先生の口からは信じられないような言葉が次々に出てきた。
「彼女は病気だったんだ…脳の病気でね。とても治せる病気じゃなかった。……だから彼女が死ぬ前に君の……臓器提供者として名乗りをあげたんだ」
頭が混乱している。芽依が死んだ?あんなに元気だった芽依が病気?臓器の移植?
「嘘…ですよね…」
僕はつぶやくようにそう言った。でも、芽依との記憶が蘇る。あの旅行中の薬の量、ほんとに喘息だったのか?彼女は僕に将来は医者になれると言った。あれは僕に心臓を提供して僕が生きられるから?
全て辻褄が合ってしまう。でも、信じたくはなかった。僕が先生からの返事を待っていると、