二〇一八年、九月二十二日、土曜日。

 急がないとまずい。僕は久々に走っていた。

 寝る時間が遅かったためか、寝坊してしまったのだ。映画に間に合わないほどではないが、相手を待たせてしまっている。

 待ち合わせ場所である大型商業施設の入り口が近づくと、すぐに奈緒を見つけることができた。