「わかりました、後もう一つお願いがあります、私を経理部に戻してください」

「それは出来ない、俺のこと嫌いか」

「昨日会ったばかりで、正直わかりません、たださっきキスされた時嫌ではなかったです、私を好きって言っていただいて抱きしめて貰った時にドキドキしたのも事実です」

彼は満面の笑みを浮かべて微笑んだ。

「そうか、嫌われていないってことはわかった、でも経理部には戻さない、俺のテリトリーからは出すつもりはない」

私は彼の側で仕事をする以外の選択肢はないようだ。

もう一つ彼に頼みごとを伝えた。

「会社でキスしたり、抱きしめたりはやめてください」

「じゃあ、俺のマンションに引っ越してこい」

「社長のマンションならいいとは言っていません」

「どこならいいんだ」

「そう言うことではなくて、キスは好きな人とするものです」

「俺は美希が好きだ、美希も俺が好きなんだろう問題ない」

唖然としてなんて前向きな、いや、自信満々なんだろうと言葉を失った。