『私はそこら辺にいる下等生物的な女子とは違うから。安心して』
「よかった。とりあえず一回通して演奏したいんだけど、みんな空いてる時間とかある?」
『私は普通、いつでも暇だから。いつでもいいよ』
「俺は母さんのことで色々あるけど月火木金日は大丈夫」
「僕は酒井さんと同じように基本いつでも大丈夫」
明日は水曜日。母さんのことで色々あるから「明後日なら大丈夫」と伝えた
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母が亡くなってからは大変だった。遺産の相続や遺体の管理など、子供では出来ないような内容ばかりだった。
一応専門の会社に任せているのものの、確認などは自分でやらなくてはいけない。そのため、欠席や早退がかなり増えた。
しかし一方で蒼い海と緑い樹海メンバーの団結力も少しずつ上がってきた。聡や酒井の音色を聴くと身も心も軽くなる。
そして、俺たちの演奏を聞く聴衆も少しずつ増えてきた。