「こ、こちらこそ。」

頭を下げた私は、偶然聞き出せた彼の名前を、ずっと心の中で繰り返していた。

「ところで名前が”カレン”っていう事は、性格も可憐なの?」

「えっ……」

ポカーンとする私に、佐藤君がフォローしてくれた。

「あ、全然違う。性格も違けりゃ、漢字も違う。」

「ちょっと佐藤君?」


それ、フォローになってないじゃん。

って、言おうとした時だ。


「はい。」

二人の佐藤君がこちらを向いた。

「あ……同じクラスの佐藤君。」

なんて、ややこしいんだと思いながらも、佐藤君を指さす。

「ああ……」

佐藤君がうなづくと、みんなで笑い合った。


そして、あの人が口を開いた。