そういう事か。でも、素人に教わるより節子先生とかにお教わった方がいいと思った。
『節子さんに頼まないの?』
麗音は首を横に降ってから笑顔になって
「おばあちゃん……には……内緒……」
あ、文化祭で聞かせてあげたいということか。
『わかった。僕も協力するよ』
というかさせて欲しい。断る理由なんてひとつもない。僕も節子先生と同じように人を助けるようなことをしたかった。初めてかもしれない人を助けたいと思ったのは。
「ありが…とう」
やっぱり麗音の声はとても綺麗だ。
時間も時間だったので帰ることにした。麗音はまた送ってくれようとしたから丁重に断った。
そして、帰る頃には節子先生はいなかった。