殿山駅で下着と安いビーサンを買って、小宮山はもう一度着替えた。
再びトイレから出てきた小宮山は、前にもましてチグハグ。

ひでーな。
ビーサンがとどめさしてる。

小宮山の格好があんまり酷くて、オレは逆に使命感に燃えた。
なんとか無事、家まで送り届けてやらなきゃって。

帰りも運良く二人がけの座席が空いていて、人目から隠すように小宮山を窓際に座らせる。

ウン、これでよし。もう大丈夫。
ここまできて、オレはやっと一息ついた。
濃い一日だった。主に放課後が。
精神的な上がり下がりが激しすぎたせいか、電車が動き出すとオレはすぐに眠ってしまって、小宮山におこされるまで途中一度も目を覚まさなかった。