DVD不識な光る円盤

「これ、何に使うんですか」
 本に添付されている円盤を指して、高校生が質問した。
 受験予備校で英語の教材を配布したときの話である。
 たまにDVDつきの本を見かけるときがある。
 昭和生まれの人間でも、最近はDVDを煩わしく思う。
 映像はYouTubeのQRコード。
 テキストデータはダウンロードサイトのORコード。
 こちらの方が手軽に活用できる。
 DVDをなぜ煩わしいと感じるのだろうか。
 まずはその大きさである。
 厚さ0.6mm、直径12cmという大きさだ。
 これがたくさんたまってくると、専用ファイルに入れて整理する必要が出てくる。
 材質はポリカーボネート。
 屋外のファサードなどにも使われる、ごく硬いプラスチックである。
 読み込み速度は機器にもよるが、インターネット回線でダウンロードするより時間がかかる。
 DVDプレイヤーに入れると、ブーンという回転音がして読み込まれるまでしばらく待つ。
 このような作業を想像して、煩わしさを感じてしまう。
 また光沢がある読み取り面を素手で触ってはいけない。
 年月が経つとカビが生えたりする。
 プレイヤーの読み取り装置にホコリが付くと読み取れなくなるので、定期的にクリーニングする必要がある。
 以上のように、物としてのメディアよりも、インターネット上にデータを保管した方が利便性が高く、経年劣化もないと思う。