秋は黄昏マジックアワー。褐色の王子と恋愛混合二重奏

That day
見上げたであろう
あの空を
彼女と同じように
オレが見上げた事を、
きっと 彼女は
doesn't know forever 。



9年前に 再び訪れた国際交流団。


『今年もカイザー王子が参加と
いう事ですが、デモンストレー
ションダンスでの交流は
致しませんの、あしからず。』

次の年の friendship 交流の
memberを 門で迎えるなり、
生徒会長になっていた
住之江繭子が、
ケイに向かって宣言
してきた。

べつに気にもしないとポーズを
取ってケイは、

「事前にExplanationされてる。
No problemだよ。その代わり
dance party は楽しみにしてる」

と、ニコニコと機嫌よく
答えた。が、
その機嫌は 学内案内から
予定されていた
交流の舞踏会を過ごすうちに
だんだん 不穏になった。

去年、オレの足骨をbrokenした
西山 莇美。
あんなに stand out な 女が
見えない?いない?
わざわざ Another action で
隠されたのか?

交流予定を全て終え、
代表で挨拶にきた 住之江 繭子に
ケイは 若干イラつきながら
とうとう
我慢が できずに

「Oui!去年の イケメン女 !
休ませたのか?Let me meet 」

同行して、ケイの態度に驚く
member にお構い無しで
問い詰めた。

『は?何を仰いますの?』

繭子は 顔色1つ変えず呆れた
ように 溜息をつく。

「アザミ セイザンは?!」

この性格の悪そうなヤツが
何かplanningしたんだろう!と、
ケイの目が 繭子を
威圧する。

『そもそも、個人の情報になり
うる発言は、わたくし 致し
ませんの。お引き取りを!』

それでも 睨みつけてくる
繭子に 舌打ちしながら
ケイは、一緒に学ぶ幼なじみに
合図をしたモノを持って
こさせながら

「クソ!わかった。Do as you say
ただ、これだけ 渡してくれ。」

あの イケメン女に!!だ!

去年と同じ旧居留地
観光で みつけた
フラワーショップで用意した
小さな薔薇の花束を
ケイは 耳を赤くしながら
繭子に差し出した。

繭子は目を一瞬見開いて
少し考えたが、それを
受け取らずに 後ろを向いて、

『華ねえさまは転校されました』

ポツリといい放つと
そのまま出ていってしまった。

残されたケイは
他のmemberの好奇な視線に
目を左右させながら、
受け取られなかった
小さな花束を手に
頬を掻いて

「タッ パ ロ、タッ パ ロ、、」

つい自国語で
ゴマかすしかない。

「転校、、、なんだ。This school
じゃなくなったのか、、、。」

中高大学と一貫校だと聞いて
毎年 交流団に声を上げる
つもりだったケイは
この時、かなり 凹んだ。

address 交換が、、

middle school は シンガポール
だったケイは
high school からは英国校に
留学する。

その後は 同じく 王族が通う
英国の王立陸軍士官校に
進学予定だ。

それでも 国際交流や
交換体験留学もある。
それで来日を繰り返すうちに
と、この1年、
勝手に計画を ケイは
いつのまにか 考えていたのだ。

「what is it、、つまんねーな。」

どうせ、
このまま、Englandに行けば
忘れて Enjoy youthだろ。

「あんな イケメン女 forget!」

たいてい留学をすれば
戒律の厳しい自国と
違って 男女のプラトニックも
治外法権とフリーダムが
許される。
兄もそれで、男女の経験を
しているのをケイも
知っている。

So!
これからオレも、ハメハズシテ
Free love を謳歌してやる!

意気揚々と英国へ
次の年に留学した ケイは、
確かに 遊んでいたが、
ハイスクールの夏の休学を
利用して、

なぜだ?jokeだろ。

「Sorry、、。アザミ セイザンの
schoolを 教えてくれないか。」

住之江 繭子の前に
三度現れたのが、

8年前の事。

そんな オレをまるで リパスを
見るような目付きで

『サヤンな王子ですわね。』

見事に 一言で撃沈してきた。

『サヤンな王子の根性に免じて
華ねえさまの事を 少し教えて
差し上げますわ。
但し、居場所は存じません。
わたくしもお探ししてますの。
今、華ねえさまは完全に
お隠れになられていますわ。』


そうして 住之江 繭子から
聞いたのは

いわゆる
不動産王と呼ばれるレジェンドの
1人に『西山王』と呼ばれた
人物が『西山莇美』の父親
であり、
いかにも、不動産を扱う
成金キングだった父親が
行方をくらました事で、
アザミ達家族が
債務者のみならず、後ろ暗い輩
からも追いかけられている
話だった。

資産をキャッシュで
常にジュラルミン満タンに
積めて歩く『西山王』。

西日本の
繁華街を中心に
ビル賃貸業の業績を上げ
衛星都市の
目抜き通りでビルを建設。

好景気需要にあって成功し、
私生活は 伝説的に派手。

その手腕は、国内のみならず
海外の動産をも買い漁り、
尚且つ 違法ギリギリな手法も
使っていたらしい。

『信用できるのは自分だけ、
家族もいらない』という父親。

破天荒な不動産王の
『西山王』の由来は、
西日本の 山林売買を多く
していた為 でもあるとか。

どうも立木権を
中国の客に斡旋し結局、
トラブルがあったと
噂が立った頃、
一代で築いた栄華の男は
姿を消して、
家族達も 離散した。

質が悪かったのは、
立木権の件に
チャイニーズマフィアが
噛んできた事と、国内では
かつてのGHQ接収資金詐欺に
関与もしていると噂が立ち、
『西山王』は国内からも、
隣国からも 追っ手が
掛けられた。

「おい、、THE ENDなstoryだ」

住之江 繭子から 聞いた内容が
あっているなら
最悪な状況だと ケイにも
容易に理解できる。

『華ねえさまは、西山の華と
呼ばれた方ですわ。みつかれば
どんな目に合わされるか、、
クズな御父上を 引き摺り出す
人質になるやも、辱しめも
受けられるやもと 思ったら、
わたくし心配でたまりませんの』

だから、自分の使える力で
探していると 続けた
住之江 繭子に ケイは言った。

「わかった。Thank You マユコ
スミノエ、ならオレに手を
貸してくれ Let's join hands 」


オレも使える力を 全力行使する。

この時のオレは
まだ ガチ中二病 generationだった
そして
ここから、オレの アザミを
探す長い旅が 始まったんだ。

「すこぶる 健康ですよ、カイザー
王子。えっと、襲撃でもお受け
になったらしいですけど、
肋骨もヒビ1つ入ってないですね
画像的には 至ってご健康ですよ」

今、ケイにカルテを手に
画像を見せながら、
『読影』結果を 飄々と
した雰囲気で
報告しているのは

このヒルズビレッジにある
セレブリティな
巨大総合病院の
画像診断のドクター。

「All right 、この国のMedical
checkは素晴らしいな。
Speedy response に驚く。」

ケイの姿は、
濃紺シルク地に
切り返しショール襟と、
袖が カフデザインされた、
艶やっぽいショートガウンの
ルームウエアで、
優雅に 寛ぐスタイル。

「いえ先日、先に来日された
第4王子から、前もって伺って
ましたからね。
カイザー王子もきっと、
こちらでメディカルチェック
受けるだろうから準備をと。」

対して、健康診断の報告を
しているドクターは

デニムスクラブ に
白衣スタイル。
何故か 答えた後に、
秒速エネルギーゼリーを
口に咥えている。

「Sorry 忙しい時に 感謝する」

その行動に、
黒の前髪を雑に下ろした
間から
眼鏡をしていない ケイの瞳が、
品よく 細まる。

「じゃ、以上ですので。
お大事に、失礼します。」

そういって、ドクターは
超VIPな病室を 口笛まじりに
白衣をハタメカセテ
出て行った。

ヒルズビレッジは、
旧財閥家が所有する
4つのエリアに 分かれた
都市区画で、

ケイの滞在するレジデンスや、
アサミが勤務する
オフィスタワーの 向かいには、
リュクスな総合病院、
巨大な ホスピタルセンター
がある。

国内でも トップクラスの
外科チームがいる
ハイスタンダードな
総合医療機関で全室完全個室。

最高のホスピタリティーは
ホテル並みのサービスとか。

セレブなレジデンス住人基準
の為か、病院食でさえ、
高級なコースメニューだ。

サイドテーブルには
ケイの国にも馴染みのある
蘭の花が いかにも高級そうに
生けられている。

「あのっ!カイザー王子っ!
健康診断なら健康診断って、
ちゃんと言っくれないと
困るっすよ!マジ焦ったじゃ
ないっすか!!勘弁っすよ!」

さっきまで大人しくしていた
体躯良い、爽やか短髪、
スポーツマン系の 青年、
カスガが ケイと
2人になると 騒ぎはじめる。

「Hospitalization と言ったが?」

さすがVIPな病室は
すぐにベッドがあるわけなく、
部屋にはバストイレ、
キッチンダイニング完備で、
ソファーセットの向こうに
大きめの 患者ベッドが
見える配置。

「検査でしょ!今の話聞いてたら
全然頑強そうじゃないっすか!」

カスガは、さっきまで
ダイニングルームで
引っ込みながら
盗み聞きした内容に
怒り奔騰の様子だ。

「Assoc カスガは コソドロの
マネなんかするのか?Heee?」

チーク材のベッドテーブルに
肘を付く、褐色の王子ケイが
体をカスガに向けて
意地悪笑う。

「入院って電話するから、
こっちはすっ飛んできたんすよ!
それにAssoc呼びは止めて
ください!これでも室長になった
んすよ!Director !レン先輩と
おんなじDirっすよ!王子!」

ケイはあからさまに
耳を塞ぐ仕草をして

「VIP ROOMが 、防弾ガラスで
Was saved だな カスガ。」

オフィス並に大きい窓から見える
向かいの日本庭園と
病室を隔てる窓をケイが
指さして、

「それにBranch managerだろ?」

研究所、海外準備室長 と
印刷された名刺をヒラヒラ
させた。

「うあぁぁあ!もうイヤだぁ!」

カスガは 頭を抱えるポーズで
大袈裟に ソファーテーブルに
うつ伏せて嘆いて

「ヤマモリさんどーしたんすか!
ヤマモリさん!助けて!暴君が」

周りの部屋を探す。

「本当にサヤンなAssocだな。
ヤマモリには 人をescortに
やってる。Assoc カスガには、
residens stay room に magicの
仕込みを また ヨロシクだ。」

ケイは ククッと声を出して
前髪を揺らして 笑う。

「アンタ!どんだけ急なmagicの
仕掛させるんっすか!意味不!」

絶望的な顔をして、
ヤマモリさんも可哀想だとか
なんとかいう、カスガに
ケイは レジデンスのカードキーを
投げ渡すと、

「ううっ。へいへいっすよ」

しぶしぶと、カスガが ケイの
投げたカードを ベッドに
取りに行く。

そのカスガの手を見つめた ケイが

「Heyオマエ Married personか」

初めてカスガに 負けた顔を
向けて言う。

「へ?あ、はい!んで
3人のパパっす。へへっ。」

カスガは 頭を掻きながら、
電話の待ち受けを わざわざケイに
見せてきた。

「three?Assoc カスガ?
How old are you おかしいだろ」

「あ、俺、学生結婚なんすよ!」

じゃ!っと カスガは
それとは知らずに、ケイに
最大のダメージを与えて

スタンバイできたら、また
報告しまーすっ、と
VIPルームを出て行った。

「ウソだろ?Assocに負けた?」

真っ青な顔でショックを
受けたケイの
呟きが、誰もいない
部屋に消える。

オレは、いつでも Not in time 。
後手後手で、逃す。
Assocでさえ 手にしているのに。

病院離れした内装の
VIPルームフロアの廊下は
普通の病院なら 人も多いはず
なのに、
このフロアは本当に静かだ。

ケイは、グッと左手の中指を
見つめて、

「At that time 。
逃がして、 間違えて、、、」

That day
見上げたであろう
あの空を
Will never forget forever 。



カチャン。

VIPルームの扉が開き、

コツコツコツコツコツコツ。

執事の黒革靴が近づけば、、

ダンっ!!

「只今、御主人様より申し付け
られました 『田村 あさみ』様を
お連れ致しました。
が、御主人様もお人が悪い。
お連れしますのに、少々
手こずりましたよ、この私が。」

振り下ろされた白手袋の手が
主の机に 打撲跡を付ける。
それは、僅かに ケイを掠めて。

うん?What happened?
ヤマモリ?

ケイに何事かと 心配させた。

アサミは、そんな 執事、
ヤマモリに
連れられて、
ラグジュアリーな院内の
最上階にあるVIPルームにまで
来ている。

ケイは 振り下ろされた
ヤマモリの手を見て、
次にアサミを見て、

Fumu、
特に No problemに感じるが。

問題なくアサミをエスコートする
事に執事は成功したと判断して、

「 Good job ヤマモリ。」

一応、親指をグッと立てた。
すぐに、ヤマモリに
嫌そうな顔を向けられたが。


このフロアは、
廊下でさえ、
ホテルの内装で、ドアを
入って そのゴージャスさに
アサミは驚きの声を
「病室というより、住めそう」
と、
上げている。

そんな中、
プライベートバトラーとして
ケイが滞在している間
侍従契約をしているであろう
ヤマモリが、

褐色のマジシャン・ケイが
肘を、つく
チーク材のベッドテーブルに
片手を叩き付けている
わけだが。

「すごい、防弾ガラス」
アサミは
それを見ていないフリをしてか、
向かいの日本庭園が
望める窓に近づいて
コンコンと
ガラスを小突いた。

「私、御主人様より タムラさまを
エスコートするように仰せ使い
ましただけで、戦闘態勢で
挑むようにとは 伺ってません」

そのヤマモリの言葉に、
ケイの眉が跳ね上がって
驚いたように
アサミに視線を注ぐ。

self-defenseー護身術 まで
coaching受けていたのか?
アサミは。

ケイがアサミから
視線を外すのを確認して
ヤマモリは、
アサミをエスコートならぬ
捕獲する事になった状況を
ケイに
報告書していく。

アサミは その間
静かに 聞いているしかない。

「御主人様の所に同行をお願い
しましたら、お逃げになり
ましたので、お呼びする為、
手を掴ませてもらいましたら、」

即座にアサミは 後ろ手で、
ヤマモリの手首を掴んで、
自分の
上半身を屈めて、
迷いなく 背負い投げの体制に
入った。
そのアサミに、
ヤマモリはすぐに反射して、
アサミの
背中を軸に
体を回転させて、
アサミの前に着地する。

「身辺警護もこなす私でなければ
簡単に背負い投げられて
いました。あの技といったら、」

仕方なく
ヤマモリの左腕を真横に
アサミの胸上部へ当てて、
近くの
ブロック弊に 縫い付け、
動きを止めざるえない攻防。

「普通のお嬢さんでは規格外
ですよ。一体、御主人様は
どのような方を エスコート
させるつもりでしょうか?
完全にオプション料金です。」

そう言って、
ヤマモリは 身辺警護の料金を
上乗せしますからと、
ケイに口を弓なりにさせて
何か書類に書き込んで
ケイに見せた。

なるほどな。とんだAssassin
だったわけか アサミは。

ベットの上で苦虫を
噛み潰した顔をして
ケイは、アサミに

「アサミのお陰で、この国が誇る
ハイクラスな、Medical testを
体験できた。アバラにヒビだ。」

ついでに、ヤマモリの
prideも brokenだな。

「それは、申し訳ない、です。
すいません、でした、ケイ」

仕方ないと アサミも
詫びの言葉を口にしたが

隣で、やり取りを
聞いてる、ヤマモリが、
何とも言えない顔してる。

あの顔は、
オレが health itself なのを
隠してるのを 非難というとこか?
いいか?
Shut upだぞ、ヤマモリ。

「アサミ、謝罪だが、「あの、
いくらかかりますか!慰謝料!
なんとか、します!」」

ケイの言葉に、アサミが
被せるように 遮って
慰謝料とかを聞いてくる。

少し、sad 、、blueだ。
思えばアサミは at any time
『払う』事を気にしている。
意味するは、これまでの
アサミのlifeだ。

「費用は、、スポンサーがいる。
Do not worryだ。が、スムーズに
動けない。アサミのサポートが
欲しい。そうだAssistanceだな」

そうして 人との関わりを
Friendshipを避けてるのだろう?
アサミ。

「マジックのサポート、やり
ます。器用じゃ、ないですけど」

派手な事じゃなければと、
アサミが 決意するのを見て
ケイと、
ヤマモリが
表情を 崩して噴き出した。


「タムラさん。さすがに、
マジック助手は、主もさせない
でしょう。ヒビの治療は、コル
セット固定による安静と、痛み
止め薬だけですので、主は、
レジデンスのペントハウスにて
静養されます。そちらに、お越し
頂きたく、存じます。それでは」

そもそも、オレはdoctorから
オスミツキのhealth body だ。

そんなケイを一瞥して、
愉快そうな
口元を隠しながら、
ヤマモリが 出て行きかける。
と、
アサミが、サッと引き止め、
何かメモを書いて
ヤマモリに渡す。

「合わせて、少々電話を掛けて
参ります。タムラさん、主を
お願いして宜しいでしょうか?」

メモを確認しつつ
まるで
何もなかった様に、
ヤマモリは、
ケイに、承諾を取って
今度こそ部屋から消えた。

???まあ、afterで
ヤマモリにsearchかけるが、
Secretはオモシロクナイ。

「アサミ、喉が渇いた。」

だから、ケイは早速
2人きりを、利用する事にする。

「、、お水いれます。」

溜息をつきつつ
サイドテーブルの 蘭の横に
あった水差しから 、アサミは
コップに水を注いで、
ケイの前に、
距離をとりつつ
ベッドテーブルに置いた。

ケイは、そんなアサミを
改めて上から下へと
眺めて見る。

アサミは、、
相変わらず地味なTransformers
の服装に、眼鏡か。

「Thank You アサミ」

その距離をケイは ニッコリと
笑って 詰めつつ
コップを手にした途端に、
「うっ」
と呻いて、 胸下を抑えてみせた。

「ケイ!大丈夫!ごめん、そんな
に痛むの?!一体何本ヒビいっ」

慌てて
ケイの胸元と、背中に
手を当てて、ケイの痛がる
場所をさすろうとする
アサミの片手が
ケイに、取られ。た。

あぁ、
こうして see close しても
オレには
アサミは アサミにしか
見えないな。

ケイは
よりアサミを
グイッと自分に引き寄せてから、

「アサミは、High defenseなのか
Un protected か、わからないぞ」

アサミの
頬を撫で上げて、
取った手に
ケイの 薄い唇を落とす。
それが
ただ、ほんの数秒の事なのに
アサミの肌に触れると
身体中に 熱が廻るようで
ケイの本能が騒ぐ。

!!、そう、この sense だ。
この
目の前の獲物を
捕食したくなるようなdesireは。
アサミがアザミだと
オレの
body knows!間違いない!

ケイは続けて
ここぞと
アサミの、指を舐め上げた。

「とんださ、ケガ人ですよね!」

そんなケイの手を、
アサミは思いっきり 振り放して、
取られた手を 隠せば、

今度は
伸ばす、ケイの手が
アサミの耳をスルスルと擦る。

耳は、個体判別に有効な part。
それをup hairにしても隠れる
cut style をしているんだ。
『private eye』は伊達じゃないな

「アサミ、君は」

ケイが 言い終わらないうちに
アサミは 部屋から、
一目散に 逃げて行った。

「At that time なら、
確実に、足を踏み抜いたか?」

ケイも
異常に上がった 自分の息を
落ち着ける。

この国には、
探偵のライセンス制度はないが、
海外には国として
探偵制度が確立している
場所も少なくない。

有名なところでは、
英国と、米国。

とくにUSAの探偵学校は、
その名前さえが、
探偵を意味する。

『プライベート・アイ』

眉毛のある瞳が トレードマーク。

ライセンス制度が
確立している為、
パーソナルコーチャーを
依頼する顧客も多く、
セレブでも 護身術や、
芸能人なら
変装術の コーチングを
受ける事が可能。
もちろん、隠密活動の技術も
最新鋭機器を
使用して 授業も受けれる。

普通のgirlなら
そんなcoachingは必要ないのにな

ケイは、少し遠くを見つめて、
影の棚に置いていた
鳥籠から、
『ティカ』を出して
病室の窓から 放した。

白いオカメインコが 飛んで行く
姿を見つめて、

「ティカ、アサミをヨロシクな」

ケイが呟くと

再びVIPルームの扉が
カチャンと
開いた。

ケイが 視線を向けると、
そこに

カサブランカの豪華な花束を
たおやかに 抱えた、
柔らかなムースグリーンの
着物が、目に入って、

「マユか。探し物は
shopping mallにあったのか?」

ケイは、訪れた協力者に
知らず知らず
機嫌よくなる。

「ケイ?どうしたの貴方。」

繭子の訝しげなセリフに、
ケイは 頭を振って

「ちょっと 昔の事にnervousに
なっただけだ、何もない。」

と 答えた。

そう、ナイショだ。
まだこれから なのだからな。
ヒルズビレッジは、
旧財閥家が所有する
4つのエリアに 分かれた
都市区画。

アサミが勤務する
オフィスタワーの 向かいには、
リュクスな総合病院、
巨大な ホスピタルセンター
がある。

国内でも トップクラスの
外科チームがいる
ハイスタンダードな
総合医療機関で全室完全個室。

最高のホスピタリティーで
ホテル並みのサービスを誇る。

セレブなレジデンス住人基準
の為か、
病院食でさえ、
高級なコースメニューと
噂されるって、ケイトウが
前に話していたけど。

こんなところにさ、
入院でもしたらよ、幾ら払うか
わたしなんて、戦々恐々よ。

アサミは、執事姿のヤマモリに
連れられて、
院内の VIPフロアにまで
来ている。

このフロアは、廊下でさえ、
ホテル内装で、1つのドアを
入って 更に驚いた。

「病室というより、住めそう」

すぐにベッドがあるわけなく、
部屋にはバストイレ、
キッチンダイニング完備で、
ソファーセットの向こうに
大きめの 患者ベッドが
見えて、
チーク材のサイドテーブルに
肘を付く、褐色のマジシャンが
体を起こしていた。

「すごい、防弾ガラス」

オフィス並に大きい窓から見える
向かいの日本庭園を眺めて
アサミが コンコンと
ガラスを小突いた。

本当にさ、国賓クラス対応が
出来る病院だよ。

ベットを見直せば、

黒の前髪はボサボサに
降りていたけど

高かそうな、濃紺シルク地に
切り返しショール襟と、
袖が カフデザインされた、
艶やっぽいショートガウンの
ルームウエア。

眼鏡のない ケイが、
ニコニコしている。

そんなウエア
売ってるんだーー。
で、ケイって 似合うんだーー。

どーでもイイコトを思うぐらい
色気があってさ、
気が 遠くなるよ。

「アサミのお陰で、この国が誇る
ハイクラスな、Medical testを
体験できた。アバラにヒビだ。」

ウソ!!スゴい嫌みでさ
さらに意識が、ぶっ飛ぶ。

「それは、申し訳ない、です。
すいません、でした、ケイ」


隣で、やり取りを
聞いてる、ヤマモリさんがさ、
何とも言えない顔してるよ。
ひいぃ。

「アサミ、謝罪だが、「あの、
いくらかかりますか!慰謝料!
なんとか、します!」」

ケイの言葉に、アサミが
被せるように 遮る内容を聞いて

「費用は、、スポンサーがいる。
Do not worryだ。が、スムーズに
動けない。アサミのサポートが
欲しい。そうだAssistanceだな」

気だるそうな雰囲気を、匂わせて
ケイが 続ける。

「マジックのサポート、やり
ます。器用じゃ、ないですけど」

派手な事じゃなければと、
アサミが 決意するのを見て
さっきの表情を 崩して
ケイと、ヤマモリが 噴き出した。

何?変なことさ、わたし
言ってる?

「タムラさん。さすがに、
マジック助手は、主もさせない
でしょう。ヒビの治療は、コル
セット固定による安静と、痛み
止め薬だけですので、主は、
レジデンスのペントハウスにて
静養されます。そちらに、お越し
頂きたく、存じます。それでは」

まだ、愉快そうな
口元を隠しながら、
手続きをしに行くと、
ヤマモリが 出て行きかけた。

アサミは、サッと引き止め、
メモを、書いて渡す。

今度は、
ヤマモリの片眉が上がる。

「合わせて、少々電話を掛けて
参ります。タムラさん、主を
お願いして宜しいでしょうか?」

まるで
何もなかった様にさ、執事姿の
ヤマモリさんは、
ケイに、承諾を取って
今度こそ部屋から消えたよ。

今日さ、、決まった
イベントの日付だよ。察し、
たよね。

「アサミ、喉が渇いた。」

ヤマモリさんがさ、
消えたドアをね
ぼーっと眺めてたらさ
ケイが早速
2人きりを、利用してきた。

「お水いれます。」

仕方ない。

アサミは観念して、
ベットテーブルの 蘭の横に
あった
水差しから コップに
水を注いで、ケイの前、
距離をとりつつ
サイドテーブルに置いた。

吸い口ではないから、
手で持てるんだろうと、
思ってたら

コップを手にした途端に、
ケイが
「うっ」
と呻いて、 胸下を抑える。

「ケイ!大丈夫!ごめん、そんな
に痛むの?!一体何本ヒビいっ」

慌てて
ケイの胸元と、背中に
手を当てて、ケイの痛がる
場所をさすろうとする

アサミの片手が
ケイに、取られ。た。

グイッと引き寄せられて、

「アサミは、High defenseなのか
Un protected か、わからないぞ」

ケイは アサミの
頬を撫で上げて、
取った
手に 薄い唇を落とす。

ほんの数秒の時間。なのに
身体中に 熱が廻るような
感覚に、
アサミは 固まってしまった。

こんな奴だって解って
警戒した
矢先だったのに!

本当にさ、この人、誰だよ!

挙げ句、指を舐め上げ
られるって、、

「とんださ、ケガ人ですよね!」

手を、思いっきり 振り放して、
取られた手を 隠すように
してたのに、

また伸ばされた、ケイの手が
アサミの耳に掛かる。

うっ。

アサミは そのまま部屋から、
一目散に 逃げた。

怪我人じゃなきゃ、思っ切り
足を踏み抜いてるよ!
そう、きっと、そう!

アサミは、
異常に上がった 自分の息を
廊下で なんとか落ち着けて、
病院離れした
VIPルームフロアの廊下を
とにかく 外に出ようと
足早に歩いた。

普通の病院なら 人も多いだろうに
このフロアは、
静かで、人にも出会わない。

本当、何かあっても 誰かが
来そうにないよ!もうう。

ヤマモリさんに連れられてさ、
きたけど、なんだか広いフロア。
でも確か、
エレベーターは こっちだよね。

アサミが
見つけたエレベーターは、
丁度上がってきた事を知らせる
ランプの点滅が見える。

アサミは、急いで
扉の前に立つ。

スッと開いた、扉の向こうに、

カサブランカの花が立って
いた。かのように、
豪華な花束をたおやかに
抱える
柔らかなムースグリーンの
着物が、目に入る。

この人。

入れ違い
横切る ハーフアップヘアはさ、
間違いようない。
モールで
ケイと歩いていた令嬢だよ。

エレベーターから、

歩いて行く先を
見つめれば、
さっき自分が 飛び出してきた
部屋のドアに、ノックを
礼儀程度にして
入る、令嬢の横顔が

見て取れて、

さっきの部屋で
ベットテーブルに生けられた
蘭の花達を
アサミは思い出した。

エレベーターが
閉まると、まだ
さっきのカサブランカの花束。
その華やかな薫りが残っていて、

何故か悲しくなって
気分が悪くなってしまった。

通り過ぎるフロアナンバー。

わたしは、あの令嬢が
羨ましくて、泣けるのか、

それともさ、
ケイにね、
翻弄されて泣けるのか?。

出来るなら、
契約を強制終了したかった、
なのにさ
介助しなちゃ
いけなくなった事に
わたしは、泣いてる?

解らないよ。

考えたら、あの令嬢が
ケイの事をさ、
甲斐甲斐しく
介助するんじゃないの?

それで、いいんじゃないの?

なんだか、自分が
わからなくなって
ようやく 医療センターの外に
でれた。

はあーーー息が出来る。
そう安心したら、

白い羽ばたきが 頭上でして、
スノーホワイト。
オカメインコ『ティカ』が
頭を傾げて、
わたしの肩に止まった。

小さな頭を撫でるとさ、
擦り寄せる仕草に、
ササクレた気持ちが
柔らかくなるよ。

明日ティカを、
連れて行くのを理由に
レジデンスに
行く自分を見つけて

わたしは 自分に驚いてしまった。


『ティカ』を肩に、アサミは
ヒルズヴィレッジの
医療エリアから
キャナルウォークを挟んだ
向かいにある、
コンセプトモールへと 歩く。

モールの一角にある、
ペットエリアで、
ティカのエサと、ゲージを
探すためだ。

「さすがにさ、籠ないと。」

アサミは ティカの頭を撫でた。

モールのイチ押しはさ、
やっぱり
日本庭園になっている
ルーフトップガーデンとか、
進化系・日本の老舗ブランドを
集めた テナントロードだよ。

でもさ、
ここのペットエリアも凄い。
ちょっと他にないんだよ。

グッズエリアが、
アクアリウムミュージアムに
なっていてさ、
水族館を 楽しむみたいに、
熱帯魚とかを買えるんだよ。

クラゲの展示なんて、
ライトアップされていて、
そのままデートスポットよ。

ペット用のスイーツもある、
アクアリウムのカフェもさ
いい感じなんだよね。

「鳥のコーナーは、、」

深海にいるような
幾つもの水槽に 囲まれて
ダウンライトが、ムーディーな
ペットグッズエリア。

ティカを、肩にアサミが
鳥のコーナーを探していると
丁度ゲージが並ぶ 場所に、
見知ったスーツ姿を見つけ

声をかける。

「ダレンも、鳥籠、買うの?」

アサミの言葉に、ゆっくり
グラデーションカットの前髪を
揺らして 振り返り、
斜に構えた視線の主が、
答えた。

「アサミ姫か。君こそ、肩に
侍らす、冈美子はどうしたのだ」

ダレンだった。

アサミの肩を見た、ダレンは
臆する事なく 人差し指を出して
ティカを『チョッチョ』と呼ぶ。

「ガン、メイジ ン?」

あれ、意外にティカちゃん、
ダレンにさ、懐かない、よ。

アサミは不思議に
思いながら 、ダレンの発した
聞きなれない単語を
片言で返した。

「オカメ、インコといったか?
白雪姫に改良されたタイプか」

なるほど、冈美子=オカメインコ
ってことよ。

結局、ティカはアサミの頭に
ピョンと跳ねて ダレンから
逃げた。

「ダレン、詳しいですね。」

ごめんなさい。と、アサミは
ティカの態度を 謝まる。
ダレンも、全く気にする素振りを
見せないまま、

「我々の国は、鳥を愛でる歴史が
長い上に、文化も盛んなのでな。
闘鶏や、競鳴といった趣味さ」

と答えて、
鳥の棚から、オウムの餌を
アサミに、手渡してくれた。

「 冈美子は、インコ名がつくが、
実際はオウムだ。長く生きる、
オーストラリア原産の種類。」

渡された、オウムの餌に
驚いて、アサミがダレンに
頭を下げた。

「てっきり インドネシア
かと 思ってた、です。」

もうすぐでさ、インコの餌を
買うところだったよ。

「まあ、世界で1番鳥類の
種類が多い地域だからな。」

今度は、幾つももの 鳥籠を
手に選び始める、ダレン。

「ダレンは、鳥籠。仕事ですか」

ダレンは、徐に
小振りで竹製の、手持ちのある
鳥籠を 思案する。

「嗚呼。ハジメオーナーから、
ここの品揃えが リュクスで良い
から、身繕っておけとの指示。」

さらに、鳥籠カバーも 2つ
棚から、取り出した。

「ハジメオーナー、いつこちらに
来られますか。いろいろお礼を、
言わないと、ですから。」

アサミは、ダレンが テキパキと
選ぶのを、横で見ている。

「メガヨットで、クルージング
しながら帰港だから 確定は、
出来ないが、来れば知らせる。」

そうだな、これだろう。と、
ダレンが呟いた。ところで、

「イリュージョニスト・ケイと、
オーナーって、どいう、間柄
なんでしょう。お友達とか。」

ちょっとさ、気になってたから
聞いてみたよ。

「芸術祭で紹介されて、意気投合
したとは、聞いたが。友人とか
ではないと認識している。もし、
困っているなら、助太刀するが」

あ、大丈夫です、ダレン。
でもさ、そっか。

一瞬、考える素振りを見せた
アサミに、今度は
ダレンが 上司の話 繋がりだが、
と 続けてきた。

「そちらの課長も、今度ある
来日客と民間企業パーティー
に、招待すると来訪されたよ。
彼もヒルズに役職持つ男
なのだ、格もあるだろうに、
腰が低くて意外だったな。
パーティーには、
オーナー代理で自分達が、
出席する。だから、アサミ姫、
何かあれば、本当に 頼れよ」

その旨、課長とミズキ女史にも
伝えてくれと、
ダレンは、アサミの頭に移動した
ティカを撫でて、

さっき選んでいた、竹製の鳥籠を
アサミにカバーと一緒に
サラリと、渡してきた。

「これが、丁度だと確信した。」

そういうと、
スタッフに声をかけて、
売り場の鳥籠を 全部1つずつ
オフィスに運んで欲しいと
依頼をした。

そして、
次に 行くからと アサミに
その鳥籠とかは、プレゼントだと
カードを手に振る。

「そういえば、インドネシアには
その鳥と良く似た、オウムが
『傘の鳥』と呼んだ気がする。
あの辺りは、神を運ぶ神が
鳥なんだ。その 冈美子が、君の
ラッキーバードだと良いな。」

とだけ 言い残して
スタッフに、アサミの鳥籠も
ラッピングして欲しいと頼んで
じゃあと、
アクアリウムミュージアムの間を
颯爽と出て行った。

ダレンさ、男前だよ。

アサミは ダレンが身繕った、
竹製持ち手つき円筒鳥籠と、
カバーをスタッフに渡して、
ティカを その籠に入れる。

スタッフは、リボンを掛けて
くれた。

ティカがいるからさ、
ペーパーラッピングは出来ない
もんね。
はあ、これでさ、ようやく、
帰えれるよ。

「今日いろいろありすぎて、
1日長かった気がするよ。」

すっかり夜。ふと、見上げると
秋の夜空に、月が浮かぶ。

明日は休み。そして、

あと5日か。

2つめの I'm sorry は 7年前だ。

high school の夏に
マユと join handsして
1年 経た日の それはある
『黄昏時』。

オレは この国にある
西の中心都市、
magic hourに染まる上空を
ヘリで旋回していた。

『陰の学校』の隣ビルに
wire down をする為だ。

『My road!正気ですか?!
許可は、旋回まで!下降は
許可されていませんぞ!』

護衛はもちろん NOだと stop を
かけてくる。それでも、

「答えは GOだ!」

オレは、このころにはもう
自国でmilitary training を受けて
ヘリの操縦も wire mission も
出来る。

オレが 直接動くまでだ!

『My road 問題になると思います
以後の動きに、その、ご覚悟を』

護衛の言葉に、
まだ十代のケイは 眼下に見える
景色を瞳に映して

As if まるで、、
Orchidに群がるspiderみたいだな

「attack する。」

トリガーボタンをオープンに
「stand-by!!Get ready!」

ビルの屋上は 四方を 花びらに
ネオン看板に囲まれていて、
そのビルを
赤い車のテールランプが
包囲してるように 虫群がる。

航空障害灯が点滅する赤々、
定位置飛行になって、

「one!two!Descent!GO!!」

次の瞬間、
ケイはヘリから 空中へ出て
真上から、迫る黄昏の街に
自ら
ダイブした。


『わたくし達のような旧財閥系列
や、政財界、宗教界や
大企業ではない別の流れの
各種団体の中に
中小企業家による 共済組織が
秘密裏に、あるそうですの。』


西の中心都市は、
戦前はこの国の経済や金融の
中枢だったらしい。
その都市に乱立するビルは
古いものも多く、

空から見ると
怪物の様だ。

その駅ビルの迷宮に潜む、
『陰の学校』への道しるべを
ようやく掴んだのは、

協力者の 財閥令嬢
住之江 繭子だった。



駅ビルを地下から入り、
左へと曲がる。
幾つかめの ビルテナントの
飲み屋街路地を左に折れた先に
結界が張られた
間口の小さな
このエレベーターで、
駅ビルの 『ある』
オフィスフロアに上がる。

戦後、西で最大の闇市があった
場所に、高度経済成長と共に
発展した 駅都市開発は、
この地域に、幾つも
高層駅ビルを建設させる。

昭和に建てられ、
それ以後どんどん 建て増し、
ビル同士の 階を渡して連絡通路、
地下街で 入り口を繋ぐ。

後から、継ぎ足し工事をして
膨らんだ駅ビル群は、
今となれば
その全容を知るものが
居るのか わからない
都市迷宮となっている。

そこに働くモノでも、
とりわけ 若い世代なら 特に
駅ビルの 上は 一生その迷宮を
知ることは無いと言う。

『陰の学校』

その存在を知るのは稀有で、
実際どれだけの事業者が
信じているだろうか?

迷宮化された 駅ビルの
隠された場所にそれは
あった。

1つ目のエレベーターを上がって
オフィスフロアに来る。
連絡通路を歩いて隣の駅ビル。

事務所並ぶ 廊下は
完全センサーセキュリティが
され、監視カメラが
ここだけで 30台配置される。
その一番奥。
非常階段のドアを、
特製カードキーで、
開ける。

非常灯に浮き出す 扉を入って

温感センサーと、顔認識対人
スキャナーがある踊場に
2つめの、エレベーター。

年季の入った 駅ビル達の、
少しレトロな雰囲気がある
これまでのエレベーターとは
格段違う真新しい。
エレベーターが、
非常階段の踊場に
出現する。

最新鋭の監視と、
陰陽結界にて作られた
これが、戦後から続く
サンクチュアリー聖域の入口。

エレベーターに
特製カードキーでタッチする。
外側にボタンは無い。

カードキーが無ければ
エレベーターを呼ぶ 事も、
動かす事も叶わない。

『陰の学校』入校の時、
必ず、理事と呼ばれる男性に、
入学者は諭される。

『決してそのカードキーを
奪われてはならない。』


手を組んだケイとマユは、
かなり綿密に国内を
『西山 莇美ーアザミ 』の
行方を探したが、
その足取りは 全く掴めなかった。

1年立った頃、
たまたま、かつてアザミが通い
マユが通う、女子学園の中等部に
外部入学した子女から
目から鱗な話を
マユが聞いたのだ。

『彼女もそうなるまで、
知らなかったらしいのですわ。
西の中小企業家倒産の時に
おける共済保険で、独自的に
子息子女を保護して、教育を
継続させる機関が あるのを。』

倒産による
夜逃げ企業家家族の
教育機関。
必ず開校されるわけではない
秘密の学校。

彼女はそこで一時的に
学業を修めて、
家業が持ち直した為、
学園に復帰したらしい。

『大分 無理をしてしまいましたわ
その場所を知るのには。
でも、華ねえさまの父上は
不動産で財を成した人物。その
痕跡を見つけましたの。ただ』

アザミのいる場所は
出口も入り口もない聖域
だという。

しかも、
その周りを 彼女の父親を
見つけるべく 大勢の闇の輩が
24時間体制で 包囲している。

質が悪い事に
アザミの容姿が、更に
その包囲網を厚くしていた。

オリエンタルな長い睫毛。
同じ女子でも見惚れる
『西山王の華』、

西山莇美、、せいざんあざみ。

成金お嬢様といわれるも
圧倒的オーラと
名家でない 謙虚さが清廉で
虜になるような美少女だと。

噂は債権者のみならず
下衆な輩も 群がらせていて。

『My road、、異常ですね。
この集まり方。上からみると
渦みたいに 車があるのが
わかりますよ。このビルは
一体何なのですか?え、ここに
着地するですって?!』

『My road!正気ですか?!
許可は、旋回まで!下降は
許可されていませんぞ!』

そして、ケイはヘリで
この駅ビルの上空にきたのだ。
屋上にある謎のプレハブ。
そこに
自国の射撃部出の護衛が
スコープで ターゲットの
少女と女性を見つけたと
昨日、連絡が入ったのだ。


「attack する。」

トリガーボタンをオープンに
「stand-by!!Get ready!」

航空障害灯が点滅する赤々、
定位置飛行になって、

「one!two!Descent!GO!!」

次の瞬間、

会える!会える!

ケイはヘリから 空中へ出て
真上から、迫る黄昏の街に
自ら
ダイブし、屋上に着地した。

Take me country アザミ!

屋上のプレハブ小屋は
電飾看板で、周りの建物から
死角になる。

「ここか。nice secret アジト だ」

蒸した暑さが こもる小屋の引戸を
静かに ケイは開けた。

At last、ジュン パ アザミ!

「・・・・・」

ビルの送電線から電気を
もらっているのだろう
クーラーが
回っている。

会う。Be sure to meet。

駅ビル群の屋上に建てた
プレハブの中は
電飾看板彩るネオンを
反射させて、
荒れていた。

まるで、さっきまで 生活して
いたような風貌に、誰もいない。

即座に、
ケイは アザミ達が 場所を
移動した事を理解して、

15階にある 屋上から柵に走って
下を覗く。

「In that hell ! 出たのか!」

どこに!!あの群がる中にか!

ここは
『陰の学校』の隣の屋上で、
下には 輩集まる カオス!!
と、
灰色で四角く追い立てられる
隣のオフィスフロアに目が
いく、

何か?が呼んだが?Windows?
アレは誰だ?!

非常階段の辺りに
知らない少女が 立っている!
ような気がして、
ケイの意識が 向くが、、

どこに!!いる!!

屋上を見回しで、
降りる術のない空間に
探す 華はなく。

ただ、ただ
ケイは箱庭に取り残されたと
気がついて、
「WAAあああああ AZAMIiiii、、」

もしこのattackで
アザミが 下界の輩に
hold 絡め捕られたら!

無数に伸びる食指な手に
落ちる華の光景が
嫌でもケイの頭に
渦巻き

ケイはビルの反響で、
帰ってくる 声に攻められながら
吹き上げる 声“を尚あげ続けた。

いかにも贅沢に、
広いエントランスから、
ロックガーデン調の中庭が見えて
都心を忘れる 空間を作っている。

アサミは、指定された時間に
ヒルズヴィレッジにある、
低層レジデンスに来た。

白と黒が基調のエントランス。
ゴールドのオブジェ。

コンシェルジュに
声をかけ、
エントランスソファーで、
迎えを待っているのだ。

手には、ティカを入れた籠。

せっかくだから、
コンシェルジュに聞けば
フィットネスに、
キッズルーム、それに
トランクルーム完備のレジデンス

週1回のルームクリーニングが
サービスされる、らしい。

手元のティカを見ながら
笑顔でさ
ペットも可だと教えてくれたよ。

家賃何百万の世界だよ!ムリ

説明を聞いてると、現れたのは、
執事姿のヤマモリさん。

後ろに着いて、
居住フロア用のエレベーターに。

ゴールドとマホガニー黒という
内装の落ち着ついた、
エレベーターを降りて、アザミが
驚いたのは 廊下の幅が
広くて3M以上ある事。

玄関の前には、さらにガラスの
自動ドアが戸別にある 防犯具合。

すべてがさ、
カードキーのセキュリティだよ。

入れば
中央に花瓶台のある
円形のポーチで。
スリッパへ履き替え
案内されるは、

通路奥の ドアのない開口。
そこを入ると、

ウオールの向こうに、
大理石タイルが貼られた
メインリビングがあった。

いかにもさ、ペントハウス
だよ。

広いリビングは、
木々を借景にした庭園に
囲まれているのが、窓の外を
見れば分かる。

モダンインテリアに、
陽の光が
ジャグジーの揺らめく波影を
反射させ 差し込み 明るい。

ケイは、ソファーの1人掛けに
座って、
ローテーブルに、幾つも
置かれた 海外の新聞を読んでいた

「welcome、アサミ。ヤマモリ
Thank Youだ。下がっていい。」

早々に、ヤマモリさんがさ、
胸に手を当てる礼を取ると、
下がってしまうよ。

仕方ない。

「ケイ、ティカ。外で見つけた
から 連れてきました。」

籠を差し出して、扉を開ければ
ティカがケイの指に乗った。

「やあ、ティカは Goddessだな」

ティカの仕草を、前髪から覗く
目を細めて、愛でながら、

「今日はアサミメイドのlunch
だろ?。楽しみだ。」

ケイが ほざくから、

「コンシェルジュでさ頼んだら、
いかが、ですか。ケイ様。」

ティカを 室内で 飛ばせるケイに、
一応進言してみるけどさ、

「『イソウロウ』の身分だから
な。ああ、Meal材はフリーだ」

あえなくさ、撃沈よ。
えー。はいはい。ヒビのお詫び
ですよね、どうせ。

アサミは予想していた展開に、
自分が持ってきた籠以外の荷物を
手にして、

「キッチン、 借りますよ。」

リビングから、
大きめのダイニングセットの
向こうに見えた、
アイランドキッチンに向かう。

大型オーブンに
レンジ、スチーマーもある。
隣にバンケットユーティリティ。

食器棚、冷蔵庫、クーラー。
バンケットと冷蔵庫には
ケイが言ったとおり、食材が
たんまり 入っていた。

「lunchメニューは?シェフ?」

ティカを肩にケイが来て、
アサミが
キッチンテーブルに並べるモノを
興味津々で 覗いてくる。

「本当は、 ヌードルファクト
リーも、 体験してもらおうって
、、考えてたんですよ、、、」

安静ってなったから、
それらしい
気分にでもなればと思ってと、
アサミが持参したのは、
自分で中身を選べるプレミアムなヌードル、
インスタントカップだった。

「そうか、instant noodleを生んだ
国は、この国だった。」

並ぶ カップに、具や麺、スープを
手にしてケイが 感心する。

「今は、インドネシア地域の方が
消費量は、、 多いですけどね」

冷蔵庫から、野菜やシーフード、
チキンを取り出して、
アサミは スチーマーを使う。
ケイは、スープの名前を見てる。

「トリュフスープ?凄いな。」

麺や、ドライフードの具、スープと種類があるので、取り合わせを
変えれて楽しいですから、
エビやチキンとか素材を足して
ラグジュアリーヌードルにしましょうと、ケイに説明して、

「あとは、温野菜と 生ソーセージ
でチーズ フォンデュにします」

と、手際よくアサミは ランチを
作り上げてしまった。

「アサミはシェフにも向いてる」

クッキングの間に、
ケイが1人掛けソファーへ戻り
背を預けて座っていたので、
アサミは、料理を
ローテーブルに並べて、
冷えていた
シャンパンを 開けると、
ケイが 感心の声を上げた。

「普通、独り暮らし、、なら 、
これくらいは、やりますよ。」

インスタントをね味整えたぐらい
スムージースープが見た目
いいし
材料がさ、いいんだよ。

「Wonderful!ヤバいな。」

アサミは、黙ってスマイル。

ティカが、食後に出したアサミの
フルーツを つつきはじめた
タイミングで、

「わたし、ヒビのお詫びで、今日
サポートに、呼ばれたんですよ
ね、、?でも、バトラーの、、
ヤマモリさんがいれば、困ら
ないと、 思い、 ますけど。」

ずっと思っていた事を、
アサミは ケイに投げ掛けるが、
返事はあっけなく 、

「ヤマモリは、外で依頼している
事がある。Outside workだ。」

そうですか。

ケイが、フルーツをつつく
ティカに手を伸ばして、
アサミのソファーに座ったから

「それは、失礼しました。あの、
食後の、飲み物 入れます。」

キッチンへ立つことを口実に
言うと、

ケイが アサミの肩に ティカを
乗せながら 続けた。

「アサミは、器用だ。アレンジに
長けて、無駄もない。だろ?」

それはさ、、そうかも。

「そして、Innocent、過ぎる。」

ティカが 肩から飛び立った途端
アサミの手首を支点に
体が下へと 回される。

コーディネートにこだわったろう
天井の照明が ケイの後ろに、
みえる 視界。
つまりさ 、押し倒されているよ。

「ケイさ、ヒビ入ってる割りに
元気ですよ、ね。嘘ついてる?」

案の定
物凄く悪い顔をしてさ、
ケイは 耳元で、

「悪いが、アサミの蹴りでは、
どうにかならないぐらいは、
鍛えてきた。ヒビもない。
悪いな Liarで。」

色気をも含んだ声で囁かれた
事実を聞いて

アサミは、反射的に、
片膝を立てて
ケイの体を押し上げ、
反対の足で、脇腹を狙う。のを、

ケイが 片肘で避けた瞬間、
そのままケイの体を足で挟んで
ソファーからケイの背中を
ローテーブルとの間床に
落とす。

「どこで 覚えた、動きだ?」

上下逆転を させて、
ケイが、アサミを見上げる。

「パーソナルコーチさ、 受けた
事も ある、それだけよ。」

アサミは、ケイの手で
自分の髪を耳に掛けられながら、
冷静に 応えた。

「いつまで、そのフェイク
スタイルでいる つもりだ。」

それが面白くなさそうに、
ケイは さらにアサミの目元を
やわやわと 擦って見つめる。

「一生かもよ。わかんないよ。」

「やめろ、やめればいい。」

止めれるわけさ、ないんだよ。
って、言おうとしたら、さらに
ケイが、アサミの腰を撫でた。

一瞬ぞくぞくっとした
感覚が上に登ってさ これは
いけないっ!てさ思った時よ、

『バシャーーーーーー、ン』

アサミの頭から体に、
氷水が 掛けられ、そのあまりの
冷たさに

「カッ、ハッ。」っとアサミの

息が詰まった。

水が飛んできた先を 顔を振り上げ
見たアサミが止まる。

視線の先には
いつの間に現れたのか
例の着物の令嬢が、空になった
ワインクーラーを 手に、

「貴女!ケイ様になんて、不埒な
事をなさるの!あるまじき その
姿、貴女、恥を知りなさい。」

苛烈な形相でアサミを睨み付けていたわけで。

要するにさ、この場所まで、
ノーチェックで通れる人ってこと
なんだよ。

それこそ、ノックもしないでさ、
入ってこれるほどのケイとの間柄
なんだよ。

アサミは、目を閉じてケイの
上から降りた。

ー今天并不总是与明天相同ー

今日が明日と同じとは限らない

『陰の学校』が入る
駅ビルは、
耐震工事を理由に 大規模な
建て直しをした 関係で、
迷宮化は整備されたと

ケイは自国で報告を受けた。

合わせて、
自国に 技術支援をしていた
中堅層企業や、NPO団体が
一斉に引き払ったとの
報告も受けて、

国王である父親から
ひどい叱責を受けた。

国際フレンドシップ制度も
更新はなくなり、
ケイ自身、すくなくとも
3年は この国に入国する
事を禁じられる。

「オレの action は Sanctuaryの
攻略modelになったと、、、」

聖域を壊滅させる恐れか。

以後『 陰の学校』は
どうなったのかは マユからも
連絡はなく、
アザミは海外へ逃亡したで
あろう推測がなされて、

その足取りを探す探索は
世界に広がり 7年。

最後の旅で再び訪れたこの国。
ー我上次旅行再次访问的国家ー


いかにも贅沢に、
広いエントランスから、
ロックガーデン調の中庭が
見えて都心を忘れる
空間を作っている。

ケイは、ヤマモリを経由して
アサミに この時間と、
ヒルズヴィレッジにある、
低層レジデンスに来るのを
指定しておいた。

白と黒が基調のエントランス。
ゴールドのオブジェで

手には、ティカを入れた籠を
持ってアサミはヤマモリの
案内で

ゴールドとマホガニー黒という
内装の落ち着ついた玄関を通って

中央に花瓶台のある
円形のポーチから
ドアのない開口を入って
大理石タイルが貼られた
メインリビングに来る。

いかにもな、ペントハウスに。

「welcome、アサミ。ヤマモリ
Thank Youだ。下がっていい。」

木々を借景にした庭園に
囲まれた窓の景色。

モダンインテリアに
陽の光が、ジャグジーの波影を
反射させ 明るい。

「ケイ、ティカ。外で見つけた
から 連れてきました。」

ケイは、ソファーの1人掛けに
座って、
ローテーブルに、幾つも
置かれた 海外の新聞を読んでいた

「やあ、ティカは Goddessだな」

思った通りに ティカが
アサミを連れて来たことに
ケイの片口が自然と上がる。

ヤマモリが、
胸に手を当てる礼を取ると、
下がっていった。

「今日はアサミメイドのlunch
だろ?。楽しみだ。」

ティカをケイの指に乗せて
前髪から覗く
目を細めながら、ケイがアサミに
告げる。

「コンシェルジュでさ頼んだら、
いかが、ですか。ケイ様。」

今度はティカを 室内で
飛ばせる。

「『イソウロウ』の身分だから
な。ああ、Meal材はフリーだ」

なら、
「キッチン、 借りますよ。」

そうして アサミは
リビングから
アイランドキッチンに向かった。

例えば、10年前にアザミが
没落する事なく、あの学園に
通っていたらと ケイは
考えていた。

「lunchメニューは?シェフ?」

ティカを肩にケイが、
キッチンテーブルに アサミが
並べるモノを
興味津々で 覗いてみれば。

「本当は、 ヌードルファクト
リーも、 体験してもらおうって
、、考えてたんですよ、、、」

自分で中身を選べるプレミアムなヌードル、
インスタントカップだった。

「そうか、instant noodleを生んだ
国は、この国だった。」

並ぶ カップに、具や麺、スープを
手にしてケイが 感心する。

「今は、インドネシア地域の方が
消費量は、、 多いですけどね」

冷蔵庫から、野菜やシーフード、
チキンを取り出す
アサミの後ろ姿を 追う。

次の年から 毎年、
ケイはアザミの学園に 交流に
訪れて、
地域ごとの産業や観光を
案内されて、顔見知りになって
いたはず、 だ。


「トリュフスープ?凄いな。」

ケイが パッケージを
見て驚くと、
アサミが
麺や、ドライフードの具、スープと種類があるので、取り合わせを
変えれて楽しいですから、
エビやチキンとか素材を足して
ラグジュアリーヌードルにしましょうと、ケイに説明する。

「あとは、温野菜と 生ソーセージ
でチーズ フォンデュにします」

手際よくアサミは ランチを
作り上げてしまった。

「アサミはシェフにも向いてる」

実際、それで親睦を深めた
メンバーもいて、
婚約する仲になったペアも
いた。

「普通、独り暮らし、、なら 、
これくらいは、やりますよ。」

アサミは、料理を
ローテーブルに並べて、
冷えていた
シャンパンを 開けると、
ケイが 感心の声を上げて、
料理を口にする。

「Wonderful!ヤバいな。」

But、アザミは あの学園から
消えて、10 years as it is 。

ティカが、食後に出したアサミの
フルーツを つつきはじめた
タイミングで、

「わたし、ヒビのお詫びで、今日
サポートに、呼ばれたんですよ
ね、、?でも、バトラーの、、
ヤマモリさんがいれば、困ら
ないと、 思い、 ますけど。」

ケイは、
フルーツをつつくティカに
手を伸ばして、さりげなく
アサミのソファーに座わる。

「ヤマモリは、外で依頼している
事がある。Outside workだ。」

If あの朝、bottle ship が
schedule のまま 港に着いていたら
オレは、まだアザミを
探していた。

そんな、取り留めのない事を
考えながら ケイは

目の前のアサミの、
いつも同じ 地味な服装と
眼鏡に カラーコンタクト、
ソバカスまでしている
メイクを眺めて
頷く。

Still アサミはアザミだ。

「それは、失礼しました。あの、
食後の、飲み物 入れます。」

アサミが
キッチンへ立つことを口実に
言うと、

ケイが アサミの肩に ティカを
乗せながら 続ける

「アサミは、器用だ。arrangeに
長けて、lossもない。だろ?」

ティカが 肩から飛び立った途端
アサミの手首を支点に
体を下へと 回わしこむ ケイ。

「そして、Innocent、過ぎる。」

しっかりとソファーに
アサミを股の間に縫い止める。

つまり、
ケイはアサミを押し倒した。

「ケイさ、ヒビ入ってる割りに
元気ですよ、ね。嘘ついてる?」

どんなにその目を見ても
アサミはオレを not remember、、
アパ ボレ ブワットけど、

「悪いが、アサミの蹴りでは、
どうにかならないぐらいは、
鍛えてきた。ヒビもない。
悪いな Liarで。」

色気をも含んだ声でケイは
囁やいて

どうするか?オレ?

一瞬ケイの思考に迷いが出た
隙を
アサミは見逃さなかった。
反射的に、片膝を立てて
ケイの体を押し上げ、
反対の足で、脇腹を狙う。のを、

「これか!ヤマモリが苦戦した」

ケイが 片肘で避けた瞬間、
そのままケイの体を
アサミが足で挟んで
ソファーからケイの背中を
ローテーブルとの間床に
落とす。

「どこで 覚えた、動きだ?」

上下逆転を させて、
ケイが、アサミを見上げる。

「パーソナルコーチさ、 受けた
事も ある、それだけよ。」

アサミは、ケイの手で
自分の髪を耳に掛けられながら、
冷静に 応えた。

「いつまで、そのフェイク
スタイルでいる つもりだ。」

それが面白くなさそうに、
ケイは さらにアサミの目元を
やわやわと 擦って見つめる。

「一生かもよ。わかんないよ。」

「やめろ、やめればいい。」

ケイが、アサミの腰を撫でた。
一瞬ぞくぞくっ
腰を引くように動かす
アサミの仕草に、
ケイがその顔に喜色を浮かべた
瞬間、

『バシャーーーーーー、ン』

アサミの頭から体に、
氷水が 掛けられ、そのあまりの
冷たさに

「カッ、ハッ。」っとアサミの

息が詰まった。

水が飛んできた先を 顔を下から
伸ばしてたケイは
視線の先に
着物のマユが、空になった
ワインクーラーを 手に、

「貴女!ケイ様になんて、不埒な
事をなさるの!あるまじき その
姿、貴女、恥を知りなさい。」

苛烈な形相でケイと
アサミを睨み付けているのを
見つける。

これは、but timing だ。

ケイは、
マユから隠すように
アサミを 抱えて バスルームに
連れて行く。

Sorry
まだ マユには Secret でいく。

ああ、薔薇を5本だ。そして

━我全是我自己━独り占めだ。

頭から冷たい氷水でびっしょりと
濡れたわたしだけど、

「淑女として、あるまじき、姿。
失礼しました、では、」

着物のご令嬢にさ、正面切って
出ていくつもりだったのによ。

「マユ、stay。ヤマモリ!」

ケイは、一言いいはなって、
「アサミは、バスルームだ。」

言うが早いか、人を米俵みたいに
肩にさ、担ぎ上げるのよ!

「ケイ!!下ろしてよ!帰る!」

全く動じないまま、ペントロフト
2階への階段を 担ぎ上げられて
来たのは
開放的なマスターベッドルーム。

「静かにしろ。落ちる。」

事も無げに言うケイの肩から
アサミが暴れて見まわす。

ベッドルームの窓からは
眼下に、ヒルズヴィレッジの緑
だけではなく、夜なら夜景が
楽しめそうなアーバンな風景。

放してよ!

「別にここで下ろしても?」

クイーンサイズのベッドを
目の前に、ケイが 面白そうに
笑ったけど、すぐに
通り抜けた先は、
隣のテラスビューなバスに続く
パウダールーム。

シューズロングソファーに
アサミを 座らせて、

「すぐ、シャワーをした方がいい
服はランドリーに出すから、
すぐ乾く。バスタブも使え。」

言いながら、クローゼットから
バスローブをアサミに投げる。

「いいってさ、あ、大した事ない
ですから、このままで帰ります」

言い直して、ローブもケイに
突き返すアサミを、ケイが忌々し
そうに見て

「その、underwear、見せて
アサミは、歩くのか?」

隣に ガッと腰かけると、
パウダールームの鏡に むかって
アサミに見ろと、仕草する。

うっー。服がさ、濡れて
下着が 透けてるよ。

鏡に 映る、有られもない自分に
ドギマギしてたから、

椅子の背もたれを、掴んで
ケイにワンピースのボタンを
外されたのにも 出遅れた!

器用に、上半身を剥がされて

「ランドリーに出す。このまま
破かれたくはないだろう?」

言うが早いか、今度は剥き出しの
ウエストを嘗められて

なっ。

アサミの腰が 思わず浮く。

それにあわせて、ケイは不敵に
口を弓なりにして
足からスルリと濡れたワンピースを抜いて、
「酷い、makeだぞ。」
言い捨てて 出て行った。

本当にさ、信じられない。

ワンピースは 濡れてたけど、
ブラショーツはセーフ。
秋に氷水はさ、
さすがに 少し寒くなるよ。

アサミは、意地をはるのを
諦めシャワーすると
ケイの言うとおり
剥げかかったメイクを流した。

「水をさ、掛けられるなんて、」

学園にいた時でもなかったよ。
泥棒猫か何を 追い出すみたいな
衝動なんだとさ 思うと

「惨めだよね。」

只でさえ時間のかかるメイクをさ
仕上げることも出来ず。

『いつまで、そのフェイク
スタイルでいる つもりだ。』

ケイの指摘が響く。

パパがさ、事業に失敗したのか、
恨みを買ったのか、何かに手を
出したか、蒸発してよ? 10年。
未だにどうなったか、
わからないまま。

『やめろ、やめればいい。』

10年してもう、大丈夫なのかさ?
やめても大丈夫なのか?よ

アサミは、手早く乾かせた髪を
1つにまとめる。

『アサミは何故 ウソをする』

会社への不利益はさ、10年の時と
パパがそのまんま残してた
地産でなんとかなったとしてよ、

「人の気持ちとか、恨みは?」

バスローブを着ておかなきゃ
いけないのかと、思ったけどさ
ワンピースが 乾燥出来ていたよ。
仕事が早いね。

ベッドルームを抜けて、
ロフトの吹き抜けから見下ろす。

あ、濡れたソファー。
別のにさ、変わってる。

『ケイ様、凄いですわ!なんて
素敵な サプライズでしょうか』

アサミがシャワーで居ない内に
いろいろ行われたのだと
思いつつ、リビングが
シアタールームみたいに
照明を落とされている事を
訝しむ。

ダイニングテーブル?

ケイと、マユと呼ばれた令嬢が
2人肩を並べて、テーブルを
見ているのを 見つけると。

早めにさ、出るべきだよ。
と思う。

「シャワー、お借りしました。
ご迷惑を、かけて すいません」

階段を降りながら、アサミは声を
かけて、とりあえず
自分の存在を示す。

テーブルを見ていた令嬢マユが、
アサミの声に 睨み捉えたら、
一瞬固まった気がした。

下へ降り、2人がいる
ダイニングテーブルに近寄る。

ティラミス?に、小人が 登ったり
降りたりするのが見え、、

マッピングマジックだ。よね。

令嬢の手土産にさ、わざわざさ、
マジックで喜ばせるんだよ。

テーブルを見つめるアサミに。

「服も乾いたな。アサミ本番だ」

ケイが、指を鳴らす。
ペントハウスの広いリビングが、
海の中に沈んで
天井から 壁、床面に 海が投影
される。

「これ、最初のプレス、
ショーの 、海? 」

走るような映像が、部屋を
船に変える。

「祖国の海だ。
キャンプアースで世界中を
廻ってもThe most beautifulだ」

投影される水面が
朝の光が煌めく海面、から
飛び魚が 群れなす 昼の海になると

ケイは眩しそうに、光景を
眺める。

そして、星降る夜海へなると
たちまち光の粒子が
床から吹き出し、壁から
天井へと充満する。

『バシュッ!!』

炸裂する破裂音とスモークから

白い鳥、ティカ達が室内を
飛び回って、アサミの肩に

ティカが留まった。

リビングが、ゆっくりと
部屋へと戻っていけば、
ケイが手に薔薇の花を持って
アサミの前に立っている。

「コンダクターは、明後日に。
それが Last tourだ、アサミ。」

ケイの後ろに、離れてるけどさ
こっちをジッ見ている 令嬢マユが
見えるけど。

それでも、もう観念しているよ
そう、
わたしは、好きになってる。

差し出された、5本の薔薇を
躊躇いながらさ、

頭に浮かんだのは
そんな 曖昧な気持ちと

明後日が Last tourだって
焦燥感だったんだよ。


秋は黄昏マジックアワー。褐色の王子と恋愛混合二重奏

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