☆☆☆

そして、無常にも朝はやってきた。


スマホを確認してみても、美緒から返事は来ていなかった。


もちろん既読もついていない。


変わりに咲たち3人からは無視するなという内容のメッセージが10件近く入っていた。


それを確認してゆるゆると息を吐き出す。


誰かを嫌いになるのと、誰かを好きになったときの行動はよく似ている。


どちらも、相手の一挙手一投足に反応してしまうのだ。


嫌いならほっといてくれていいから。


3人へ向けてそう言うことができたらどれだけ楽だろうと思う。


あたしにはそんな勇気はなかった。


せいぜに、送られていたメッセージを無視するくらいのことだ。


あたしは手早く着替えを済ませて外へでた。


今日は嫌味なくらいに快晴で、太陽が眩しい。


歩きながら美緒へ電話を入れることにした。


しかし、何度鳴らしてみても出てくれない。


仕方なく美緒に自分の行き先だけメッセージで送っておくことにした。


気がついて、来てくれればいいけれど……。