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残念ながら、今日は咲は学校を休んでいた。


まだ治っていない足首を更に怪我したから、安静にしているのだろう。


真里菜は教室内にいるにも関わらずビクビクしていて、常に周囲を気にしている。


見知らぬ男に骨折させられ、挙句捕まっていないのだから当然だった。


「ナナちゃん、今日は来るの遅かったねぇ」


「ちょっと寝坊しちゃった」


クラスメートたちと他愛のない会話をしていると、途端に教室内がざわめいた。


視線を向けて見ると、そこには光が立っていた。


手にはあたしのカッターナイフが握られたままだ。


だけど異様なのはそこではなく、マスクに赤い血が染み付いていたからだった。


ろくに止血もせずに教室に入ってきたみたいだ。


「光!?」


さすがに驚いたのか、真里菜が光に駆け寄った。


「どうしたのそれ、怪我?」


「ううんニキビ。でも大丈夫だよ、ニキビを退治する方法がわかったから」


そう言ってカッターナイフを真里菜へ見せている。


真里菜はサッと青ざめる。


友人がなにをしたのか瞬時に理解したようだ。


「なんでそんなことするの? 血だらけじゃん!」


「え?」


光はなぜ真里菜が起こっているのか理解できないみたいで、首をかしげている。