小宮山がオレを避けてるのは間違いねーんだけど、オレのほうは彼女に会いたくてたまらない。

「小宮山あ、もう待てねえよ・・」

それでオレは勝手に小宮山に会いに来た。
事前に連絡すると絶対に断られるから、彼女には何も言わずに。

聞きたいことは山ほどある。
だけどなにより、小宮山をまずこの腕にジカに感じたい。

はやる気持ちを抑えつつ彼女のアパートに向かってみれば、彼女の部屋は電気がついてなくて真っ暗だった。もしかしてスゲー具合が悪いのかと思って慌ててピンポン鳴らしに行ったのに、何回鳴らしても出てこない。
コトリとも物音がしない。
てか、人の気配がまるでない。

留守っぽいんだけど。
熱があんじゃねーのかよ。

どこにいんだよ、小宮山ーーー

念のため近所のバイト先にも行ってみたら、なんと小宮山は店にいた。元気にバイトしてる姿にオレは愕然となった。

ウソだろ、信じらんねえ。
オレすっぽかしてバイトかよ。

スゲー元気そうな小宮山の働きっぷりをしばらくみつめてから、さっきコンビニで買ったポカリとプリンの入った袋をリュックにねじ込んだ。
フツフツと湧き上がる怒りを抑えつつ、オレは静かに彼女の働く店の入り口へと向かったのだった。

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