「ナナが幸せになるためにはイジメっ子をいなくならせることが必須条件だった。それはあたしにとっても復讐になる」


「もしかして、咲たちの願いが消えたのって……」


美緒は大きくうなづいた。


「ナナの願いが関係してる」


そう言われて一瞬怖くなった。


あたしの願いがみんなの願いを打ち消してしまったのだ。


それがバレたらどうなるか……。


そこまで考えたが、すぐに美緒の言葉を思い出した。


あたしの幸せは咲たちがいなくなることが必須条件。


咲たちがいなくなるのなら、怯える必要なんてないということなんだ。


「だけど少し待っていてね。あたしはあいつらをすぐに消したりはしない。もっとゆっくり、ジワジワと消したいと思っているの」


ジワジワと。


それは復讐として最もふさわしいやり方だと思えた。


あたしたちはあいつら3人に苦しみ続けさせられたのだ。


簡単に消えてなくなるなんて、許せなかった。


「楽しみにしていて。絶対に、ナナを幸せにするから」


美緒は最後にそう言うと、スッと灰色の目に戻っていったのだった。