「席の並びはどうする。横四列で取ってるけど」
俺が頭の中で修学旅行の思い出を振り返っていると、朱里さんが飛行機のチケットを見せてきた。
「じゃあ、おばあちゃん、俺、俊、楓で」
俺たちの意見を全く聞かず、彰は勝手に決めた。
「それで、いいのか？そしたら、彰と俊の間に通路があって離れてるけど…」
「いいよ。それで、むしろそっちの方がいい」
そう言ってから、彰は俺の肩をポンッと軽く叩いてから耳元で、「頑張れよ」と言った。その瞬間、俺は全てを察した。
「え……」
「嫌なら変えるか？」
「意地悪だな…。嫌…ではないかな」
「なら、いいよな？」
彰はにやにやしながら俺に確認をとった。
「…うん」
彰は優しいのか意地悪なのかたまに分からなくなる。
というわけで、席は彰の言った通りに座ることになった。
飛行機の出発時刻になったので飛行機に乗った。
荷物は特にキャリーバッグとかではなかったので一緒に乗せることにした。