「佐伯が嫌がってた?」
一旦冷静になると俺は疑問に思ったことをそのまま彰に聞いた。
すると彰な少しにやっとしてから「鈍感だなぁ」と言った。
「どゆこと?」
まるで彰の言っている意味が分からなかった。俺が聞いた事への返答はなかった。というか佐伯達が戻ってきてしまった。
「何話してたんですか?」
佐伯が俺たちの会話の内容を知りたがってたが『佐伯の話をしてた』なんて言えなかった。
「なんでもないよ。」
「そうですか…あ!この子可愛い!」
佐伯は俺たちが後ろをついてきていることを確認したらすぐに目の前大きな水槽に走って行って、目を光らせていた。
「まっすぐでいい子だよな。佐伯って…」
そんな佐伯の様子を見て彰が小さな声で呟いた。
俺も佐伯は良い奴だと思うので「そうだな」と相槌を打っておいた。
「それに比べて楓は…」
彰は自分のせいで楓がああなってしまったのはわかっているからかそう言った。
「そろそろ始まるから佐伯達に言ってこいよ」
彰は腕時計をちらっと見てから俺にそう言ったので彰の指示通り、大きな水槽に目を輝かせていた佐伯達を呼びに向かった。