蓮は特に用事がなくてもこうやって絡んでくる。
「あぁ、またな」
「おう!」
そう言って蓮は教室の方へ行ってしまった。ちなみに蓮は僕の隣のクラスだ。
この学校にクラス替えはない。だから、蓮と一緒のクラスになったことは1度もない。
僕は去年のクラスのひとつ上の階の同じ組に入る。
去年と同様にクラスに友達がいない僕はすぐに自分の席に座る。
僕の学校生活は、授業を受けてる振りをして外をぼんやりと眺める、たまに授業ノートに空の絵をに描く。休み時間に読書をする。これを六回繰り返し、帰宅する。これが日課だ。というわけで、今日も朝から読書をする。
ちなみに、今読んでいるのは僕の中でマイブームである、とある作家が書いたものだ。
その内容は過去にタイムスリップした少女が特攻隊員に恋をする話で、僕に戦争の恐ろしさや死の恐怖を教えてくれる素晴らしい物語だ。
本を読み始めて少し経った頃に、担任の先生が教室に入って来た。