彼の唇が私の唇に触れた、そして彼の舌が入り込んできた、嘘!
呼吸出来ない、彼の手が腰に回された、嫌じゃないから抵抗出来ない。
また、彼のキスを受け入れてしまった。

「凛、この後ご飯行こう」

「でも約束が……」

「断ればいいじゃん」

この時私は彼の誘いを断ることが出来なかった、既に彼にハートを射抜かれていた。

カラーが仕上がり、チェックしていると、

「彼に断りの連絡しなくていいの?」

「だ、大丈夫です」

「ならいいけど……」

彼はまるで私の嘘を見抜いているかのような不適な笑みを浮かべた。

「はい、完了、我ながら最高の出来だな、どう?」

「私じゃ無いみたいです」

彼は後ろから腕を回し、私を抱きしめた。
そして鏡越しにじっと見つめた。
彼は私の首筋にキスをした。
心臓がドクンドクンと音をたてて高鳴った。

「凛、やっぱり可愛いな」

「からかわないでください」

顔が真っ赤になり、ドキドキが止まらない。

「だから、からかってないよ、凛が好きなんだ」