「杏莉、これ冷蔵庫にしまって置いて。あと食べられそうな物出しといて」
「わかった」
キッチンに並んだ使い終わった食材をしまいつつ、昨日のおかずなどを並べていく。
「終わったらご飯よそって!」
「はーい」
お母さんと2人で夕飯の用意をしながらテレビを眺める。つい最近カミングアウトした芸能人の話題が流れていた。
「同性愛ねぇ」
お母さんのその一言に思わずドキッとする。
「結構気にする人も居るものね
本人が良いならそれでいいと思うけどねぇ」
よかった。否定的ではないみたいだ。でも、
もしも、私の好きな人が同性だと知ったら私が全性愛者だと知ったら、お母さんは受け入れてくれるのだろうか 。他人なら、肯定的な考えをもってくれているのは知っている。でも、それが自分の娘だったら?理解して貰えるだろうか。
私にはわかりそうにない。