「ええ、倒産寸前だとか」

「錑、いえ社長を助けてください」

「錑様には申し伝えました、私と結婚して、宇佐美不動産と契約してくださいと、今、錑様は私との結婚を考えてくださってるところですわ」

「そうですか」

「でも、いつまでもあなたが錑様の側をうろうろしていると、錑様も決心が揺らぎます、さっさと錑様の前から姿を消してくださらないこと?」

「わかりました」

もう、錑は私との別れを決めて、麗子さんとの未来を歩もうと決めたんだ。

そうだよね、会社を救うことが出来るのは麗子さんだけだから……

この時みゆは決心していた、錑のため、会社のために錑と別れなければと……

そして与那国島に戻った。

俺は早速麗子を訪ねた。

「錑様、良いお返事を持って来てくださったのですよね」

「いや、宇佐美不動産との契約を復活させるつもりはない、従ってお嬢さんとの結婚もなしだ、俺はみゆと結婚する」

「会社の社員を見捨てるおつもりですか」

「桂木ホテルリゾートは東城ホールディングスと契約する」

「東城ホールディングス?東城慎太郎が会長を務める大手の大企業ですよね」

「ああ」