「もしかして、花ちゃんって咲良のお母さん?」
「そうだよ。咲良は花ちゃんが産んだ子。そして僕が今育てている」
咲良と血の繋がっていた父親は花ちゃんに対して言葉の暴力が酷くて、そういうのは見ているだけで子供の心の発達や将来に悪影響を及ぼすからって、結婚せずに未婚のまま母になる事を決意したらしい。
「あと、思い出したんだけど、花丸木さんって僕のお父さんだよね?」
花丸木さんは男手ひとつで僕を育ててくれたお父さんだった事も思い出していた。
ちなみに、花丸木さんは、産後の奥さん、つまり僕の産みの親を置いて長い一人旅をしたり、マイペースすぎて、あなたの事が分からない!と言われ奥さんに出ていかれたらしい。今は色々反省していると言っていた。
花丸木さんと花ちゃんは、再会してすぐに愛し合い、僕と咲良の事も愛し、幸せなひと時だったらしい。花ちゃんが亡くなってからも、子供達を愛し、そして子供達から愛されていたから生きていられたのだと彼は言った。
「そう。ちなみに息子のあなたを、カラスの姿の時もずっと見守っていたよ」
「えっ? どういう事?」
「八年前、大翔がいなくなった次の日、蓮が前日に起こった事を話してきて、僕ひとりで見に行ったんだ。そしたらもう既にカラスになっていた。生きていたんだ」
「えっ? 僕だって分かったの?」
「うん。僕が畑セットを渡した二人組のお母さん、その時、傍にいたんだよね。その時はご夫婦で新婚旅行に来ていたみたい。彼らが命の消えそうな大翔を見つけて、元気なカラスにしてくれたらしく。詳しく説明してくれたよ」
花丸木さんは大きなため息をついて、下を向き早口で再び語りだした。
「息子をこんな目に合わせた蓮の事が許せなかった。あいつは後悔している様子だったけれど、蓮には大翔がカラスになって生きている事を言わなかった。後悔して苦しんでいるようだからずっとこのまま苦しみながら生きていけばいいと思っていた。償わせてくださいって言ってきたから、カフェの手伝いしてくれたら、それで大丈夫って、善人の顔して僕は言った。そして毎日会う度に、大翔との幸せだった頃の話を彼にして、毎日罪に意識を向けさせた。警察に捜索願いを出し、探してもらいながら、僕は知っていたんだ」
花丸木さんはこっちを向いて言った。
「僕は悪い大人だよね」
次々と来る情報のせいで、気持ちの整理が追いつかず、僕は何も返事が出来なくて、紅く染まった葉に視線をやった。
「そうだよ。咲良は花ちゃんが産んだ子。そして僕が今育てている」
咲良と血の繋がっていた父親は花ちゃんに対して言葉の暴力が酷くて、そういうのは見ているだけで子供の心の発達や将来に悪影響を及ぼすからって、結婚せずに未婚のまま母になる事を決意したらしい。
「あと、思い出したんだけど、花丸木さんって僕のお父さんだよね?」
花丸木さんは男手ひとつで僕を育ててくれたお父さんだった事も思い出していた。
ちなみに、花丸木さんは、産後の奥さん、つまり僕の産みの親を置いて長い一人旅をしたり、マイペースすぎて、あなたの事が分からない!と言われ奥さんに出ていかれたらしい。今は色々反省していると言っていた。
花丸木さんと花ちゃんは、再会してすぐに愛し合い、僕と咲良の事も愛し、幸せなひと時だったらしい。花ちゃんが亡くなってからも、子供達を愛し、そして子供達から愛されていたから生きていられたのだと彼は言った。
「そう。ちなみに息子のあなたを、カラスの姿の時もずっと見守っていたよ」
「えっ? どういう事?」
「八年前、大翔がいなくなった次の日、蓮が前日に起こった事を話してきて、僕ひとりで見に行ったんだ。そしたらもう既にカラスになっていた。生きていたんだ」
「えっ? 僕だって分かったの?」
「うん。僕が畑セットを渡した二人組のお母さん、その時、傍にいたんだよね。その時はご夫婦で新婚旅行に来ていたみたい。彼らが命の消えそうな大翔を見つけて、元気なカラスにしてくれたらしく。詳しく説明してくれたよ」
花丸木さんは大きなため息をついて、下を向き早口で再び語りだした。
「息子をこんな目に合わせた蓮の事が許せなかった。あいつは後悔している様子だったけれど、蓮には大翔がカラスになって生きている事を言わなかった。後悔して苦しんでいるようだからずっとこのまま苦しみながら生きていけばいいと思っていた。償わせてくださいって言ってきたから、カフェの手伝いしてくれたら、それで大丈夫って、善人の顔して僕は言った。そして毎日会う度に、大翔との幸せだった頃の話を彼にして、毎日罪に意識を向けさせた。警察に捜索願いを出し、探してもらいながら、僕は知っていたんだ」
花丸木さんはこっちを向いて言った。
「僕は悪い大人だよね」
次々と来る情報のせいで、気持ちの整理が追いつかず、僕は何も返事が出来なくて、紅く染まった葉に視線をやった。