☆☆☆

「寒い……」


ラセン階段へ出た途端空気と雰囲気が変わって、俺はブルリと身震いした。


ヒヤリと冷たい風が頬をなでる。


俺はパジャマのボタンを上までしっかりかけて、再び歩き出した。


今日はまた、やけに幽霊にピッタリな雰囲気だな。


階段を下りながらそんな事を思う。


今日の昼、内科に入院中だった患者さんが1人亡くなったという噂を聞いた。


それが原因なのか、昨日よりも心臓がうるさくて嫌な汗がにじみ出てくる。


カン……カン……カン。


と、階段をゆっくりと下りていく俺の足音がやけに大きく響く。


そして、3階まで降りてきたとき……。


『関係者以外立ち入り禁止』