「障害者に手を差し伸べる」ことは良いことだが、かわいそうだとか、いかにもやってあげていますという態度は厳禁である。あくまでもさりげなくスマートに助けることが大事である。

 障害者は何一つ欠けていないし、一人の人間として当たり前の日常を享受するべきだ。

 デザインもこのようなコンセプトで考えるべきだろう。

 「さりげなく助けるデザイン」は、デザインの本質である。良いデザインは、デザインされていることに気付かせないものだ。かっこいいスポーツカーも優れたデザインだが、プロなら外観からすぐにわからないところに精緻な技術を駆使するはずだ。


------------------------- 第5部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
書くことに目覚めたとき

【本文】
「いつかは自分の心に残っていることを書き留めたい」
 これはずっと思い続けてきたことである。何度か書き始めようとして、メールで書いてみたり、執筆用のパソコンを用意したりしてみたが続かなかった。
 なぜらろうか。
 書きたい欲求が足りなかったからではないだろうか。