「小野さんは若いから、俺みたいなおじさん相手にするよりもきっと小野さんに似合う格好いい男の子がいつか……」


嫌、嫌だ。そんなに静かにラインを引かないで。
大人と子供の境界線を引かないで。

私のことを優しく拒否しないで。

私は、


「どうしたら……」


私は店長の特別になりたいだけなのに。


「どうしたら信じてくれるんですか?」

「っ……」


胸が苦しくて、必死に抑えようとしていた想いが溢れ出してくる。


「私、店長に対する好きは大人の人への憧れじゃないです。本当に、店長が好きなんです」

「小野さん……」

「いつか他の人を好きになるなんて言わないで。私はずっと、店長が好きなのに」


どうしたら、私の本気は伝わるの。


「もっと好きって言えばいいんですか?」

「っ……小野さ」

「もっと積極的に迫ったらいいんですか?」


私が近付こうとすればするほど店長は私との距離を取ろうとする。
それが焦れったくなって思い切ってその体にぎゅっとしがみ付いた。

店長の体の熱さがシャツ越しに伝わる。この熱を全部私のものにしたいと言ったらどんな反応をするんだろう。
また私が好きな困った顔をしてくれるのかな。