「ミズキ先輩、報告、あります」
何機もあるタワーのエレベーターのうち、一機だけが地下にある
EARTH POOLのフロアに
到着出来る。
この一機も
表のエントランスホールから
見えるエレベーターホールからではなく、
エントランスのエスカレーターが
クロスする下、
ウオールの後ろにある
入り口から入る
シークレットホールから、
下にのみ
下がるエレベーターで
降りるのだ。
「何、タムラさ、ん?なの、、」
丁度 ミズキ先輩がさ、電話で
非常階段に隠れたのを
見計らってさ、声をかけたよ。
ミズキ先輩も、ドレッシー。
このシークレットホールにはさ、
ヒルズヴィレッジ所有者だけが
使えるエレベーターがあって、
地下からヘリポートまで
ワンタッチ直通で移動する。
って、課長から今日
初めて聞いたよ。
要するにさ、万能エレベーターを
知っている人間は、
旧財閥になんらかの関係者よ。
「タムラさん、貴女、何が?」
ミズキ先輩がさ、片言になって
わたしの事を凝視よ。
「さっき、パウダールームで、
ゲストに切られ、ました、」
今回はこの地下にだけ降りる
エレベーターへゲストを
誘導するからさ。
派遣スタッフに、ミズキ先輩が
レクチャーしていたわけよ。
「切られた!!大丈夫なの?!
ケガしてるの!ゲストって!」
矢継ぎ早に 質問されるのを、
今回は髪だけで 問題ないと、
アサミは告げて、それよりも
自分の身なりを 説明する。
「先輩、わたし、私情でちょっと
素性が知られないよう、してま
して、、。髪をスタイリストさん
が機転で、切ってくれたんです、
けど。ちょっと、不味くて、、」
非常階段で、腕を組みながら、
「今の姿が貴女の本来って事?
もう、何で 今日みたいな
忙しい時に、もう!、、ん、
じゃあ、いっそ、タムラさん。
貴女、予定の裏方じゃなく、
ヘルプ要員として臨時派遣された
体ね。サブファシリテーター
として、私のサブしなさい。
メインで 会場に居てくれたら、
私も動けるから助かるわ。
い いわね。問答無用でよ!」
ミズキは、アサミにいつもより
赤めのルージュをした口を
弓なりにする。
容赦なく、
無知ぶりされたよ!目立っのは、
「あの、出来たら、バックにし」
「貴女ね。解ってるでしょ!
いつもと真逆なドレスにメイク!
髪型も違うから、別人。
話し方と声でタムラさんって
判るぐらいで、立ち方も違う。
そんな貴女、どうみても、表で
会場を動かす人間にしか見えない
でしょ!華あり過ぎよ!いい?」
私のサブなんて、お手の物で
出来るわよねと、
アサミは 凄まれて
さっさと動けと、どやされた。
『こちら、ミズキ!上からの
使える応援がヘルプ入ります!
サブのファシリテーターで、
私の代わりに会場を廻してくれ
ます。、、ムラタさんです。』
ハンズフリーの無線でさ、
バンケットスタッフや派遣さんに
ミズキ先輩が 勝手によ、
わたしの事を連絡しするんだよ?
「ムラタ、、」
3つめの名前が、、出来たよ。
もとの配置仕事は、派遣さんに
ミズキ先輩がふってた。
アサミは地下へのエレベーターで
ドアに映る姿を見ながら降りる。
ショートカットに、本来の肌色。
『田村あさみ』に連想させない
派手なドレスと、ピンヒール。
いつものソバカスと
垂れ目メイク、瞳を小さくする
コンタクトも、眼鏡もない。
ショートカットの『アザミ』と
『アサミ』を別人にするため、
敢えて選んだドレスメイク。
その代わりさ、
スタッフ用マスカレードを
顔につけてるわけよ。
『話し方と声でタムラさんって
判るぐらいで、立ち方も違う。』
もとは、社交ダンスをしてて、
背筋が伸びてるのを、
『田村あさみ』は、背中を
丸め気味に歩く。
「ならさ、話し方をもどし
ますよ。ミズキ先輩。」
エレベーターがEARTH POOLに
着いた。
『先ほどご紹介頂きました、
ムラタです。ミズキさんの
サブで会場メインにヘルプ入り
ますので、よろしくお願いします
ショートカットの、スパンコール
カクテルドレスです。では!』
アサミはそう、
ハンズフリー無線に、入って
スタッフに挨拶をする。
そして
足早に、受付の同僚お嬢さん達に
スッと会釈をすれば、
何食わぬ顔で、
EARTH POOLが 見渡せる
ガセボに入った。
バレなかったよ。
賓客や企業、種々分けて
つけられたマスカレードの面々と
時に、引き合わせて
ワインテーブルへ。
ブラックタイ・タキシードと
カクテルドレスが 回廊で
佇めば、ご挨拶にガセボへ
エスコートを促す。
楽団のリードがメインになれば
ボートから曲鑑賞にと送り出して
賓客の来場コールをしていた
ミズキの声が、
『イリョージョニスト・ケイ様、
住之江 繭子様。』
と、アサミの耳に届く。
クラバットタキシード姿のケイが
振袖姿のご令嬢、マユ嬢をさ、
エスコートして 入ってきたのが
しっかり、見えて、胸がズキンと
した気がするよ。
どちらにしても、、、
今のわたしが 誰かなんて気付か
無いと思うけど。
それに今、わたしはさ、
ファシリテーター。
会場のゲストが時間中で、
望む結果にリードしつつ、
パーティーを 有意義に廻す役目。
会場に入ってきた2人の
タイミングで、音楽が
メインタイムになったのが合図。
「ノンアルコールカクテルの
フルーツが綺麗ですよ、さ、
どうぞ あちらのテーブルで
お楽しみくださいませ。」
マスカレードの瞳を笑顔張り付け
2人に 軽く 声を掛けた。
そのまま カクテルウエイターに
グラス並ぶトレーを
促して去る。と、
妙に背中に 2人の視線を感じて、
振り向いて、
また 笑顔で会釈して
そのまま回廊を 進んだ。
何んだかさ、見られたけど。
気にして、いられない。
音楽が、ダンスにと変わると、
照明が少し暗くなって、
ガセボのシャンデリアだけが
灯る。
この 暫しの薄明かりの間に、
パートナーの手を携えて、
ダンスへ誘う。
ガセボにスポットが当たると、
そこは、仮面舞踏会。
さすが、セレブは
パートナーダンスも 嗜んでる。
『ムラタさん!オードブル周り
プレートとカトラリー、数
大丈夫そう?!失くなる前に
指示!そろそろ受付チェック!
来てないゲストを教えて!』
うあ、容赦ないよ。
一瞬イヤホンを外したくなる。
ガセボから、受付に移動して、
ふと回廊を見回す。
マユ嬢が、父親的な男性と
テーブルで話をしていた。
ケイが、いない。
「今晩は。お嬢さん。
もしかして、何方か お探しか?」
この声。そうか。シークレットの
万能エレベーターから
来たんだよね。
「いえお客様。如何しました?」
さすがに、ダレンはさ、
気がついたよ。
振り返って見据えた目が言ってる
「よく知る人間に、似て非なるを
突き付けられたと、いうべきか」
上から下まで眺められて、
手を取られそうになった。時、
「Sorry。Lady マスカレード!
助けて下さい!」
また後ろからさ、
よく知る声よ!
アサミは、大きくため息をして
「What did you do?なんなりと」
ケイに 『ムラタ』として
応じるのに
今度は、後ろでダレンがさ、
何とも言えない低い声で、
「おや、これは
イリュージョニスト・ケイ殿。
パートナーは如何したか?
まさか、放り出しているとか?
意外に、紳士ではない方だ。」
ケイに、嫌味?言ってきたよ。
「Oho!マユはdaddyとトークだ
ダレンこそ、princes ケイトウを
エスコートしてないぞ。ん?」
本当ね、
わたしさ、巻き込まれ事故だよ。
「大体貴殿は、自由過ぎる。
只でさえ調子に、「ダーレン!」
明るいブラウンの巻き髪を
大人編み込みした、ケイトウが
スカーレットレッドのドレスで
現れた。
「ではお客様方、お伺いないよう
ですので、失礼しますね。」
アサミは角が立たないよう、
お辞儀をして その場を
離れる。
ケイトウが、ダレンに 電話をさ
指さして何か言い始めたのが、
救いになったよ。
「嫌 まだだ。Listen 、」
一瞬、ケイの勢いに飲まれて、
捕まれた手を アサミは、
振りほどけない。
「Lady マスカレード。
今、 パートナーがいない。
だから踊れない。please。」
pleaseの声が なんて色気だよ!
「お客様なら、すぐダンス
パートナーは 見つかりますとも
まあ、あちらの淑女様が、」
そう言ってるのに
あっという間にガセボに連れて
こられて、計算したように
照明が落ちる。
ここまできてさ、相手を置いて
逃げるような事は出来ない。
「Shall We Dance ?Lady 」
だから、
アサミは、一曲だけ踊る事を
決めた。
暗くなり、天井からの光源に
なれば、
アサミが選んだドレスは
独特の光方を放つ。
極めてダイヤモンドに近い石と
スパンコールが、
星を纏うように闇に浮かぶ。
それは、
グラデーションにライトが
明るくなると、
立っているだけで、
『女神が、降りてきたかのよう』
誰かが言った言葉そのまま。
ライトが明るくなる。
他のパートナー達と同じ様に
手を組んで、
ゆったりとした 足さばきをする
ブルース。
そのリードが踊り易くて、
アサミは ほうっと、思うと
ケイの下半身がぐっと押し付け
られた気がする。
気のせいかとケイを仰ぎ見ると、
そこに不敵な笑みが見える。
何?と思った瞬間、思いっきり
不埒な手で お尻を撫でられた。
コレ!敢えてよ!!
ならばと、アサミは
満面の笑顔で、ケイの足を
踏むべく、
ステップに紛れこませて、
エナメルの黒靴に
ピンヒールのかかとを
踏み抜いてやるっ!って、
即座に足を
上げやがったよ!
直ぐに次のステップで 足の甲を
再度、
狙ってかかとを 振り落とす!
くっ!
また足を後ろ、はね上げられた!
連続して ヒールで踏み込み、
エナメルに避けられ、
今度は反対にアサミの足先を?!
ケイが狙うかっ?!。ふつう!
ジェントルマンでしょ?
ブルースが、
異種格闘技戦の足の踏みあい
になって、
曲が終わる頃、またケイに
人のお尻をどれだけ撫でて!
ぐっ、と揉まれた瞬間?!
アサミを電撃のような記憶が
頭に浮上した。
こいつさ!!あの時のよ!!
その証拠に、
「アザミ。ワルツもいいか?」と
ケイがいい放ったんだもん!
間違いない!
アザミが、斜めに視線を
ケイに刺し抉る。
離れた位置から、再び手を
組んで、腰を互いに入れセット。
Oneーtwoーthree deep dance!!
そこからは、周りのパートナーが
置物のよう見えるスピードに、
いきなり
ケイが アサミをリード!して、
フロアの端から端までを
ザーーーーー!と、一気に
回り 駆け抜ける っっっっ!
アザミの
裾に 長くデザインされた
ビーズフリンジと
薄布のシンメトリースカートが
ブアリ、風を大きく張らんで
ケイとアザミの世界を
華麗に波開く。
大きくアザミの、上半身が
水面の白鳥のように
仰けて、、反らされて
それをゆっくりと、ギャラリーに
披露するかに回し見せる
ようにケイが 腰をホールドし、
暫く Vに別れた 互いの半身を
1つの 神体に戻した。
『カッ!』『タ、タタン!』
そこから、トップスピードに
ギアをMAXに 全開!!
アザミが ケイのリードに重ねて
足をはね上げたままに、
2人が多重旋回した。
ガセボのフロアを
めい一杯に泳ぐ2人は
フロアの多数のパートナーに
わずかも 当たる事なく、
もうスピードで ワルツという
超絶技巧なまでの優美な動きを
展開するを、
ボートからのゲストも
食い入るように見つめ、
自分達の間を
アザミのドレスが、シャランと
触るほどの近距離走行される様を
息を飲んで
動けずにいる。
フィニッシュに、完全なる
デモモードで
アザミを、ケイが、腰を掴んで
リフトに上げれば、
そのまま 回転を利かさせて、
スピンで放り投げれば
アザミは
見事、着地をして くるくると
廻わり終えると
優雅にカーテシーを
した。
楽団の音律だけが、流れる
EARTH POOL。
ケイが、パンパンと拍手をした。
それを合図に、楽団が
次のブルース曲を演奏、
ガセボのパートナー達は まるで
夢から覚めたように
踊り始めた。
「ケイ。貴方さ、そうなの?」
答え?そんなのは解ってる。
アザミは、目の前の魔術師を
マスカレードから 伺うように
見定める。
あんな真似するのさ、
後にも先にも たった1人よ。
「See you tomorrow?アサミ。」
なのにさ、
そのままケイは
その件には答えもしないで、
ガセボを去るのよ。
もう 回廊に向かう。
きっと、そう マユ嬢の元へ。
ケイの後ろ姿を 見送って、
アサミは、はあっと、
ため息をついた。
『ムーラーターーーー!!!』
瞬間。
アサミの耳にミズキの声が
無線中に響く音量で、聞こえた。
『いーまーすーぐ来い!デス!』
DEATH !!
不味い、本当に不味いよ。
とりあえずさ、
明日休みで良かったよ。
きっとさ、わたし、死んでるよ。
それにしても、
結局さ、もう、何がなんだかよ。
オレはどこまでも
サヤンなprincesだな。
「Sorry。Lady マスカレード!
助けて下さい!」
maskで顔を
互いに隠していても
ダレンを牽制して睨むオレの
faceを見たのだろう。
アザミが、大きくため息をして
「What did you do?なんなりと」
ケイに 『ムラタ』として
応じる。
今度は、そんなケイにダレンが
何とも言えない
低い声で威嚇をして。
「おや、これは
イリュージョニスト・ケイ殿。
パートナーは如何したか?
まさか、放り出しているとか?
意外に、紳士ではない方だ。」
くるから、
ケイも、嫌味で応戦だ。
「Oho!マユはdaddyとトークだ
ダレンこそ、princes ケイトウを
エスコートしてないぞ。ん?」
オレの本音は、
すっこんでろ!ダレン!
Outsiderだろ!だ!
ケイに引く気は全くないと、
感じるダレンは
それでもケイに、畳み掛けて
くる。
「大体貴殿は、自由過ぎる。
只でさえ調子に、「ダーレン!」
そこに
ダレンの同僚ケイトウが
声を掛けてきて、
ダレンとケイの不毛な
やり取りは
中断した。
どうやら、ギャラリーオーナーの
ハジメからのコール
らしい。
「ではお客様方、お伺いないよう
ですので、失礼しますね。」
すかさず、
アザミがその場を離れようとする
が、
ケイは逃さなかった。
「嫌 まだだ。Listen 、」
ケイは勢いのままにアザミの
手を掴むんで、懇願する。
「Lady マスカレード。
今、 パートナーがいない。
だから踊れない。please。」
今chanceを逃したら!
オレには No nextだから、、
「お客様なら、すぐダンス
パートナーは 見つかりますとも
まあ、あちらの淑女様が、」
まだ抵抗するアザミを、
有無も言わさず
ケイは、
ガセボに連れこんだ。
スポットが当たるとそこは、
仮面舞踏会の最中。
照明を落とすのが合図で
曲を楽団が切り替える。
「カスガ!ライトdownだ!」
『マジ!!え、ガセボライト?』
ケイはイヤホンごしに、
会場運営をする
カスガに
無理やり指示をとばす。
ほどなく
照明が落ちる。
Good job Assoc カスガ!
アザミ、ここまできたら、
逃げるような事は出来ないだろ?
「Shall We Dance ?Lady 」
決まり切った台詞でも、
10年前と同じ言葉をスタートに、
ケイの差し出す手に
アサミは、戸惑いながら
その手を重ねる。
スッと
グラデーションにライトが
明るくなると、
アザミは
『女神が、降りてきたかのよう』
で、
誰かが、そう言った言葉は
ケイにも聞こえた。
『何処の関係者だ?』
『コンパニオンとかじゃ』
ライトが明るくなれば、
他のパートナー達と同じ様に
手を組んで、
ゆったりとした ブルースを
ケイがリードする。
そんなケイのリードが
踊り易いのか、
アサミが ほうっと、色のある
感嘆の息を漏らした。
そんなアザミの息を胸元に、
呼び水か感じて 反射的に
ケイは己の下半身を
ぐっとアザミに押し付ける。
情熱と身体が 練り上がる己の再現
に驚くケイに
知らないアサミが 不機嫌さを
出して、
仰ぎ見てくるから、
ついケイは
不敵な笑みを返してしまった。
Recall、アザミ。My goddess。
瞬間、ケイは思いっきり
不埒な手で アザミの
ヒップラインを撫で上る
After all、
男慣れしていないな?アザミ?
ーI was relieved、、
アサミの腰がビクっと
跳ねる振動を
ケイは身で捉えたから
まるで
脳から涎が垂れた感覚のまま
己の唇を 舌で舐めずりしていた。
Why? アザミとのdanceは
どこまでも Sweetieでsexy で、
たまらんな、、
ケイの中に沸き上がる感覚が
形になる。
圧倒的に、Aggressive danceだ!
雄が Inspire する、、恍惚と
なるケイと裏腹に
10年前と同じように
アザミが
満面の笑顔で、ケイの足を
踏むべく、
ステップに紛れこませて、
エナメルの黒靴に
ピンヒールのかかとを
踏み抜ぬきにくるのが、
ケイには、唐突の予感に解る!
即座に足をup!
直ぐにアザミが次のステップで
足の甲を再度狙う!
くっ!
またagain up!
足を後ろに、上げろオレ!
連続して ヒールで踏み込まれる、
のを全て避けて、
今度は反対にアザミの足先を
じゃじゃ馬に仕置きだと
イッパツ狙う。
余裕でアザミは避けるがな。
これで recall、アザミ。
ブルースが、
曲が終わる頃、止めとケイが
アザミのヒップラインを撫でて!
ぐっ、と揉む。
その瞬間に、
目の前の
アザミの瞳に電撃が走るような
光をケイは見つけた。
今ハッキリとアザミはケイを
記憶の中から引き出したに
違いない光を目に宿している。
ああ、Reminded me、、
「アザミ。ワルツもいいか?」
アザミからの視線が
斜め下から、ケイに刺し抉る。
それさえ なんて、
Exciting !!なんだ!
完全にMでサヤンだなオレ。
離れた位置から、再び手を
絡めるように組んで、
腰を互いに入れ込んで セット。
この meltyな 奥繋がる感覚が
アドレナリンスタンバイで、
Oneーtwoーthree deep dance!!
そこからは、周りのパートナーが
置物のよう見えるスピードに、
いきなり
ケイが アサミをリード!して、
フロアの端から端までを
ザーーーーー!と、一気に
回り 駆け抜ける っっっっ!
そうだ!狂暴なほど 脳が
このoverlapな半身でdanceする
アザミの
裾に 長くデザインされた
ビーズフリンジと
薄布のシンメトリースカートの
柔らかな感触が、
ブアリ、風を大きく張らんで
ケイとアザミの世界を
華麗に波開くと
それさえが 彼女の素肌に
包まれる錯覚に落とされて、
刹那
大きくアザミの、上半身が
水面の白鳥のように
仰けて、、反らされて
それをゆっくりと、ギャラリーに
披露するかに回し見せる。
beauty?違う、Bewitching。
So 『運命の花嫁』なんだな。
子供の頃から 伝え聞いた
男神を乗せて飛ぶ花鳥神を
この時 改めて
ケイは魂に引き寄せながら
ケイは アザミの 腰をホールドし、
暫く Vに別れた 互いの半身を
味わうように1つの 神体に戻す。
アザミのbodyが
自分の bodyになると
好ましくて滾るような薫りが
前頭葉をくすぐってくる。
『カッ!』『タ、タタン!』
そこから、トップスピードに
ギアをMAXに 全開!!
アザミが ケイのリードに重ねて
足をはね上げたままに、
2人が多重旋回した。
「オレの
Beatも breathも Bloodも
アザミとひとつになる」
もうスピードで ワルツという
超絶技巧なまでの優美な動きは
闘うような情事さながらで、
あらゆる ゲストも
食い入るように見つめていて、
『あれは誰だ。』
『芸能人じゃないか?』
自分達の間を
アザミのドレスが、シャランと
触るほどの近距離走行から
フィニッシュに近づく。
ケイは、アザミの腰を掴んで
供物のように
リフトに掲げ上げるなら、
そのまま 回転を利かさせて、
スピンで放り投げ 手離した。
見事、着地をして くるくると
廻わり終えると
アザミは優雅にカーテシー。
楽団の音律だけが、流れる
EARTH POOL。
「ケイ。貴方さ、そうなの?」
踊りおわって アザミが
ケイに 詰め寄る。
答え?そんなのは解ってる。
でも、今すぐにはアザミを
carry off出来ない。
「See you tomorrow?アサミ。」
そのままケイは 一旦
頷いて
紳士の横に座るマユの元へ
回廊を去る。
なによりも ケイは
アザミから
後ろ髪を引かれるように
埋めていたいような
疼く熱を いなして 離れた。
睦事よりも官能的に混りあう
danceの余韻を 惜しむ背中に。
『あのイリュージョニストと
踊った 女神は 一体誰なんだ?』
『ピッ』
それは、突然アラートが鳴った。
フラグは『西山 莇美』。
AIによるビッグデーター管理で、
小さく点滅が始まり、
オートモードで、個人追跡業社に
日々何百とリストされるデータへ
それは すぐに送信された。
【『あーあー、テステス!こちら
メインエントランス。OK?』】
【『こちら受付、ゲストこれより
EARTH POOLに入ります』】
【『こちら、ミズキ!上からの
使える応援がヘルプ入ります!
サブのファシリテーターで、
私の代わりに会場を廻してくれ
ます。、、ムラタさんです。』】
"#ヒルズヴィレッジ#イベント"
"#ヒルズヴィレッジ#ゲスト"
【『ボート!10分おします!』】
【『先ほどご紹介頂きました、
ムラタです。ミズキさんの
サブで会場メインにヘルプ入り
ますので、よろしくお願いします
ショートカットの、スパンコール
カクテルドレスです。では!』】
"#ヒルズヴィレッジ#セレブ"
【『オケ休憩!曲BGMにして
ます。次は15分後に開始。』】
【『ムラタさん!オードブル周り
プレートとカトラリー、数
大丈夫そう?!失くなる前に
指示!そろそろ受付チェック!
来てないゲストを教えて!』】
"#ヒルズヴィレッジ#パーティー"
【『エスコートです!館内放送
ってできますか?ゲストが
お連れ様との合流希望です』】
【『今プロ並みに踊ってる方って
誰ですか?問い合わせがきて
ます。え、こちらもですか』】
【『今ケータリング終了です』】
【『ボート満席!』】
【『ゲストの個人情報はNGで』】
"#ヒルズヴィレッジ#芸能人"
【『いえ、ショートの美人の
案内してる人が踊ってると』】
"#ヒルズヴィレッジ#なあ?
今日 イベあるみたい?知ってる"
【『ムーラーターーーー!!』】
【『いますーぐ来い!デス!』】
【『、、、ラジャー』】
【『あ、ムラタさんですか?』】
【『ヘルプ要員だからNGで』】
【『ラジャー💧』】
【『ごめんね、ミズキ君、パレス
フロアの控室なんだけど、こちら
のVIP様が、さっきから問い合わ
せされてるスタッフにだと思うん
だけど、あ!少々お待ちを、今
確認をしてまして、ごめん、一旦
切りま、、ハナネエサマ?、、ザッザッ
ーミズキさん、ムラタさんて
ヘルプ部署どこだったかな?』】
"#ヒルズヴィレッジ#問い合わせ#なんかパーティじゃね?"
【『あの、こっちにも ダンス
スタッフが誰かって問い合わせ
がきてますけど、、、』】
【『他社ヘルプ要員なのでNG』】
"#聞いてた?有名人いる#美人"
【『ケータリング終了?料理の
テーブル空き縮小します。』】
【『ゲストのお帰り始まりまし
た。POOL内忘れ物に注意』】
【『ミズキ。課長さっきのVIPに
問い合わせの人物は外部要員
なのでNGでお願いします。』】
【『エントランスラウンジは
撤退完了、車寄せウェイティン
グコーナーに変わります。』】
"#名上がってない?#ヒルズヴィレッジ#オート傍受人#後連よろ"
【『すいません、さっきのムラタ
さんと男性と写真を撮らせてと
問い合わせが来て、困ってます
来て下さいませんか?説明し』】
"#ヒルズヴィレッジ#オート有#
#オケ#無修正で上げ予定"
【『ミズキ行きます。受付?』】
【『はい、受付です。』】
【『ラジャー』】
【『すいません、お客様がPOOL
にイヤリングを落とされたと
言われてます。取れますか?』】
【『タムラです。POOLはすぐに
取れません。衛生面で消毒も
必要なのでと理由で、お客様の
連絡先を聞いて後日郵送になり
ます。よろしくです。』】
【『ラジャー』】
【『オケ楽団撤収完了でーす』】
【『ビューティーパレス、ゲスト
撤退完了。遺失物なし。以上』】
【『EARTH POOL 清掃派遣が
到着。清掃スタートです。』】
【『エントランスゲスト撤退』】
【『ラジャー』】
【『ミズキです。持ち場撤収完了
次第、受付にて確認報告して、
派遣の方は就業終わりです。』】
【『ラジャー。お疲れ様です』】
【『お疲れ様でーす。』】
【『トランシーバー閉局です』】
"#オート傍受履歴#上げ済み"
『ピッ』
それは、突然アラートが鳴った。
フラグは『西山 莇美』。
無線盗聴マニアによるオート受信
でのサイトから一定の指定単語に
反応したAIにより、
ビッグデーター管理下のリスト
から、小さく点滅が始まり、
オートモードで、
個人追跡業社に
日々何百とリストされるデータへ
それは すぐに送信された。
search →タムラ●ハナネエサマ
= 西山 莇美 =西山 莇美=西山
今日が、
ケイをツアコンするのはさ、
最後になる。
あと、急だけど、
ヒルズビレッジから わたしもさ
消える日になる、つもり。
「凄いな。bicycleボートになる
のか。知らなかった。」
アサミは、ケイの目の前で、
さっき乗ってきた
レンタルサイクルに
バナナボートみたいな浮きを
2本膨らませて、
互いに装着する。
簡易着脱ボートの自転車仕様。
自転車のペダルを動力にした
ボートになるのだ。
「これさ凄いでしょ?
ボートより動かすのも
スマートなのよ。じゃ行くよ。」
鉄道で1本、1時間も乗れば、
山や、渓谷が広がり、その景色を
彩るのは 鮮やかな 紅葉。
川面まで紅葉が生い茂るような
非日常な風景を、
自分たちが漕ぐペースで、
愛でていく。
「美しいな。ああ、この国も 神に
愛された国だな。この風景 は
祖国にはないモノで、美しい。」
そうなんだよ、ケイの国には
ない紅葉の景色。
今日は朝からだからさ、
いろんな風景を
ケイには見せてあげたい。
「朝に行った、農耕地域とはさ
また違う景色だよね。」
渓谷にくるまで走らせた
サイクリングは、秋の田畑が
牧歌的だった。
「ドローンを あんな風にtake in
しているのは 驚いた。」
紅葉の間を水の路に乗って、
下流にゆっくり向かう。
「この辺りはさ、ドローンを農業に使ってたんだね。海の赤潮対策とかに使うのはさ、わたしも
テレビで見たことあるけど。」
午前中は有機農場の体験を
ケイにしてもらって、
室内で魚介養殖をしている施設も
見学した。
最後にさ、体験ツアー出来て
良かったよ。これで契約的に
『JAPAN good point旅』は満了。
「アサミは 今日はよく話すな。」
ケイが サイクリングバックから
水筒を出す。
今日の朝に アサミが用意した
味噌汁入りの水筒だ。
あの、ペットボトルシップで
会った朝と同じ。
「今だけよ。」
紅葉を目の前に、自転車ボートに
またがったまま、ケイは ついでと
マヨおにぎりも出してきた。
「もしかしてさ、水の上でランチ
するつもり?落ちるよ。」
「せっかくのhand made だろ?」
可憐な モミジを前に食べたいと、
ケイが言うからさ、
わたしも 水筒から温かいお味噌汁
を口にするよ。
風に揺れて紅葉が水に落ちる。
課長のデスクに 辞表を
出した事を 思い出す。
髪が短くなった自分を見た時には
決めていたよ。
だから、昨日のうちに 部屋も
解約したし。
もともと、荷物なんて無いからさ
「ヒルズビレッジみたいな
urbanな場所から遠くないのに、
自然が多い。surprising だな。」
ケイがアサミの様子を伺うように
見る。
「ヒルズビレッジはさ別格だよ。
とくに洗練されてるアーバンな
場所 だもん。よけいだよ。」
本当にさ、夢のみたいな場所で、
働いてたのが嘘みたいよ。
「ねぇ、ケイはさ、ボトルシップ
を芸術祭に 持ってくるだけが、
来日の理由じゃないでしょ?
いいの?ここに来てても?」
「そうだな。To meet the bride、
花嫁候補に会いにきた。
それが1番の理由だ。
他もあるがNo problem だろ?」
やっぱりさ、そうなんだよ。
「じゃあさ、今日はちゃんと
お昼食べてから、この先である、
ローズフェスティバルに
川を下って行こうと 思ってる。」
これも 最初ヤマモリさんからさ、
聞いていたんだよね。
そうして、予定する茶屋に
踵を返して漕ぎ出すアサミを
ケイが並走して 間を詰めてきた。
「背中に モミジがあるぞ。」
並ぶ、自転車越しに
手を廻されると 抱きしめられる
みたいにして、取られた背中の
紅葉を見せられる。
「あのさ、そーゆーの!やめてよ
だいたいさ、普通ダンスの時に
人の体!触らないでしょ!
本当、後に先にもケイぐらいよ」
「10年前には、足を骨折したな。
昨日は、Play revenge!満足だ」
サイテーだよ!!信じられない!
全然かわってない、
かつての交流相手に
アサミは 非難する視線を投げる。
それを
受けながらケイも 方向転換して、
水車が目印の茶屋で
お昼を満喫した。
「へぇ、Rose flowerは この季節も
咲くのか。アサミ、あれは、、
ビンディー じゃないか。?」
宮廷庭園風に植栽された
ローズガーデンには 沢山のテント
薔薇にちなんだ グルメやスイーツ
雑貨も軒を連ねている間を、
「そうだよ最近はさ、フェス
ファッションに、ビンディー
シールでお洒落したりもするよ。
セレブとかの、見たことない?」
やたらビンディーをつけた女子が
楽しんでいる。
まあ、それだけじゃないんだよ。
自前のショールとかを
それっぽく巻いてる 女子も多い
のはさ。
「ほらさ、ローズウォーターの
テイスティングもしてるよ。」
アルコールを禁じる国は、
ローズウォーターソーダを
シャンパンにしたり、
白コーヒーとして飲んだりする
らしい。
世界トップクラスの薔薇の生産国
インドと薔薇の説明をカンバンで
読みながら、薔薇製品や、
薔薇を売るテントを
いくつも 軒先をまわる。
「なんだか、men's は居にくい」
散々薔薇のアイテムを試した
くせにさ、ローズアイスを手に、
眉を潜める?
「魔術師ケイならさ、必須アイ
テムなんじゃない。ローズは!」
ケイに、アサミは笑いながら
今度は ローズキャンディを
自分の口に放り込んだ。
「なら アサミ、手書きビンディー
をしている。body make するぞ」
ケイが 半ば強引に アサミを
本格ビンディを額に書くテントへ
引っ張っていって、
中の女性から ビンディー粉や
筆を借りてくる。
「え?!やってもらうんじゃ
ないの?自分で、ってケイが?」
芝生に座ったケイの膝を枕に
アサミは そのまま寝かされた。
「知らないのか?ビンディは
Husbandが書くものだろ。」
真っ赤な褐色の粉を溶いた筆先が
アサミの額に 落とされて
へんに、くすぐったい。
あー、確かにこれはさ、 旦那が
書くよ。感触も 構図も
どうしようもないよ。
「それってさ、マリッジビンディ
だよね。ケイが書かなくても」
慣れた手つきで、筆を滑らす
ケイが
「クマリ。ローカルクマリという
マスターがいる。国王でさえ膝ま
付く、国の運命を予言する者だ。
出会えれば、こうしてビンディ を
つけてもらえる。そのmiracleな
ビンディを『ティカ』と呼ぶ。」
目を閉じていた、アサミは
瞳を開く。
「もしかしてさ、『ティカ』っ
て、そこから名前をつけてる?」
その辺りから、ローズガーデンに
流れるBGMが変わるのが
アサミには、解った。
「それは、どうかな?」
ケイが 徐に膝に乗せた アサミに
褐色の整った顔を 被せて、
アサミの口に入っていた
ローズキャンディを 舌で絡め
とり、そのまま アサミの
耳朶も噛んだ。
「薔薇の taste だな。」
上から覗き込む口を 微笑ませて
「アサミ、出来たぞ。似合うな」
膝から、アサミの上半身を
起こした。
その間、なぜがアサミは
恥ずかしさとか、嫌らしさとか
胸の高鳴りとかが霧散して
ケイの瞳を見つめていた。
なんだろう。この感覚は。
時間が永遠に思えたそんな
錯覚がした時、
合図の音が流れてきた。
夢の終わりだ。
「そんなに大事な『ティカ』を
貰うなんてさ、出来ないよ。」
立ち上がって、アサミは
カバンから、ショールを取り出し
体に巻く。
ケイは、訳がわからない顔で、
まだ芝生に座っていた。
次の瞬間、周りのテントで
売り子をしていたスタッフや、
ショールを巻いた客が、
踊り出す!!
「フラッシュモブか?!」
ケイがアサミの頷く顔を見た。
アサミも、そのまま 踊りに
加わって、大勢の団体の一部に
紛れ込むのを、
ケイが
「おい!ここに置いていくのか!
最後までエスコートしろ!
コンダクターだろ?!アザミ!」
叫ぶのをアサミは そのまま
「ケイはさ、魔術師だしさ、
小人も、着物の令嬢もいるから
大丈夫だよ。だから行くね。
ああ、
明日頑張ってよ。『カイザー』」
笑顔を見せながら、
ショールを 頭まで スッポリ被せ
インド映画さながらの、
ボリウッド音楽に合わせて
シンクロダンスをする
フラッシュモブへと
消えていく。
『カイザー』と呼ばれて、ケイは
固まったまま、動かない。
モブダンスに、薔薇の花弁が
舞と、もう見えない姿。
今日さ、ここで参加型のさ
フラッシュモブイベントがある
のを、教えてもらった時は
まさかね、来るとは
思ってなかったんだよ。
おかげで、
イリュージョニスト・ケイが
出現した時みたいさ、
わたしも 華やかに
消えれるね。
3つめ?いや、4つめか?の
I'm sorry だとしたら、
間違いなく、EARTH POOLでの
danceと、、その後だな。
These 2 days。
オレがどんなにregretしたか。
わからない。
ー心想事成ー
乞い焦がれ 会えただけが
叶った悦びに 打たれて
いたから
無知ゆえに気付かず 危険を
引寄せた 愚かなオレに。
ー淡化我的罪过ー
EARTH POOLパーティー翌日。
ケイをアサミが
ツアーコンダクターするのが、
最後になる日。
ヒルズヴィレッジでの
EARTH POOLパーティーの
次の日、午前。
ケイはアザミに連れられて
首都郊外に来ていた。
「凄いな。bicycleボートになる
のか。知らなかった。」
ケイの目の前でアサミは、
さっきまで乗ってきた
レンタルサイクルに
バナナボートみたいな浮きを
2本膨らませて、
互いの自転車に装着する。
簡易着脱ボートの自転車仕様。
その手際は、魔法のようで
すぐに
自転車のペダルを動力にした
ボートになった。
「これさ凄いでしょ?
ボートより動かすのも
スマートなのよ。じゃ行くよ。」
そう快活な
アザミを先頭に、
川面まで紅葉が生い茂るような
非日常な風景を、
自分達のペースで愛でていく。
川面に2艇の影が揺れる。
本当は
昨日のEARTH POOLで、
ケイはアザミを連れ出す
気持ち『 半分』
躊躇いが残る
『半分』の気持ち だった。
I remembered herself。
But、Only I think、、
ただ、思い出しただけのアザミ。
なら、
Alone なオレに その権利は
まだ、ないのだ。
「ウツクシイ。ああ、この国も
神に 愛された国だな。
この風景 は 祖国にはない
モノで、ウツクシイ。」
紅葉の景色を堪能しながら、
今も ケイは隣のアザミに
感じている。
自分の半身だと
肌で解ると 離れられる
わけがなかったが、
こうして
アサミと、前以て約束を
交わしているから
昨日はアザミから
一旦引くことが 出来た自分。
「朝に行った、農耕地域とはさ
また違う景色だよね。」
無言で
紅葉を眺めるケイに
アザミは この景色と
渓谷にくるまでに見た
牧歌的な田畑を比べて
感想を口にしている。
オレが 考えている black face
なんて、気がつきもしないで。
アザミに隠れて、
ケイは溜息をつく。
10年拗れているRotten loveを
Too muchなオレだ。
「ドローンを あんな風にtake in
しているのは 驚いた。」
ケイはしっかり訓練された
2面顔の表で、言葉を本音と
別に繋いでいく。
どちらにしても、
明日はこの国の式典で、
ケイは来賓参加を
国王と
しなければならない。
その際に、ケイは
父親でもある国王に
『運命の花嫁』を
話すと決めている。
あと、Side princessー側妃は
娶らないとも。
身を任せると
紅葉の間を水の路に乗って、
自転車ボートは
下流にゆっくり向かう。
「この辺りはさ、ドローンを農業に使ってたんだね。海の赤潮対策とかに使うのはさ、わたしも
テレビで見たことあるけど。」
紅葉のトンネルを進む
アザミを見る
ケイは
眩しそうに見ている様で
その瞳には焔を灯す。
So
フラレても構わない
proposeする。
そして、Do not let goだな。
かなり勝手だ。
「アサミは 今日はよく話すな。」
ケイがアサミに、言いながら
サイクリングバックの
水筒を 徐に出した。
「今だけよ。」
その水筒の中身はあの朝と
同じ 『みそ汁スープ』だと
アザミは微笑んだ。
ー『俺に毎朝、みそ汁をつくって
くれないか?っすかね?って、
月がキレイですねとか、まわり
くどい感じっすよねー。ハハ』ー
Assoc カスガに
この国ならではのproposeを
hearingしたanswerだが、、
紅葉の下、自転車にまたがった
ままの川面で
ケイは ついでと、例の
マヨおにぎりも出したら、
「もしかしてさ、水の上でランチ
するつもり?落ちるよ。」
子供みたいだと、笑われた。
この国のpropose、オレに難解。
「せっかくのhand made だろ?」
自棄気味に 水筒の中身を ケイが
飲みきると、
風に揺れて紅葉が水に落ちた。
「ヒルズビレッジみたいな
urbanな場所から遠くないのに、
自然が多い。surprising だな。」
ケイがアサミの様子を伺うように
見る。
「ヒルズビレッジはさ別格だよ。
とくに洗練されてるアーバンな
場所 だもん。よけいだよ。」
それでもこの国は
どこを見ても
文化的で 精神性が高いと
ケイは思っている。
自国は豊かだ。
But 、心の wealthに成り得てなく
Disparityも 民にはある、、
「ねぇ、ケイはさ、ボトルシップ
を芸術祭に 持ってくるだけが、
来日の理由じゃないでしょ?
いいの?ここに来てても?」
アザミの言葉に ふと
『運命の』というのは
What kind of bride princessか?
またオレは、考える。
「そうだな。To meet the bride、
花嫁候補に会いにきた。
それが1番の理由だ。
他もあるがNo problem だろ?」
アザミを探しながら、
オレは Ask yourself してきた。
そして形にまだ ならないんだ。
「じゃ、じゃあさ、
今日は 紅葉狩りの後はちゃんと
お昼食べてから、この先である、
ローズフェスティバルに
川を下って行こうと 思ってる。」
「、、モミジガリ?」
そうして、予定する茶屋に
踵を返して漕ぎ出すアサミを
ケイは並走して
距離を詰める。
今、なのか?×2?
「背中に モミジがある、ぞ。」
並ぶ、自転車越しに
手を廻して 抱きしめようと
するケイの前髪に
遮るように
降ってきた葉と、
「あのさ、そーゆーの!やめてよ
だいたいさ、普通ダンスの時に
人の体!触らないでしょ!
本当、後に先にもケイぐらいよ」
アザミの言葉に
掛けようとするケイの台詞が
詰まって
初めて会った時のアザミの
拒絶も 思わず重ねて口に
していた。
「10年前には、足を骨折したな。
昨日は、Play revenge!満足だ」
たまに疼く足と、
ケイに、アザミが
投げてきた非難の視線に迷う。
Don't be scared オレ!!
狩り、 huntingは
手にする事だろ?!だろ?
なぜか痛む胸元。
前髪から外した紅葉を
手に、ケイも
方向転換して、
水車が目印の茶屋へ向かう
アザミの後を
追い漕ぐ。
ー我还没说我喜欢ー
しまった、、
I haven't said I love you yet?!
まだ、
オレは好きだとも言ってないぞ
「へぇ、Rose flowerは この季節も
咲くのか。アサミ、あれは、、
ビンディー じゃないか。?」
宮廷庭園風に植栽された
ローズガーデンには
沢山のテントと、
薔薇にちなんだ グルメやスイーツ
雑貨も軒を連ねている。
「そうだよ最近はさ、フェス
ファッションに、ビンディー
シールでお洒落したりもするよ。
セレブとかの、見たことない?」
ケイの目には
割りと自国で馴染みのある
『ビンディー』をつけた女子が
楽しんで映っていた。
サイクルボートで移動した
お茶屋で昼食を済ませて
アザミはそこから
ケイを 植物園で開催されている
ローズフェスティバルに
案内している。
「ほらさ、ローズウォーターの
テイスティングもしてるよ。」
珍しそうに
張られたテントをみるケイに、
アザミが声をかけたから、
「アサミのぶん、Tasting tea、
取ってくるか ?」
ケイがアザミに、
彼女が指し示したテントへと
試飲をもらいに 離れた。
スタッフに声を
かけようとして、
後ろから来る気配を
ケイは慣れた面持ちで
待つと
「My road。いつまで、このまま
いるのでしょうか?
今日、お相手に 話されるの
ですよね?イライラしますが。」
そう、揶揄してくるのは
影にいるはずの護衛で、
彼は 願掛け指輪の島も、
10年前の学生交流も、
ケイの学友として
警護してきたのだ。
「My road。先ほどの川で 思いを
伝えて、お話されるはずでは?」
今更、怖じ気付きましたかと
護衛であり、
自国で待つ側近と同じく、
幼馴染でもある
隣の男はケイに容赦がない。
試飲スタッフが
ケイと護衛にローズウォーターの
入る容器をトレーから
渡す。
ケイは、追加でもうひとつ
ローズウォーターを
スタッフに所望して、
「解らなくなった。何と言えば」
護衛を見ずに 重い口を開いた。
ケイは俯いている。
それを、珍しいモノを見たと
顔をして護衛は
「王子としてですか?それとも、
運命の花嫁を連れて帰る伴走者
としてですか?My road?」
やはりケイを見ずに
真っ直ぐ前を見ながら 諭す。
並ぶ2人の前に、追加の試飲が
置かれて、護衛はそれを
ケイに渡す。
「プロポーズは契約です。自分を
提示して、ゴールは相手の承諾を
勝ち取る事。My roadの双肩には
あらゆる重責がございます。」
ふと、
ケイは 護衛がアザミの方を
見るのを 捉える。
アザミは薔薇製品や、薔薇を売る
テントで買い物を
している。
「 私は、富める自国において、
普通の男性の方が 王族よりも
よほど自由に生きていると
思ってしまう程に、My roadは
結果を出す事を求められる。」
ケイは、幼馴染としての
眼差しを向けられていると、
感じて、俯いていた顔を
護衛に 正だす。
「だからせめて、この国でなら
カイザーのままで、
彼女にそのまま伝えたらいい。
『好き』だ
という気持ちには、
勝ち負けはない。そこには
カイザーの
『 自由』だけが、ある。」
そう言うと、ケイの胸に
グッと親指を立てた拳を
トンと当てて、
9年前のミニブーケも
ローズだったろと笑うと
礼のポーズを取って
気配を消すと
再び影になった。
「 I'm here 、、」
アイツ、本当にsame year か?
呆然するケイは
少し目頭を拭って
両手にローズウォーターを手に
アザミが買い物をする
テントに戻った。
途中、遅れた理由を
ローズアイスで誤魔かせるよう
隣でそれも買ってから。
「なんだか、men's は居にくい」
散々薔薇のアイテムを試して、
尚且つローズアイスを手に、
眉を潜めるケイを
「魔術師ケイならさ、必須アイ
テムなんじゃない。ローズは!」
アザミは笑いながら、さっき
見つけて買った
ローズキャンディを
自分の口に放り込んだ。
「なら アサミ、手書きビンディー
をしている。body make するぞ」
さっきのローズウォーターテント
からすぐのテントに、
見つけたケイが 、
半ば強引に アサミを
本格ビンディを額に書くブースへ
引っ張って、
中の女性から ビンディー粉や
筆を借りてくる。
「え?!やってもらうんじゃ
ないの?自分で、ってケイが?」
あっという間に
芝生に座ったケイの膝を枕に
アサミをそのまま寝かせて
「知らないのか?ビンディは
Husbandが書くものだろ。」
短くなった髪を開いて
アザミの 白い額を露にした。
真っ赤な褐色の粉を溶いた筆先を
額に 落とすと
アザミがくすぐっそうにして
ケイは口の片端を上げてしまう。
Heee、確かにこれは、 husbandが
書くモノだな。
For the first time 気がついた。
これは
口が緩むとケイは考えながらも、
「それってさ、マリッジビンディ
だよね。ケイが書かなくても」
アザミが言う事を
受け流して
慣れた手つきか、上機嫌で
筆を滑らす。
性感帯は背骨を柱に
人体の中心にportがある。
その感覚が集まるのは
勿論、脳だ。
集められた感覚を、脳が
快楽へと受け止めるなら、
脳に直接触れるportは
男女問わずに、額だ。
「クマリ。ローカルクマリという
マスターがいる。国王でさえ膝ま
付く、国の運命を予言する者だ。
出会えれば、こうしてビンディ を
つけてもらえる。そのmiracleな
ビンディを『ティカ』と呼ぶ。」
目を閉じていた、アザミが
ケイの膝の中で 瞳を開く。
彼女の中でも 何かが
解ったような光が
そこにある。
「もしかしてさ、『ティカ』っ
て、そこから名前をつけてる?」
噎せる薫りのローズガーデン。
流れるBGMが変わるのが
ケイにも、解って
「それは、どうかな?」
ケイが 徐に膝に乗せた アサミに
褐色の整った顔を 被せる。
音にならない
好きだ を、唇の触りに乗せて
アザミの口に入っている
ローズキャンディを
舌で絡めとり、
そのまま アザミの耳朶にも
音にならない
I loveを噛んだ。
「薔薇の taste だな。」
上から覗き込む口をケイは
微笑ませて
「アサミ、出来たぞ。似合うな」
その額に
自ら描いた印を
サヤ スカ アワッ となぞってから
アザミを膝から、起こした。
それまでの考えていた事が
ケイには霧散して、
Blessingー祝福を与えるとは、、
見返りとかではないんだな。
確かに freedom だ。
アザミの瞳を見つめていた。
What。この sense は。
時間が永遠に思えたそんな
錯覚がした時、
曲調が変わりボルティックな
音楽が何故か流れてくる。
「そんなに大事な『ティカ』を
貰うなんてさ、出来ないよ。」
ケイの前から立ち上がって、
アザミはカバンから、
ショールを取り出し
その体に巻く。
ケイは、訳がわからない顔で、
まだ情けなく芝生に座したまま。
次の瞬間、周りのテントで
売り子をしていたスタッフや、
ショールを巻いた客が、
踊り出す!!のを見ると
「フラッシュモブか?!」
ケイがアサミの頷く顔に
予感した。
アザミは、そのまま 踊りに
加わって、大勢の団体の一部に
紛れ込む。
そこから 一気に踊る!団体は
うねりを造る。
濁流のような 狂喜踊る人ごみに
押し流されて、ケイは、
「おい!ここに置いていくのか!
最後までエスコートしろ!
コンダクターだろ?!アサミ!」
アザミに向かって叫ぶ。
「ケイはさ、魔術師だしさ、
小人も、着物の令嬢もいるから
大丈夫だよ。だから行くね。
ああ、
明日頑張ってよ。『カイザー』」
どこかケイには、無情に感じた
そんなアザミ笑顔に
強張って 動けない 。
目の前で マジックのように
ショールを
頭まで スッポリ被せ
インド映画さながらの、
ボリウッド音楽に合わせて
シンクロダンスをする
フラッシュモブへと
アザミは
消えていく。
『カイザー』と呼ばれた。
その単語の含みを
感じると、ケイは
固まってしまった。
モブダンスに、薔薇の花弁が
舞と、もう見えない 探してた姿。
この event をオレから
逃げるのにUseしたのか?
Rose gardenを選んで?
「追え!!「My road!!」
ケイが叫び切る前に
影から2人の男が 飛び出て
「出来るわけないでしょう!!
この人数の人手です!我々が
離れるわけには!拒否します!」
ケイの前後に立つ。
「My road。アサミ様は 『契約』
を躊躇われただけです。
後の者を呼んでます。住んでる
場所もわかります。明日に支障が
出る命令は、我々は聞けません」
護衛の言葉を、自分を
取り戻したケイは 一言だけ
呟やく。
「口を、読んだのか。」
目の前の幼馴染は、
すいませんとだけ、頭を下げた。
その日
朝からメディアは
これから執り行われる
国家式典の中継をスタンバイし、
多くの人々は
その様子を 固唾を飲んで
見守っていた。
近づく開始時間にむけ、
厳かな空気が 映し出される中。
祝い 列席するため来日していた、
世界各国の王族や首脳などが
続々と
古風で奥ゆかしい宮殿に
到着する。
その度に、
テレビのコメンテーターが
称賛の解説をし、
国民はその優美な様子を
喜々と眺め。
男性は
燕尾服やモーニングコート、
紋付羽織袴。
女性はロングドレスに、
デイドレス 、白襟紋付。
それに輝く勲章が胸元に見える。
世界各国から集まった来賓は
伝統着や歴史ある衣装になどにも
彩られていた。
そんな中、現れた 王子の姿に
一同メディアは騒然となる。
褐色の肌に麗しく整えられた
黒髪は、好感がもてて、
純白軍服。
そのイケメンぶりに
惚れ惚れとした空気が色めく。
各国の王子達も見目麗しの中
特に話題になったその人物は
オセアニア地域の国、第6王子
『カイザー王子』
と、報道された。
褐色の王子の登場で、
来賓の入場は完了し、
晴れた空に、虹が掛かるという
神秘が起きて、式典は
開始された。
「ダーレーンー!!あれ!ケイ
イリュージョニスト・ケイ
ですわ」
中継を見ていたケイトウが、
オフィスで大声を上げて
ダレンを呼ぶ。
「成る程な。偽り者同士か。」
顎に片手をやって呟くダレンを
何かワメいて、ケイトウは
「Oh!アサミ見てないかも!
すぐにコールすべきだわ!↑
NO!!出ないガッデム!」
いいですわ!下のオフィスに
直接行ってやりますわ、と
ケイトウは非常階段を
バタバタと降りて行った。
「やれやれだな。」
ダレンは、オフィスの
大画面モニターに映る、王子を
見つめながら、腕を組んで
いたが、すぐにオフィス電話が
コールされ、表示に訝かしむ。
『ダーレン!!スキャンダル!』
さっき降りたばかりの
ケイトの大音量が 受話器から
ガナル。
『アサミいない!課長いない!
ミズキパニック!ヘルプ!!』
ケイトウの声に眉を寄せた
ダレンが、その内容を理解すると、即座にケイトウに指示をした
「ケイトウ!シオン姫に知らせ
ろ。ハジメオーナーもヨミ女史も
今なら一緒に同伴して船で向か
ってるはずだ。まず知らせろ」
警察に連絡する案件か?
判断が難しい。そもそも、
あの課長も?一体何が起きてる?
ダレンは、黙って目まぐるしく、
頭を回転させた。
大画面には 大写しされる、
『カイザー王子』の凛々しい
横顔が、国王の隣に 佇んでいる。
朝からケイは
白色の騎士軍服を
身に纏い、
来日した国王と、第4、5王子と
共に式典への参加準備を
していた。
メディアは
これから執り行われる
国家式典の中継をスタンバイし、
多くの人々は
その様子を 固唾を飲んで
見守っている。
本来なら
王位継承権第1の王太子
からはじめ、第2、3の王子が
来日となるのだろうが、
上位王子は、不在となる国王
代理として第1王子が。
その補佐として第2王子、
そして現在
軍府長官の第3王子が
国王留守の自国で采配を
振るう事となった。
近づく開始時間にむけ、
厳かな空気が 映し出される。
何より、
日本人である
第3側妃の同腹子の第5、
そして
第6王子のケイは、
友好王使としての意味合いも
あり、特にメディアが
その姿を
今か今かと待っている。
祝い 列席するため来日していた、
世界各国の王族や首脳などが
続々と
古風で奥ゆかしい宮殿に
到着する。
ケイ達は
メディアの勢いに
反して列席は最後。
それは、
招待された王族の中で、
1番王の在位年数が長い事を
意味する。
テレビのコメンテーターが
称賛の解説をし、
国民はその優美な様子を
喜々と眺めていた。
父親である
国王も、
兄弟である上の王子2人も、
ケイが
この式典に参加するのみが
来日の理由では
ない事を
知っている。
招待された 男性賓客は
燕尾服やモーニングコート、
紋付羽織袴。
女性賓客はロングドレスに、
デイドレス 、白襟紋付。
それに輝く勲章が胸元に見える。
世界各国から集まった来賓は
伝統着や歴史ある衣装になどにも
彩られていた。
その中にあって、
横並びに揃う
純白の
騎士軍服のケイ達は
とても目立つ。
それ以上に
現れた 王子達の姿に
一同メディアは騒然となった。
褐色の肌。
麗しく整えられた黒髪。
それは好感がもてる
純白軍服。
3人の王子は
年や、雰囲気は違えど、
そのイケメンぶりは
遠くからのカメラからも
確認出来る程で、
惚れ惚れとした空気に
辺りが色めく。
もちろん、
各国の王子達も見目麗しい。
それでも
特に話題になった
その人物は
オセアニア地域の国3人の王子。
一際目立つ 第6王子。
その名は
『カイザー王子』
と、報道される。
今
メディアに映される、
『カイザー王子』の凛々しい
横顔が、国王の隣に 佇んでいるが、
そのほんの数時間前に
国王王子が
親子のやり取りを
した事は
さすがに、解りようもない。
ただ、1つ言える事は
今
本来なら式典が終わり
1人の女性を連れてくる事で
契約満了となると
伝えられた執事から
護衛へと
渡された伝言紙に
一瞥を向けた 王子が
作り笑いの奥で
動揺を隠しているのを
メディアを通して
幾人かの視聴者が
見守っていた。