「良かった……よな?」
ヴィックとロザリーが消えた場所を見つめながらポツリと呟くと、
「うん! 今度こそ、あの二人は幸せになれると思うよ」
セシルが気遣うように応えてくれた。
そう……だよな。ヴィックも感謝してくれていたし……って、それで思い出したけど、ロザリーさんの形見の品はどうしよう。
「ところで、この腕輪はどうしようか。レイスは出ないと思うから、元の場所へ戻そうか?」
「ま、待ってください。ヴィックさんが好きにして良いって言っていたじゃないですか。ですから捨て……じゃなくて、お店に売……も違って、や、屋根裏部屋に置いておきましょう」
「そう言えば増築された屋根裏の事をすっかり忘れてたね。とりあえず、地上へ戻ろうか」
未だにアーニャの顔色が優れないので、一先ず入口に向かって歩いていると、
「そういえば、どうしてお兄さんはカースタッチを受けたのに平気だったの?」
「そうですよっ! 最初は完全に意識を失われて、大変だったんですよ!?」
先程と同じ質問が飛んできた。
「実はクリア・ポーションを口に含んでおいて、カース・タッチを受けた瞬間に中のポーションを飲み込んでいたんだ。そうすると、呪いを受けてもすぐに治るだろ」
「そんな事をしていたの?」
「あぁ。皆無事で良かったよ」
そんな話をしている内に、地上へ辿り着く。
出来れば今すぐ寝転びたいけど、何とか街の外まで歩き、城魔法で家を出す。
全員三階まで上がる気力もなく、そのまま診察室のベッドで眠りに就こうとした所で、
「ちょっと待って。お兄さんは診察スキルがあったよね。一応、自分の状態を診ておいてよ。カース・タッチを何度も受けたし、何かあったら困るもん」
セシルが真剣な顔で詰め寄って来た。
物凄く眠たいけど、セシルを安心させる為、自分に診察スキルを使用する。
『診察Lv2
状態:呪い無効化(二十四時間)』
「呪い無効化? ……あ! Aランクのクリア・ポーションを飲んだから、その効果か!」
「そういう事だったんだね。変だと思ったんだよー。カース・タッチを受けてからポーションを飲むなんて行為が、何度も成功するとは思えないもん」
「という事は、俺がお腹をタプタプにさせたのは、全く無意味だったのか」
「あはは、残念。でも、お兄さんが健康だって分かって良かったよ」
俺の作戦が無駄だったと判明したのは悲しいが、セシルに笑顔が戻ったので良しとた所でアーニャがやってきた。
「あの、今のスキルで変な状態になっていないか分かるんですよね? でしたら、私も診てください! お化けがいっぱい居たし、何かに憑りつかれていたらイヤですし」
あー、アーニャはゴーストが苦手みたいだし、気持ちは良く分かる。
分かるんだけど、それはそれで問題があるんだが。
「アーニャ。診察スキルを発動させるには条件があって……」
「胸を触らないといけないんですよね? 仕方な……くはないですが、仕方ないです。それでも良いので、早く診てくださいっ!」
「……いいの?」
「何度も言わせないでくださいよっ!」
そう言って、アーニャが恥ずかしそうに顔を赤らめながら服を脱いでいく。
だが、途中で何かが吹っ切れたのか、突然大胆に上半身を露わにした。
「恥ずかしいから早く済ませてください」
これはあくまで医療行為だ。
アーニャも患者さんの一人に過ぎないんだ。
俺は医者。俺は医者……
「……診察!」
出来るだけ心を無にして診察スキルを発動させた。
『診察Lv2
状態:健康』
「良かった。アーニャは健康で、何も問題ないよ」
「良かった。リュージさん、ありがとうございます」
これで今度こそ眠る事が出来る。
そう思った所で、
「ボクもっ! お兄さん、ボクも診察してっ!」
何故かセシルが頬を膨らませ、診察スキルを要求してきた。
ヴィックとロザリーが消えた場所を見つめながらポツリと呟くと、
「うん! 今度こそ、あの二人は幸せになれると思うよ」
セシルが気遣うように応えてくれた。
そう……だよな。ヴィックも感謝してくれていたし……って、それで思い出したけど、ロザリーさんの形見の品はどうしよう。
「ところで、この腕輪はどうしようか。レイスは出ないと思うから、元の場所へ戻そうか?」
「ま、待ってください。ヴィックさんが好きにして良いって言っていたじゃないですか。ですから捨て……じゃなくて、お店に売……も違って、や、屋根裏部屋に置いておきましょう」
「そう言えば増築された屋根裏の事をすっかり忘れてたね。とりあえず、地上へ戻ろうか」
未だにアーニャの顔色が優れないので、一先ず入口に向かって歩いていると、
「そういえば、どうしてお兄さんはカースタッチを受けたのに平気だったの?」
「そうですよっ! 最初は完全に意識を失われて、大変だったんですよ!?」
先程と同じ質問が飛んできた。
「実はクリア・ポーションを口に含んでおいて、カース・タッチを受けた瞬間に中のポーションを飲み込んでいたんだ。そうすると、呪いを受けてもすぐに治るだろ」
「そんな事をしていたの?」
「あぁ。皆無事で良かったよ」
そんな話をしている内に、地上へ辿り着く。
出来れば今すぐ寝転びたいけど、何とか街の外まで歩き、城魔法で家を出す。
全員三階まで上がる気力もなく、そのまま診察室のベッドで眠りに就こうとした所で、
「ちょっと待って。お兄さんは診察スキルがあったよね。一応、自分の状態を診ておいてよ。カース・タッチを何度も受けたし、何かあったら困るもん」
セシルが真剣な顔で詰め寄って来た。
物凄く眠たいけど、セシルを安心させる為、自分に診察スキルを使用する。
『診察Lv2
状態:呪い無効化(二十四時間)』
「呪い無効化? ……あ! Aランクのクリア・ポーションを飲んだから、その効果か!」
「そういう事だったんだね。変だと思ったんだよー。カース・タッチを受けてからポーションを飲むなんて行為が、何度も成功するとは思えないもん」
「という事は、俺がお腹をタプタプにさせたのは、全く無意味だったのか」
「あはは、残念。でも、お兄さんが健康だって分かって良かったよ」
俺の作戦が無駄だったと判明したのは悲しいが、セシルに笑顔が戻ったので良しとた所でアーニャがやってきた。
「あの、今のスキルで変な状態になっていないか分かるんですよね? でしたら、私も診てください! お化けがいっぱい居たし、何かに憑りつかれていたらイヤですし」
あー、アーニャはゴーストが苦手みたいだし、気持ちは良く分かる。
分かるんだけど、それはそれで問題があるんだが。
「アーニャ。診察スキルを発動させるには条件があって……」
「胸を触らないといけないんですよね? 仕方な……くはないですが、仕方ないです。それでも良いので、早く診てくださいっ!」
「……いいの?」
「何度も言わせないでくださいよっ!」
そう言って、アーニャが恥ずかしそうに顔を赤らめながら服を脱いでいく。
だが、途中で何かが吹っ切れたのか、突然大胆に上半身を露わにした。
「恥ずかしいから早く済ませてください」
これはあくまで医療行為だ。
アーニャも患者さんの一人に過ぎないんだ。
俺は医者。俺は医者……
「……診察!」
出来るだけ心を無にして診察スキルを発動させた。
『診察Lv2
状態:健康』
「良かった。アーニャは健康で、何も問題ないよ」
「良かった。リュージさん、ありがとうございます」
これで今度こそ眠る事が出来る。
そう思った所で、
「ボクもっ! お兄さん、ボクも診察してっ!」
何故かセシルが頬を膨らませ、診察スキルを要求してきた。