涼音(すずね)side〉
 私の幼馴染の(かえで)は無口。
 だけど、私の前では控えめだけれど喋ってくれるんだ。
 私は、そんな楓が好き。
 「楓は私のことが好き?」って聞いてみたい。
 そんな勇気、私にはないけれど。
 
 私は、突然、不治の病にかかってしまった。
 治療しなければ、余命は半年らしい。
 自分の体にメスを入れるなんて怖くてできない。
 でも死にたくない。
 だって、私はまだ、お父さんとお母さんに貰ったこの命を全うできてないもん。
 
〈楓side〉
 僕のお姉ちゃん的幼馴染、涼音ちゃん。
 涼音ちゃんは可愛い。
 無口でつまらない僕のことも可愛がってくれる、優しいお姉ちゃん。
 僕は、物心ついた時から涼音ちゃんが好き。
 涼音ちゃんを、“お姉ちゃん”じゃなくて、“彼女”にしたい。
 涼音ちゃんの1番は僕。 

 涼音ちゃんが突然、病人になった。
 余命半年の間に僕は・・・