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美緒の弱みはなんだったのか?


それを咲たちに聞くのを忘れてしまっていた。


トイレに入って一度冷静になり、咲に連絡を取ってみよう。


そう思って教室から一番近いトイレに駆け込んだとき、目の前に光が立っていて驚いた。


「光、なにしてんの?」


聞きながら近づくと、光の手にカッターナイフが握られているのがわかった。


まさか、またニキビを切り取るつもりだろうか?


まぁいい。


ここに光がいたなら好都合だ。


「ねぇ、美緒の弱みを握ってたんでしょう? それってなんだったの?」


「弱み?」


一瞬こちらを見た光の目はどこかうつろだった。


次々と生まれてくるニキビに、光の精神は追い詰められている。


「そうだよ。弱みを握られていたから、美緒は大人しくあの廃墟に来たんだよね?」