自分の手を顔の前に持っていき、両手がある事を確認した。

足は全く感覚が無い。

もしや、俺の足は無いのか?

急に悍ましい思いが脳裏を掠めた。

「おい、俺の足はちゃんとあるか?」

「大丈夫です、ちゃんとついてますよ」

東條はニッコリ微笑んで答えてくれた。

そこへ病室のドアがノックされた。

「蓮、生きてるか?」

そう言って病室に入ってきたのは、俺の悪友、望月楓だ。

「楓、縁起でもない事言うなよ」

「でも良かったな、お前は強運の持ち主だな」

俺は強運の持ち主じゃない、輸血を申し出てくれた女性がいなかったら、俺は今、ここにはいない。

「蓮様、事故現場にいらした女性はどなたですか?お付き合いされていた方でしょうか」

「事故現場にいた女性?俺はあの時一人だったはずだが……」

俺は全く身に覚えがなかった。

「事故現場にいた女性が一緒に救急車に乗って頂いて、輸血を申し出てくださったんです」

「名前を聞いたか?」