鷹見総合病院外科医の鷹見真斗、俺の兄貴だ。

何故苗字が違うかって?兄貴の嫁さんは鷹見総合病院院長の娘である。

つまり婿養子の為、兄貴は鷹見になった。

そして、俺は目黒コーポレーション次期社長の役割を押し付けられた。

俺が兄貴に敵意を剥き出しにしている理由は他にもある。

それは後ほど語るとして、それより今、目の前の現実に俺の不安は集中した。

兄貴は超が付くほどのプレイボーイである。

その兄貴がつばさをじっと見つめている。

「兄貴、つばさに手を出したら殺すからな」

「へえ〜それほど大事な女性か、でもつばささんが俺を好きになったら、諦めろよ」

兄貴はじっとつばさに熱い視線を送っている。

「つばさ、俺の側に来い」

「ふ〜っ、首輪でも付けておくんだな」

兄貴は病室から出て行った。

「つばさ、兄貴には気をつけろ、わかったな」

「はい」

俺はつばさが心配で仕方なかった。

兄貴は欲しいと思ったものは必ず手に入れる、たとえ俺の大事な人でも・・・