなんですか?」

「それは既に僕とティナは持ってるけどスマートフォン、略してスマホというものなんだ。これでいつでもどこにいても会話することが出来る優れものなんだ!」

「!?すごいです!こんなものを作ってしまうなんて……やっぱりお兄様はすごすぎます!」

「後でティナの手が空いたら一緒に使い方を教えるからね」

「はい!ありがとうございますお兄様!これで寂しくないです♪」

「それはよかった。さあティナの部屋に行ってみようか」
この後カノンに二人でスマホの使い方を教えて連絡先も交換した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

あれだけ寒かった冬が過ぎ春がやってくる頃遂に入寮の日が近づいていた。
この冬はカノンの勉強を見たり、三人で遊びに行ったり、スマホの使い方の応用を教えたり、なんならグランの転移で日帰り旅行にも行った。
そんな充実した休みを過ごしている内に入学式は刻一刻と近づいていた。

「今日は入寮だね!」

「とはいっても日用品とかの軽井沢荷物を移動させるだけだからそこまで大変じゃないけどね」

「楽しみだなぁ~!友達もたくさん出来るといいね!」

「そうだね!」

まだ見ぬ仲間たちに思いをはせ学園の寮へと二人歩くのだった。


 入寮手続きが終わり荷物も運び終えたところでグランはカノンに連絡を入れた。

<片付け終わったよ〜。こっち来る?>
 家を出る前にカノンが「ある程度片付いたら呼んでください!」と言っていたのである。
 幸い寮はどの部屋も一人部屋のようでしかもかなり広いときた。

(これならカノンをたまに呼んでも大丈夫そうだな)
 その後ティナ達とも連絡を取っていると早速

(カノンから返事が来たな)

<お兄様の転移で迎えに来てもらえますか?>

<了解!>

「転移」

「お兄様!どんな感じでしたか?」

「ものすごい広かったよ!あれは見た方が早いから行こうか」

「少し待っていてください。準備してきます」

 待っている間にティナにカノンが行くことを伝えるとすぐに返事が来た。

<私もグランの部屋行きたい!ナミちゃんとエリーも誘って私たちも行ってもいいかな?>

<いいよ!カノンにも伝えておくね。部屋は空いてるから勝手に入っていいから>

<は〜い♪>

「お待たせしました!行きましょう!」

「随分と大荷物になったね」

「せっかくですしティナお姉様も呼んでお茶にしようと思って!」

「それはいいんだけど寮にもあると思うよ?」

「なかったら困りますし一応持っていきます」

「オッケー。じゃあ行こうか?ティナももう来てると思うし」

「はい!」

「転移」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「あっ!お帰りグラン!」

「ただいまティナ。ナミアとエリザベートもいらっしゃい。二人とも来てくれて嬉しいよ」

「呼んでくれてありがとね!」

「ちょうど暇だったからよかったわ。それにみんなで一回集まりたいって思ってたし」

「ずいぶん大荷物だね~カノン」

「はい!みんなでお茶しようと思って……ところでそちらの方々は?」

「二人はナミア・レア・カザール様とエリザベート・レア・セレクトイン様だよ。二人とは昔パーティーで知り合って以来の仲なんだ」

「そうだったんですね!グランお兄様の妹のカノン・レア・ベルセリアです!これからもよろしくお願いします!」

「ナミア・レア・カザールで~す!こちらこそよろしくね~♪……カノンちゃんでいいかな?」

「私はエリザベート・レア・セレクトインよ。よろしくお願いね!カノンさん」

「はい!よろしくお願いします!ナミア様、エリザベート様!」

「年齢1歳しか違わないし呼び捨てでいいよ?」

「私もそんなに気にしないしむしろ呼び捨ての方が仲良くなれた感じがあっていいかな」

「わかりました。ナミア、エリザベート。私のこともカノンで」

「「わかったよカノン。」」

「じゃあお茶にしましょう!」

「なんかティナはすっかりグランの奥さんみたいだね……」

「冬の間はずっと一緒にいたからな」

「いーなー……。今度またみんなでどっか出掛けようよ!この5人で!」

「私もいいのですか?」

「当然じゃない!みんなで遊びにいきましょ!」

「っ!はい!」

「どこか行きたいところとかある?」

「私はまたお兄様の転移でどこかに日帰り旅行にいきたいです!」

「「なにそれ羨ましい!」」

「私また行きたいなー」

「「「「グラン(お兄様)はどう?」」」」

「僕はなんでもいいよ?日帰り旅行も楽しかったし」

「じゃあ決まりね!」

(よかったね!カノンにも新しい友達が出来て)

(そうだね。二人も呼んでくれてありがとう)

(どういたしまして~♪)

「むぅ~……。また二人だけの空間作ってる……」

「なんか疎外感がすごいわね……」

「冬の間もだいたいこんな感じでした……」

「それは大変だったわね……っとそうだ!カノンもスマホを持ってるんでしょう?」

「はい!この前お兄様にいただきました!でもどうしてそれを…?」

「グランに教えてもらったのよ」

「じゃあ私達とも連絡先交換しよー!」

「いいんですか?お願いします!」

「なんかお姉様がまた出来たみたいでうれしいです!」

「「カノン……」」

(なにこのかわいい生き物!?)

(これは……やばいわね……!)

「何かあったらなんでも言ってね!」

「じゃんじゃん頼ってちょうだい!」

「ありがとうございます!」

「仲良くなれたようでよかったよ」

「ちょうどお茶も入ったから」

その後グランの部屋でお茶を楽しみ、会話を楽しんだ5人は暗くなる前に帰っていった。

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入寮から2週間がたった。
今日はいよいよ入学式だ。

「いよいよだね!」

「今日ばかりはさすがに緊張するよ……」

「お兄様は首席代表挨拶がありますからね。でもお兄様なら大丈夫です!」

「期待に応えられるように頑張るよ」

「それにしてもすごいな……グランが首席だったとは」

「でもグランならあり得るわよ」

「確かにグランだからな」

「グランだもの」
両親に謎めいた納得をされつつグランとティナは会場へと向かった。

 入学式の会場であるアリーナにやって来たグランとティナは早速係の誘導に従い席へと着いた。

「新入生入場とかないんだね?」

「言われてみればそうみたいだね。大体あるのに……」

「何かの対策かな?」

「後で検索魔法(サーチエンジン)で調べてみるよ」

「そういえばそんな魔法もあったね……」

「グラン〜!ティナ〜!」

「二人とも早いわね!」

「今日は特別な日だからな」

「楽しみで早めに来ちゃった♪」
 開会を待っていると学園長がやってきた。

「グラン君達!久しぶりだね!調子はどうだい?」

「学園長!お久しぶりです!これからよろしくお願いします」

「今日のスピーチも頑張ってくれたまえ。期待してるよ!」

「はい!」

 学園長が席に着いたところで式は始まった。
 式は進み学園長のスピーチとなった。

「皆さんはじめまして!学園長のガイアス・レア・ザクライだ。まずは入学おめでとう!
 これからさらに勉学に励み、その力を高めていってくれ。ここでは王族も貴族も平民も関係ない!
 身分が高いからといってサボっているとどんどん置いていかれるぞ?身分関係なくどんどん高め合っていてくれ!
 最後に思う存分に学園生活を楽しんで欲しい。確かに勉強や鍛錬も必要だ。
 しかし!座学や実技では学べないさまざまなことが沢山あるだろう。将来に役立つこともあると思う。
 王族も貴族も平民も関係なくみんな仲良く楽しんでくれ!以上だ」

「ありがとうございました!続きまして新入生代表の挨拶、一年生主席グラン・レア・ベルセリア」

「はじめまして。グラン・レア・ベルセリアです。
 今ここにいる皆さんは難関とも言える試験を突破してきた実力者達です。
 そんな皆さんと一緒にこれから学んでいける事をとても嬉しく思います。
 さてこれからいろいろな事を学んでいくわけですが私たちは互いを高め合うライバルでありながら、共にここで生活していく仲間でもあります。これからきっと大変なことも楽しいこともあると思います。
 学園長からもあったように身分関係なくこの学園生活を楽しみましょう!
 一度きりしかない人生のうちここでの生活はほんの一部かもしれません。
 ですがきっとここでの思い出はいつか輝く日が来るはずです!
 そして先生方、先輩方、ここではまだまだ右も左もわからない私たちですがこれからよろしくお願いします。
 新入生代表グラン・レア・ベルセリア」

 一礼すると、盛大な拍手となった。

「よかったよグラン!」

「かっこよかった!」

「ものすごくいいこと言ってたわね!……なんか一部卒業式みたいなこと言ってたけど……」

「ありがとうティナ、ナミア、エリー。そして卒業式っぽくはないとおもうんだけどな〜?」
 その後無事入学式は終わり新入生はそれぞれの教室に案内された。
 教員に案内され教室に着いた。

「ここがこれから通う教室なんだね〜」

「広くて綺麗だね!」
 早速席に着くと一人一人の机にあるものがついていた。

「すごく設備がいいわね……」
 ティナとナミアは教室の綺麗さに。
 エリザベートはその設備の良さに驚いていた。
 それもそのはずである。

「一人一人の机に魔道具がついてる……」

「本当だ!ナミア〜。あれってどんな魔道具なの?」

「う〜ん……私もわかんないよ」

「これはいろんな事を調べられる魔道具だよ」

「……それってグランの検索魔法(サーチエンジン)みたいな……?」

「それとはまた少し違って親機に登録されている情報を見ることができるんだ。これを見れば大体のことはわかるから“魔導式図書館”とも言われているんだ。でもものすごく高価なものだから大きめの冒険者ギルドとか役所とか教会にしか置いてないんだ」

「へ〜ってそれってものすごくすごいことなんじゃ……」

「だから二人とも驚いてたんだね」
 しばらく魔導式図書館について説明していると先ほどとは別の教員が残りのクラスメイトを連れてきた。
 みんなが席に着くと二人の教員が自己紹介を始めた。

「みんなはじめまして。このクラスの担任になったステイン・レア・リストンだ。一年間よろしく頼む。そしてこちらが……」

「自分はルイス・レア・ボニージャっす!副担なんであまり一緒にいる時間はステイン先生と比べると短いんすけど精一杯頑張るんでよろしくっす!」

「…と言うことだ。じゃあそろそろみんなにも自己紹介してもらおうと思う。そうだな……首席のグランから頼む。」

「グラン・レア・ベルセリアです。気軽にグランって呼んでください!よろしくお願いします!」
 グランの番が終わると隣に座っていたティナが立った。

「ティナです!得意なことは料理です。そしてグランの婚約者です!よろしくお願いします!」

(いや……料理まではよかったけど婚約者は今じゃなくても……)
 グランは周りを見てみると目を輝かせた女子達と少し殺気立っている男子達が大勢いた。

(これは後で大変だなぁ……)

 次に立ったのはナミアだった。

「ナミア・レア・カザールです。剣術が得意です!でも魔法はちょっと苦手です。ここでみんなと学んでいけたらと思います。よろしくお願いします」

「エリザベート・レア・セレクトインです。テイムを得意としています。これからよろしくお願いします」

(あ、あれ?これ僕もなんか得意なこと言った方がよかったんじゃあ……)
 そんな事を考えているうちに自己紹介は進んだ。

「フレッドリック・レア・サロタだ!剣術と火魔法が得意だぜ!よろしくな!」

「フ、フィナー・レア・アビスメドです。とっ得意なことは……回復魔法です。よ、よろしくお願いします!」

「ローサで〜す!私は召喚魔法が得意なんだ!みんなよろしくね♪」

「ハッサンです。空間系の魔法が好きです。よろしく」
 時折あるかなりクセの強い自己紹介を聞いていると最後の二人となった。

「シャミア・フォン・ダイナースですわ。王族ですが気軽に話しかけてくださいまし。これからよろしくお願いしますわ」

「サリーネ・フォン・ダイナースです。シャミアお姉様の妹になります。お姉さまと同様に気軽に話しかけてください。よろしくお願いします」

「やっぱり噂って本当だったんだ……」

「噂?」

「双子の王女様がこの学園を受けるっていう」

「ああ~」
自己紹介が終わりこれからの予定を確認して今日は放課となった。
グランは帰る準備をしていると一人の男子生徒が話しかけてきた。

「グランだっけ?これからよろしくな!」

「こっちこそよろしくサロタ君」

「フレッドリックでいいぜ!」

「じゃあよろしくフレッドリック」

「グランはティナと婚約してるんだろ?」

「ああ。そうだけど……フレッドリックは?」

「俺には婚約者はいねーな。そういう話も一切ないし自由にしろって」

「なるほどね。うちも騎士爵だからそこまで厳しくないよ」

「でもグランは相手がいるからいいけど俺はな……」

「フレッドリックもかっこいいからきっとすぐ見つかるよ!」

「そうだといいんだがな……」

「っとそうだ!フレッドリックは王女様とかは?」

「いやいやさすがにそれはないだろう。俺たちにとっちゃ雲の上の存在だぜ……」

その後話を聞いてみるとサロタ家は準男爵のようで名誉貴族に分類されるためほぼほぼグランと同じであった。

(なんかその雲の上の存在(王女様)から目をつけられてるような……敵意しか感じない)

少し異常もありながらも一日目は終わりを迎えた。



入学式から一夜開け授業初日になった。
少し早めに寮から出ると廊下でフレッドリックと会った。

「おはよう!フレッドリック」

「おう!おはようグラン。今日からだな」

「どんなことをやるんだろうね?」

「俺はは魔法が苦手だからな……。あんまり魔法は受けたくないな」

「そうなんだ」

「火魔法だけは得意なんだけどな」

「もしよかったら魔法を教えようか?その代わりといっては何だけど剣術の訓練相手になってよ」

「まじかっ!本当にいいのか?」

「いいよいいよ。別に減るもんじゃないし。」

「ありがとうな!俺も魔法の練習も剣の練習も出来るし願ったりかなったりだ!」

「じゃあ早速明日からってことで」

「おう!」
その後二人で教室に向かうとティナたちがいた。

「おはよーグラン、フレッドリック!」

「おはよう三人とも」

「おはようティナさん、ナミアさん、エリザベートさん」

「二人はもうなんの授業受けるか決めた?」

「私たちは今考えてたの」
 この学園では基礎的な授業の他に最低でも2つは専門的な授業を受けなければならない。
 それは選択制で武術学、魔法学、魔道具学、経済学、内政学などなど合計26の講座を選んで受けることができる。

「僕は武術学、魔法学、魔道具学、冒険学、貴族学を選んだよ」

「俺は武術学、魔法学、冒険学、貴族学だ!」
 グランとフレッドリックが選択したのは実技多めであった。

「実技多いね!私は魔法と魔道具と内政かな?」

「私は剣術と内政と魔法と貴族だよ!」

「私は魔法と経済と貴族よ」
 ティナ、ナミア、エリザベートはそれぞれが得意そうな内容を選んでいた。

「って内政?ナミアが?」

「私にだってわかるよ〜!最悪グランに聞けばいいし」

「ま、まあ頑張ってくれ。わかんなくなったらいつでも教えるからな」

「うん!ありがと!」
 そろそろ時間になるので席に着くと隣に座ったフレッドリックが

「ところでグランの旦那〜誰が本命なんですかい?」

「どんなキャラ!?誰ってティナは婚約者だし……」

「だけどよ!グランだって知ってるだろ?この国が一夫多妻制だってことぐらい」

「もちろん知ってるけど……僕はティナ一筋だよ」
 そんな事を言ってると先生が来て今日の授業が始まった。
「シイラ・レア・レティガユです。これから一年間よろしくお願いします。なにか授業でわからないことなどがあったらいつでも聞きに来て下さい。今日は初回なので基礎的なことしかしませんが、明日からは本格的に授業に入っていくので予習をしておくように。それでは早速授業を始めます」

 一限、二限目は座学だ。
 社会学担当のシイラ先生がこの世界の仕組みや成り立ちについて詳しく教えてくれた。
 とは言ってもここに受かった生徒はみんな学習済みのため本当に確認レベルであった。


「次は実技だから体操服に着替えて校庭に集まってくれ」
 担任兼実技担当のステイン先生がみんなにそう告げた

「着替えいこーぜグラン!」

「オッケー。実技何すんだろーな?」

「初日だからそこまでキツくないとは思うぞ」
 フレッドリックと一緒に着替えたグランは校庭へと向かった。


「じゃあ早速始めるぞ。今日は剣術の訓練だ。まず二人一組になって……」
 結論から言うとステイン先生の実技はスパルタだった。
 それはもうかなりのもので体力のないものはこの世の終わりのような顔をしていた。

「はぁはぁ……さ、流石にあれはやばくねーか?初日から授業時間ずっと走り込みとか。しかもほぼ休みなくそのまま四限目に魔力操作の訓練だぜ……」

「そうかな?結構いけたとは思うけど……」
 グラン以外はみんなバテていた。

「グランが異常すぎるんだよ……」

「流石に運動好きな私でもきつかったよ。部活の走り込みの方がよっぽど」

「わ、私は……もう無理」

「ま、まあ次は昼休みだからまだいいんじゃない?これで一限目とかだったら本当に鬼だと思うけど」

 昼休みになり食堂にやってきたグラン達はそれぞれ好きなものを頼んでいた。

「ここにあるものが全部無料で食えるとかやばいよな」

「噂によれば王宮で出てくる料理とほぼ同じ品質みたいよ。なんでも料理長が元宮廷料理長とか」

「本当?普通に食べようとしたら超高級じゃん!」

「いろいろすごいところだよな」

「もう卒業したくなくなっちゃうね!」

「でも卒業出来なかったもう一年あの地獄を見るのよ?」

「うぅぅ〜〜それは嫌かも……」

「三年間悔いなく楽しもう?」

「そうするよ」


 昼休みが終わると選択した専門授業になる。
 朝のうちに希望調査が集められているため今日から参加が可能となる。

「魔法学の教室はこっちだよね」

「大講義室だよ」

「ちょっと早いけどもういこう!」
 今日の五限目は全員同じである魔法学だ。
 グラン達は大講義室へと向かった。
 魔法学の教室である大講義室にやってきたグラン達は席に着くと開始を待っていた。

「どんな事をやるのかな?」

「魔法に関する理論とか論文とかを紐解くって書いてあったわよ。しっかり呼んだ?ナミちゃん」

「読んだよ〜。でも具体的に書いてなかったじゃん」

「どうかしら?読んでなかったんじゃないの〜?」

「そんな事ないもん!」
そんな会話の後授業が始まった。

「魔法学担当のアートス・レア・レゼルボーだ。ここでは魔法の研究を主にすることになる。じゃあさっそく始めるぞ」

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「結構面白かったな!まだまだ魔法は奥が深いぜ!」

「原理がわかるともっと魔法が使えそうな気がしてくるよね!」

「面白かったわねグラン」

「…………」

「グラン?どうしたの?大丈夫?」

「っああ、大丈夫だ。って悪い聞いてなかった」

「も〜しっかりしてよね!私の旦那さんなんだから」

「「む〜!」」

「?ごめんごめん少し気になることがあってさ」
(昨日から学園にいる間中ずっと視線を感じるんだよな……。気のせいだといいけど)

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〜シャミアside 〜
それはグランたちが部屋でお茶会をしていたころ…

「どうして!私が首席じゃないの?せめてサリーネが首席なら分かるのに」

「でも次席じゃないですかお姉様。まあ私も三席には納得いきませんが」

「そうよね!二人でずっと頑張ってたのにベルセリアの長男にその座を奪われるなんて……。そうだわ!入学したら本当に首席に相応しいかどうか見極めましょう」

「でも学園の厳しい審査を通っているんですからふさわしいとは思いますよ。何せあの学園が…ですから」

「だけどやっぱり私たちでも見極めたいじゃない?」

「それもそうですね。ちょっと観察してみましょう」
 それから何日か経ち入学式の日になった。

「今日は入学式ですね!お姉様」

「そうね。どれほど今日という日を待ち望んだことか。今日のあいさつできっと化けの皮が剝がれるわ」

「楽しみですね!不正をして得た地位でふさわしくない行動をとることがいかに恥ずかしいか。よく見てきましたものね」

「ええ。もし本当に首席なら必ず感動するようなスピーチをしてくれるはず!」


「すごかったですわ…。本当に私たちと同じ年齢?」

「しかも辺境の騎士爵家の出なのにあの人数に注目されていても堂々としていました…。私でさえかなり緊張してしまうのに」
 二人の目論見は外れグランのすごさを思い知らされた二人は軽いめまいを覚えながらも自室へと戻った。

「で、でも今日は式典だったけど明日からは普通の授業日だからきっと気を抜くはず!」

「それもそうですね!明日が楽しみです」
 二人は今日のことはまぐれだと信じ明日にかける事にした。

「シャミア・フォン・ダイナースですわ。王族ですが気軽に話しかけてくださいまし。これからよろしくお願いしますわ」

「サリーネ・フォン・ダイナースです。シャミアお姉様の妹になります。お姉さまと同様に気軽に話しかけてください。よろしくお願いします」
 二人が自己紹介をするとクラス中がざわめきだした。

(みんな私たちの噂をしていますね!)

(ええ。私たちのほうが注目度が高いしそのうち忘れられるでしょう)

 その日の授業はオリエンテーションで終わった。
 本格的な授業は明日からだ。
 二人は今日の自己紹介でグランより注目を集められた事で満足していた。

「これで彼はもう何もできないでしょう」

「私たちの完全勝利ね!明日からが楽しみね」
 まだ何も始まっていないうえにそもそも一方的な嫉妬であることに気づくこともない。
 そんな二人は思い知る事になる。
 グランが不正をして首席になったわけでなく実力のみで首席だということを。
 そしてそんな二人とかなり差があるということを……
 朝二人が学園に行くと既にかなりの人が来ていた。
 その中にグラン達もいた。
 二人は特に気にすることもなく席へとついた。

(みんな来るの早いわね)

(楽しみなのはみんな同じみたいです)
 その後先生が来てホームルームが終わると早速授業が始まった。

「シイラ・レア・レティガユです。これから一年間よろしくお願いします。なにか授業でわからないことなどがあったらいつでも聞きに来て下さい。今日は初回なので…………」

(早速化けの皮が剥がれるわね。さあ本性を表しなさい!)


「じゃあここを……グランさん答えてください」

「この国は貴族制で成り立っています。貴族制はなんらかの理由で貴族となった人たちのみで政治をします。
 なので物事がとてもスムーズに進みますが民衆の意見が届きにくいという欠点があります。 
 平民は自分が住んでいる地域を収めている貴族に税金を払い、そこから貴族が国に税を納めると言う仕組みで成り立っています。
 また地域によっては税率が異なりそれによって受けられるサービスも変わってきます。
 税率が高いと教会でかかる費用が安くなり、逆に低いとそれらのサービスが高額になります」

「満点です。よく勉強していますね。ちなみに議会制という体制も他国にはありますがこれに関しては何か分かりますか?」

「はい。議会制では平民も政治に参加できるので国に民衆の意見を取り入れやすいという利点があります。
 しかし欠点として意見が拮抗し議会が滞ることがありスムーズに事を進めることがとても難しい点があります。
 また議会制は税金を納めるのが国という点で違っています。
 貴族などを間に挟まず直接税金を納める必要があるので一律の税率になっています。」

「すごいですね。ここはこれからやるはずの範囲なのに……ありがとうございました」

(なんであいつが答えられるのよ!?わたしたちもまだやっていないところなのに!)

(どれだけ予習してるんでしょうか?そこは筆記試験ほぼ満点といったところですね)


 座学が終わり実技の時間になった。

(私はあいつがガリ勉タイプと見たわ!魔法は使えたとしても剣術や体術までは無理なはず)

(これで剣術も体術も完璧だったらもはや人間業じゃないです)


「走り込み終了だ!少し休憩したら次は素振りに行くぞ」

(丸っと一時間走り込みは無理ですって……さ、流石にきつい……)

(こ、これは結構来るものがありますわ。せ、精神的にも鍛えられてるような……)
 王宮の訓練よりも厳しい実技一時間を終え休憩しつつグランに目をやった。

「「なっ………………!!!!!」」
 グランは休憩時間を活用し魔力循環の訓練を行なっていた。
 この訓練は普通かなり集中していないととてもできるものではなく集中しないでやると魔力が暴発してしまいとても危険だ。
 そのため普通は体力面か魔力面かどちらかの強化になるのだが……。

(なんであんなことが今できるの!?暴発する様子もないしあの走り込みの後でも涼しい顔をして魔力循環なんて……)

(しかも循環させた魔力で組み立てては消している術式は……絶級クラス!?)

((首席って……やばい))
 この世界に存在する魔法は技能由来のもの(先天的)なものと術式組み立て型(後天的)なものに分けられる。
 魔法が使えないものはいくら頑張っても使えないが、元々使えるものは術式を覚えることで魔法の種類を増やすことができる。
 そんな事をしなくてもグランには創造魔法や全属性が使用できる技能があるのだが
 ティナを救い出した件以来また技能が封印されてもいいようにある程度は術式発動もできるようにしておいたのだ。
 そんな事を知るはずもない二人は今までの自分達の行いがバカらしく思えてきた。

(私たちは自分より才能がある人に嫉妬していただけなんだわ……でも少しの違いかと思ったのにまさかここまでとは……)

(私たちはなんて恥ずかしい事をしていたのでしょう)

 そして初日が終わる頃には二人のグランへの嫉妬は憧れへと変わっていた。

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