高校の近所にあるカラオケ店。

「曲数多めの機種で!ドリンクバー付けてください」



あきらちゃんがハキハキと店員さんと話している。

私はというと、人生で初めて授業をサボったことにオドオドしている。



「ねぇ、先生に見つからない?」



部屋番号を聞いて移動している時、小声であきらちゃんに言う。



「サボってるのバレたら、なんか罰則があるのかなあ?」

「まぁ、そりゃあ、あるんじゃない?」



あきらちゃんはケロリとしている。



「多分反省文とか?どこかの空き教室の掃除させられるとか?」

「それで済むのかな?」

「みのりちゃん、ビクビクしすぎ。大丈夫、私と一緒だもん。怖くないよ」

「うん……」