空が青く、雲ひとつない快晴だった。そして、風が心地いい。こんな日に飲むスポーツドリンクはとても美味しい。そして、いつの日か楓が熱を出した時に飲ませてあげた水筒と同じものを使っている。
「あれから二年も経つのか」
「まぁ、正確には一年半だけどな」
俊典さんの言う通り、彰はマネージャーとして、俺はプレイヤーとして九州の堀内さんのところの高校に通っている。
最初は春斗さんの家にお世話になる予定だったのだが、さすがに迷惑がかかるし、住む場所の変更とかが色々面倒だったので寮に入ることにした。今は彰と相部屋だ。
彰の言う通りあれから一年半経つ。
あれからというのは彰がプレイヤーとしてバスケをした最後の日からだ。あれは全国大会準決勝で俺たちは負けた。原因は別に彰のせいとか、仲間のせいとかでもない。俺たちは圧倒的に多い大差で敗北した。そして、最後の二分間で彰と一緒にプレーをした。佐伯に無理を言って。
それこそ優勝には届かなかったけど、俺は彰と試合に出られただけで満足だった。