「仁と一緒だった2人が誰か分かったか?」

「いえ、顔を見た者がおらず分かっていません。」

集会が2時間長引いた後、今回mellow&chillinの仁が侵入してきた件に関して幹部クラスのみ集会が続行していた。拠点にまで乗り込んで来たのは今回で3度目、毎度攻撃こそ受けていないものの多くの情報を奪われている。今日までの計画を全て練り直さなければならない。

「藤永さん、mellowsに関してはより警戒すべきですかね。」

「いや、そこまでコストを払う必要はない。今まで通り活動を進めてくれ、それぞれに後から指示は出す。」

仁達が攻めてきたところで俺達が追いやられることはない。構成人数、資金面、全てにおいて勝っている。問題は仁がボスであるという事。アイツだけは俺でも考えと行動が読めない、クソが。

「私達が早良・城南エリアを暫くの間偵察しましょうか?」

声を上げたのはsucide attackである恭弥だった。彼等はメンバー唯一城南エリアが地元で土地勘や人脈的にも優れている。しかし中央区攻略をメインに行っている為他メンバーに比べ余裕がない。

「大丈夫なのか?親不孝通り侵攻も進めながらの活動になるが。」

「お任せください、出来る範囲で行うだけですから。先程藤永さんも仰いましたが、所詮mellowsですよ?」

「今日の集会は解散にする。恭弥、来週にでも1つ2つ出来れば報告頼む。」

一方相方の采香は調査する事に対し若干不満そうな表情をしていたが、ボスが認めた指示には逆らえない。

「采香、あの場所にいた他の2人、そうだよな。」