あれ?なんでわたし
こんなに??? なんだろう、、
派遣してもらう人員打ち合わせを
早々に終わらせて、
まだ開店間もないモールへ。
アサミは 目処をつけている
和菓子店に向かうつもりだった。
けどさ、
きっと、アレは ケイだよ。
あ、言い方が 違った。
昨日、
『ヒーローとして現れたケイ』の
その次の日の 姿をモールで、
見てしまった。
と思う。
だってさ、
イリュージョニスト・ケイは、
黒のスーツに、ネクタイ姿で、
前髪も艶やかに整えてよ
まあ、見ようによっては
どこかの若頭風だけどさ、
着物の 大和撫子ご令嬢と歩いて
いなさるわけよ。
それは、もう、和やかに
周りに眩しい オーラ飛ばして。
これはさ、
ショー・アーティストとして
セレブに ゲスト扱いでも受けて
るんだろうよ。
なんだ、もう
ちゃんと ミスユニバースみたいな
ご令嬢に案内されてるじゃん。
ふーん。
じゃあ このモールは、
ツアコン先に、使えないかあ。
声も掛けずに、わたしはさ
テナントの横から ケイ達が
通り過ぎるのを 待つしかない。
お嬢様の着物を見れば一目瞭然。
仕草をみれば、サラブレッド確定
淑やかだけど、瞳を見ればさ、
あれは、、、。
お嬢様達を挟んで、セキュリティ
さえ付いてるもんだから。
レジデンス宿泊を提供できる
ぐらいのご令嬢に、ケイはさ、
見初められたんだろうよ。
これでもさ、『元成金没落令嬢』
なんだよ、わたし。
あの着物が どれだけ高いか
想像できるし、でもって、
生粋の女子学園育ちだからさ
あーゆー、
恋する乙女の瞳ってやつ、
全然知ってるよ、、
良かった。
下のデスパッチセンターで
派遣主任のヤマモリさんに、
海外の友人にツアコンするなら
何処が良いか、
聞いといてさ。
じゃなきゃ、今からまたさ
ツアコン場所探さなきゃだった。
まあ、そんなわけでさ
わたしは、そのまま手ぶらで、
バンケットオフィスに
戻ったわけ。
それからは、
バリバリ お仕事して。忙しく
没頭してたからさ、
夕方を 迎えた頃には、
なんか モヤモヤは
忘れてた。
オフィスタワーの
エントランスホールは
今だけ 一時的に開放されて、
ペットボトルシップの展示を
フリーで鑑賞できる。
どこかの大学生達だよね、
ゼミで見学に来ていて、
あーだこーだ、
レポートを書いたり、
写真撮ったりしている。
そんな学生に 混じって、
ケイは待っていた。
今日の黄昏時は、
ぐっと 気温が下がっている。
その証拠に、ケイは
白の長袖トレーナーに、
濃紺Gパン だった。
昼間のオーラは 何処に、
ぼさぼさ伸びっぱなし髪に
眼鏡をかけて、
冴えない感は 満載だ。
とはいえ、
自分も、似たような地味さだし。
普段は こんな引け目なこと、
思ったりしないのにさ。
やだやだ。
「アサミ!お仕事お疲れ。
今日から、コンダクター
ヨロシクお願いする。楽しみだ」
学生達に紛れて ケイが
スマイルで手を振りながら、
やって来る。
「じゃあ、クライアント様。
依頼の、最初は、Japan trip。
秋の催しに、ご案内します。」
アサミは 硬めな 会釈をして、
アドバイスをもらった先に、
不審者ケイを リードした。
ヒルズヴィレッジからも
遠くない場所。
この国の 政治経済の中枢場所に
緑が広がる一角がある。
高台にある社は、
ライトアップで、淡く灯され
ゲストを迎える。
もともとは、
琵琶湖畔の霊山守護する
お山御神体の信仰であり、
明治天皇が、
東の都に 居住する際、
『王の城、皇居を中心とす首都』を守護する社とされた場所。
摩天楼に囲まれてるだけあって
企業の信仰集める神社でもある
彩飾鮮やかな社。
拝殿の天井草花面や
千本鳥居、
神輿が昇る男坂が みどころ
だが、
この日は
仲秋の名月の下
いかにも 日本的な太鼓や、
管弦 菊の花や刀を使った
巫女舞が 厳か行われていた。
他にも有名な観光寺社仏閣も
あるけど、今日なら、
ここにして正解だと
アサミは ケイと並んだ 席で思う。
『雅楽』は日本と
アジアの音楽が融合した、
最古の音楽で、
交流的な ツアコンなら
もってこいの儀の日だと、
ヤマモリさんが 教えてくれた。
その
アドバイスが効を成したわけ。
奇しくも
ここは、『山王』信仰。
自分の真の名前。2つ名を思う。
アサミには 身近な社だったのも
選んだ理由。
秋の夜空に、
笙の音が響くと、満月が冴えて。
10はある演目の切れを、
森の、虫の声を余興と、
野外舞台の 幕間に聞く。
巫女の舞方が、動から静へ
刀がぴたっと 重なり合う瞬間は
時間が止まる。
そんな
途切れ途切れの流れの
端々に、ケイの横顔がある中
ふいに、
み垂らし月団子の先端が
口に入れられて 驚いてしまう。
悪戯が成功したと
音なく笑って、
『シーッ』と指をたてるポーズを
する、眼鏡の ケイの顔がある。
お月見団子はさ、
さっき ケイが鑑賞の合間にって
買ってた、ヤツだけどさ、
上の一個を串ごと
口に入れられて、残りを
ケイが横にな切るみたいに
自分の、口に、齧り
入れてしまう わけよ。
なんだか 。
次第に盛り上がる 『冬明楽』
4人舞の鳥兜が 2対2、
完全に動きが リンクして
観客全員が 舞台に心を 奪われた
次の 瞬間
ザーーーーーーーー
五十鈴を鳴らして、、風が
境内を 秋吹いて
観客の髪をぉぉ 乱す、、。
バレッタ!! 弾けて長い髪が
無様にぃって広がってしまった、
自分の髪を ハタ押さえる
アサミの 頭を
フワリと、撫でた感触は
ケイの手で作られた
温度で、
アサミは柄になくそんな空気に、
惹き込まれていた。
なんだかさ、
魔術師、恐るべし。
Why?
何故、マユの前にこの男に
ガンカケの話をするハメになる?
ケイの目の前に
悠然と座りながら
一分の隙も見せない男。
企業研究所の所長というには
若くて無駄にイケメンだ。
Sharrock こと ハジメが Dirと
呼ぶが 『Nobleman of ice』が
似合いだろう。
しかも、かなり、デキル。
キレナガのeyeはeasyでも
Trained bodyを そのsuit隠して。
じっと、ケイの左手中指を
見つめる眼差しに
居心地の悪さを感じながら、
ケイは、この中指のモノの
話を、始めた。
「Dir レンも旧知、ハジメに
power spot storyを聞いて
climbing 『ガンカケ』で
手にした ringだ。」
そして、左手の中指を示せば、
龍の紋様に『不動尊守護』と
刻印された銀 の願掛け指輪が
光っている。
「わかりました。そのまま続けて
ください。カイザー王子、いえ、
イリュージョニスト・ケイ。」
長身の体をスッキリ姿勢よく
向かいのソファーに沈めて、
ニコニコと微笑みながら
指を組んだ膝の上で、
交差組むポーズの
『氷の貴公子』に、
ケイは ハアーっと 溜息をついて
話をする事にした。
芸術祭が開催される島の1つ。
には島遍路ができる場所が
ある。
厳しい霊場で、難所や、
山岳寺院も多く、さながら
バーミヤンの石秘仏のような
パワースポットや、
海洞窟を思わせる社も
ある中
ハジメが ケイに勧めたのは
断崖絶壁にある寺だった。
本坊から、とにかく長い
石段を登り ようやくスタート。
「My road!本当にこんな場所を climbing で行かれるのですか?」
ケイの警護人が 思わず声を
上げる。それもそのはず。
「そう、らしい。」
目の前には ほぼ垂直に立つ崖。
岩場に 一応鎖がついているが、
一見にして 酷い急勾配だ。
ハジメいわく。
本来の修行は 鎖なしの
ボルダリングで上がるらしい。
「Impossible !!です!!
My road!
chainを使いましょう!」
なるほど、chainを使えば
目の前の推定90代ladyも
climbingしているのだ、いける。
「ここは nice trainingになるぞ」
「NO!『ガンカケ』にtrainingは
要りません!と、しましょう!」
只でさえ、下から上がってきたのですとか、なんとか
文句を言う護衛を無視して、
ケイは
先に登った 90代ladyの所作を
真似して、
参道入り口にある、
金色の鐘を鳴らして、
「今カラ オ参リサセテモライ
マス。ヨロシク オ願イシマス!」
と挨拶をして、
鎖に手を掛けた。
鎖を持ちながら、
ほぼ垂直の岩場を見回すと、
足を掛けれそうな場所が
ちゃんとあった。
「これは、帰りのdown roadが
キツイversionだな。くっ、おい
下を一緒にgripすると、上がり
にくいぞ。Oh!揺らすな!」
いつもなら影で任務を遂行する
護衛が、今は 影も何もないと
一緒にクライミングする。
下から遍路の読経を読む列が
上がってくるのが見える。
噴火でできた高い山の断崖絶を
登る修験の場。
風に煽られ 天空に祈りの声も
昇る。
はじめの試練を登ると、
不動明王が置かれていた。
「So that you can climb safely」
ケイはその前で安全祈願をして、
さらに
並ぶ子育て地蔵の前を行く。
ここからが後半、
2つ目の岩場だ。
見上げれば
『いろはうた』なる石板が
横にある。
余りの勾配に、根を上げない様に
少しでも気を紛らせれる
配慮らしい。
それだけ、下から順当に上がれば
本殿の前に立ちはだかる
崖は絶望的になるだろう。
本来の修験は山の麓から
始まり、足で登るが、
今は金の鐘まで車で来れるのだ。
「本殿への道はここだけか。」
とはいえ、
勾配は相変わらずキツくても、
中央には鉄で出来た
手すりをつたって登れる。
例え寺の納品があっても、
ここから人力で上げる
スリル満点な岩場を
ケイは護衛と
黙々と 登り切った。
そこには 崖沿いに石橋や、
崖に石仏が添えられた
暗い洞窟の入り口がぽっかり
空いている。
ここをくぐり抜けて
行かなければならない
これが本殿の入り口だからだ。
洞窟に入ると 撫でる仏が
鎮座して、その下には
木をくりぬいた六角形の木枠が
入った穴
『くぐり岩』と入り口にあった
『幸せくぐり』と呼ばれる穴が
見えた。
「『タイナイメグリ』とか
ハジメが言っていた 穴だな。」
産道を意味するこの場所を
抜ければ「滅罪招善」である
とされ、
幸福な縁に結ばれる。
穢れを落とし、生まれ変わる。
厳しい試練の先にだけ
辿り着ける霊場の利益だ。
ケイが入ろうとすると、
電気のスイッチを見つけて
撫で仏を照らして 祈っていた
護衛が
「しかしMy road。我々の体では
穴につかえてしまいます。
Impossible です!NO attack!」
と慌てる。
「いや?ここまで来たらクグル。
つかえれば、引き出せ。行くぞ」
ケイは柔軟な体で、体躯良く
抜け出して、仏に合掌。
それから 護衛が肩を上手く
かわし抜けるのを
腕ごと 引き出した。
洞窟を出ると
標高の高い景色が
広がる景色とあわせて、
すぐ本殿に出た。
「My road!素晴らしいですな!
足場が狭いですが、自然と
恐怖より mother powerに
守られいるようでございます」
薄暗い本殿から 光る、
外の景色は
広い空と緑の山合間に
棚田の里。
抜けた洞窟と相まって
より鮮やかに焼付く。
瀬戸内の海も一望できる眺めは
清廉とした
空気で、仙人さえ感じる。
「Island protected by Godだ。」
自国とは違う風景は 雲の上だ。
ケイは 護衛と暫し楽しむ。
本殿には、
岩場をくり貫いた中に
仏が祀られて、
その横に目当ての
『願掛け指輪』が売られ
ケイは 蝋燭を供えて
祈る。
ずいぶん romantic prayer だ。
ケイは自分に苦笑して
ようやく ハジメに聞いた
評判の銀の指輪達と説明の前に
足を止めた。
右手の親指
不眠、心の安静。
人差し指ー学業、進歩栄達。
中指ー忍耐。苦しみに耐え抜く。
薬指ー厄除け。戒めで魔が退ける
小指ー健康運。病気災難断絶。
左手の親指ー智慧を得。
入学・入社運。
人差し指ー勝負運。力を得。
中指ー良縁。願いが叶い。
薬指ー商売運。財産を得。
小指ー開運。恵みを受。
ケイは当然 ククッと笑って
純銀の指輪を左手中指にはめる。
「Marriage hunterだからな。」
願いが叶えば
指輪は返しに来る。
本堂の外陣には
役目を果たした指輪が
山と積まれているのだから
効果は期待できそうだ。
住職が 2人に声を掛けてくる。
きっと外国からのゲストだと
会話で解ったのだろう、
この場所は
88箇所ある島遍路の 73番札。
72番の寺の奥の院になり、
次の74番には 歩き遍路なら
途中の子育て地蔵の場所の奥に
鐘楼堂があり、
その奥の 88石仏など
山仏や不動明像に
見守られる 道が
続いていると 教えてくれた。
「このprayer groundは ほんの
一分なのだな。オレは それを
切り取っただけのvisiterなのか」
住職に 護衛にスリンを吹かせても
いいと了解を得て、ケイは
スリンー竹笛の音を奉納する。
『シャクハチ』みたいな音色だと
いわれながら
神聖な寺院であり霊場。
祈りを捧げる厳粛な場所で
嵌めた 指輪を
ケイは 再び 目の前の
『氷の貴公子』に示して、
真っ白い歯をニカッと見せて
満面破顔した。
How did you come ! Dir レン!
「 It's late !マユ!
何時まで 付き合わせる!
お陰でmeet troubleだ」
しかも、やっぱりshopping mallを
見たいからescortに降りろだ?
guardしろ?サンザンだ。
「オレを誰と思ってる。
Never walk with me again!
ニモツモチサイテーだ! 」
Maikelにも、マユにもな!
ヒルズビレッジにある
オフィスタワーの
エントランスホールは
今だけ 一時的に開放されて、
ペットボトルシップの展示を
フリーで鑑賞できる。
今日の黄昏時は、
ぐっと 気温が下がっている。
その証拠に、ケイは
白の長袖トレーナーに、
濃紺Gパンで、左手中指に
リング 。
「Dir レンも、don't understand だ
ring story なんか楽しいのか?」
どこかの大学生達が、
ゼミで見学に来ていて、
あーだこーだ、
レポートを書いたり、
写真撮ったりしている。
ふとケイも 電話を鏡変わりに
映る自分の姿を確認する。
ぼさぼさ伸びっぱなし髪に
眼鏡をかけて、
冴えない感が満載で
「OK。Looks normal だな。」
エントランスで
騒ぐ 学生に 混じって、
待っていたいたケイは
丁度仕事を終えて出てきた
アサミを見つける。
「アサミ!お仕事お疲れ。
今日から、コンダクター
ヨロシクお願いする。楽しみだ」
学生達をかき分けて ケイが
スマイルで手を振りながら、
近づけば、アサミが
「じゃあ、クライアント様。
依頼の、最初は、Japan trip。
秋の催しに、ご案内します。」
硬めな 会釈をして、
ケイに
ヒルズヴィレッジから そう
遠くない場所を 示した。
『ヒャアアアアーーーーーン
ヒャアァアアアーーーーン フヨーォォォォォォオオオ』
秋の夜空に、
笙の音が響くと、満月が
一際冴えて見える。
「この国の Central government
近くに こんな Sanctuaryが、、」
高台にある社は、
もともと、
琵琶湖畔の霊山守護する
お山御神体の信仰。
明治天皇が、
東の都に 居住する際、
『王の城、皇居を中心とす首都』を守護する社とされた場所で
企業の信仰集める神社、
男坂や、千本鳥居。天井絵が
有名だが、
今日は
彩飾鮮やかな社は
ライトアップで、淡く灯され
ゲストを迎えていた。
仲秋の名月の下
いかにも 日本的な太鼓や、
管弦 菊の花や刀を使った
巫女舞が 厳か行われている。
『ヒャアアアアーーーーーン
ヒャアァアアアーーーーン フヨーォォォォォォオオオ』
巫女の舞方が、動から静へ
刀がぴたっと 重なり合う瞬間は
時間が止まれば
野外舞台の 幕間に 森の音。
「Jungleの音がしそうで、
Nostalgicさえ感じるな。」
雅楽の音色も、どこか
自国の音楽に近く感じてくる。
ケイは 途切れ途切れ 何かの
端々に、アサミの横顔を
盗み見た。
どちらにしても ティカが懐いた
眼鏡に地味な彼女。
に、見える。
明らかに 瞳の大きさを変える
コンタクトは、怪しい。
もっと違う表情が見れれば。
さっき 買った、
み垂らし月団子の先端を
ケイはアサミに
悪戯と口に入れて
食べさせる。
自国では 婚前はプラトニックが
前提。
一線を越えるどころか
キスも しないのが
良しとされるから
Say ahhnの行為はお手のものだ。
「!!!」
アサミの驚いた顔にケイは
成功したと
音なく笑って、
『シーッ』と指をたてるポーズを
とる。
上の一個を串ごと
アサミ口に入れたら、
残りを
ケイが横にな切るみたいに
自分の、口に、齧り
入れてて 満足げに笑う姿は
その実、捕食しようとする獣。
独占欲の強い国柄だ。
だから、相手への アピールは
厭わない。
「・・・・・」
ドギマギしつつ
口に入れられたモノを咀嚼して
アサミ が 再び野立舞台に
視線を戻すのを、
改めて ケイは笑顔で 見つめる。
舞台は
次第に盛り上がる 『冬明楽』
4人舞の鳥兜が 2対2、
完全に動きが リンク
まさに 神聖な山場を迎え
観客全員が 舞台に心を 奪われた
次の 瞬間、、
『ザーーーーーーーー』
五十鈴を鳴らして、、神風が
境内を 秋吹いてぇぇ
アサミと
観客の髪をぉぉ 乱す、、。
アサミの髪飾りが!! 弾けると
長い髪が 煽られて ブアーーー
広がってしまう。
?!!
そんなアサミの耳から首が
真横で見え、
ケイは 思わず髪を 押さえる
フリをして
アサミの 頭なぞる。
フワリと、リングをつけた手で
撫でた頭のラインと
顕になる耳首の形に
自分の身体の中から
籠る熱が動いて
10年前の彼女のラインと
重なった。
間違いない。
ケイは触る手から
温度を通じて
記憶の感触を 咀嚼する。
出来れば あの日と同じ様に
触れさえすれば。
『すぐにでも、ソコから
齧りつきたくなる衝動だ。』
ケイは 神風に 煽られる
アサミの髪が 揺れる
横顔に
固唾を飲んで
惹き込まれていた。
━住之江 繭子の青春日記より━
海と山見える都市に佇む
旧居留置街は
歴史的にも 異国情緒あふれる
坂道の街。
わたくし住之江 繭子が通います
学園は、幼小中高短が完全に
一貫しました子女学園で
ございまして、
その青春の時を
全てその場所で過ごしましたの。
わたくしが、
学生会の学年会長を
務めてまいりましたのは
やはり、財閥一族の娘だから
でございますわ。
その様に公の場を司る
責務は古き時より常ですもの。
首都圏では考えられない
山麓を取り込んだ 広い敷地。
17年も学友と共に成長します
学舎は、
同じ学年の皆様とは、
幼なじみ、姉妹と言って
差し支えございませんわね。
そう、
ソウルメイトになりましょう。
レンガが緑に映えるよう
建築家が設計した
スパニッシュミッションの
校舎に庭園、噴水は
文化財。
ああ。
外部入学もございますが、
クラスが別れておりますもの、
17年のヒエラルキーは
伊達でないモノになりますわ。
あら、ですけど
学年の家族意識が強いで
ございましょ?
イジメとか ちっぽけなマウントは
生まれませんのよ。
あまり知られてませんが
首都の高級住宅地のモデル
になった
モダニズム文化の地が
わたくし達の
母校の地域でございますの。
誰もが誇りを持ってますのよ。
もともと 家の立場が
ございますけど、
それが大前提のお話。
本当にどこを切り取っても
絵になるような
学園での日々。懐かしい。
学園にいる間は ソウル姉妹と
してシガラミに
囚われる事なく
娘時代を謳歌できますの。
ただ、例外というのは
ありますものね。
学園にも 密やかに
上下学年関係なく 憧れの
御姉様や、可愛らしい子は
ありますのよ。
わたくしの2つや
1つ上の学年には 『花さま』と
呼ばれる、素敵な方々が
いらっしゃいましたの。
その中で取り分け
人気あそばしたのが
『華ねえさま』ですわ。
まさに あの年は革命の時。
中学の外部入学で入っていらした
『西山 莇美 せいざん あざみ』様
お父様が不動産で頭角を
現され風靡を起こされましたわ。
言い方は好ましくございませんが
成金と仰いましたか?
よくその様な外部入学の方は
ございますの。
華ねえさまは、
凛々しくも スレンダーな
長身のお姿
男装の麗人のごとく。
釣り上がった瞳に
スッキリと高い小鼻が
普通の男子より
よっぽど 格好が宜しくて。
ジュニアのボールルームダンス
大会で優勝されるほど
ダイナミックなダンスを
舞踊されますの。
皆様たくさん コールで応援を
いたしましたものです。
もちろん 華ねえさまは、
レディパートですわ。
パートナーさまは
地域交流先の男子学生と
組んでいらしたの。
周辺大学様などにも
サークルで社交ダンス部も
あったりしますもの、
地域としましても、
小さい時から
お稽古されます習慣も
ございましたの。
でも
うふふ、
お相手の男子など
皆様目もくれなかったですのよ。
だって、普段は男装の麗人なのに
ダンスの時は
まるで 戦いの女神が降臨
されるんですもの。
全ての瞳が その舞踊に
釘付けですわ。
あら、それで思い出しましたわ。
忌々しい。
当時は盛んに海外交流が
ありまして、わたくしどもの
学園は、港都市にございます
でしょう?
ミッションスクールとしての
歴史も長く、語学も何ヵ国と
堪能な姉妹生も多いものですから
交流の受け入れもよく
してましたけれども。
あ、こちらがチャペルですわ。
礼拝の場所はよく
セレモニーに使いましたわ。
王族や、貴族といった
諸外国交流は、男女共に
受け入れがございましたの。
そして
こちらが講堂。
素敵でございましょ?
アーチ形の開口部に
ベルベットの幕で、
レトロモダンなステージが
印象的で わたくしも
大好きな場所でしたもの。
クリスマス礼拝などは
なんとも静謐ですわ。
学園にはツリーも飾りますし
正門にはイルミネーション、
このシャンデリアにも
柊の飾りがされますの。
あらあら、
お話が飛んしまいましたわ。
こちらをダンスホールに
デモンストレーションを
あの時も
行ったのですわ。
ええ、わたくしも踊れますわよ。
お恥ずかしくも
嗜み程度ですが。
まあ、本格的な社交ダンスでは
ごさいませんわよ。
短大には舞踊専科ございますし。
紳士淑女の舞踏会では
必要な礼儀でもありますから。
そうですわよ、
デモンストレーション交流で
ハプニングがございましたの。
もともと本格的ダンスの
交流は予定してましたわよ。
ですけど、あんなに
交流の、お相手が男子ばかりは
初めてで、それにお相手は
階級を、お持ちでしょ?
普段なら学年会委員が
パートナーをいたしますのを、
本格デモンストレーションに
なってしまいましたから、
華ねえさまに
姉学年会が
お願いを、してしまいましたの。
これが間違いでしたわ。
そもそも、何故
わたくし達『華親衛』にまず
話を通されなかったのか
理解に苦しみますわよ。
失礼。
わたくし 住之江 繭子は
西山 莇美こと 華ねえさまの
学園 ファンの会 の節度を
統率します 『華親衛』の
会頭ですのよ。
あの頃の
華ねえさまの人気は
凄まじく、学年代問わずの
嵐が如く。
華ねえさまの下足入れや
お荷物入れに、恋文が散乱
しましたのよ。
それが始まりでしたわ。
学内環境に影響が
出ましたので、仕方なく
恋文の窓口を
中学年会で設けましたら、
なんということでしょ!
下の、可愛らしい方は
小学園の5年子女から
上は短大1回姉子女と
文が入れられてますのよ。
本来は、
小中短は 敷地が異なりますし
関係敷地しか立ち入り
できませんのに!
あらあら、またお話が飛んで
しまいましたわね。
とにもかくにもですわ。
華ねえさまが、
海外交流王貴族の男子どもを
パートナーに
デモンストレーションダンスを
披露したのですわ。
それはもう、
皆様詰めかけて、
ご覧になられて 大変で。
その中ですわ!
あの腐れ王子が
あろうことか 華ねえさまの
ご神体を 不埒に触られたの
ですの!!
講堂のわたくしどもは、
それを見逃すはず
ございませんの!あのクソ王子!
天誅ですわ!!
わたくしたち女子を
なんとお考え?
よりにも 我等が華ねえさまに?
そう殺気立った時ですわ、
華ねえさまが、
実に鮮やかに 美しいおみ足の
高い高いピンヒールの
踵を 不埒な真似をした
パートナーのくず王子の足の甲に
思いっきり踏み下ろし抜き
ましたの!!
ざまーですわ!
ええ?
その後ですの?余り覚えて
おりませんわ。
だって講堂は お相手男子が
抗議に華ねえさまに
詰めよりましたから、
もうわたくしども姉妹生も
黙っていられず、
大乱闘になりましたもの。
おほほ、
わたくし達を 甘く見ないで
頂きたいわ。
やるときには、やりますのよ。
だって仕方ございません
ことよ。
あの中には、当時組長様される
子女もいらっしゃったの
ですもの。
楽しかったですわ、。
あらあら、いけない。
もちろん 後程正式に
華親衛の会頭として
バカ王子に抗議に参りましたわよ
そしたら、
あのタコ!華ねえさまに
直接謝罪するから
逢わせろとか 世迷い言を
いいましたから、
一昨日きやがれ セクハラ王子!
と追い出しましたのよ。
それが、何故
10年もの間、あんな
ストーカー王子と行動をともに
しているか?で
ごさいますか?
諸事情が ありますのよ。
それに、
まあ 何ですわね。
昔はですのよ、
あのヘンタイ王子が 身体が
スレンダーな頃は
華ねえさまの 身体つきと
少し似てらしたのよ。
だから、
華ねえさまが、お隠れなさって
麗しの姿が拝見できない
さみしさから、
交換条件で 手を組みましたの。
カイザー王子に、
華ねえさまのお姿に
なって、
舞踊していただくという
条件で、
華ねえさまの捜索を協力すると。
でも ここ何年かは
それは無しですわ。
王子の身体が どんどん
変わりましたもの。
まことに 残念ですわ。
『アサミ姫は、
件の イリュージョニストと、
一体、どういう 関係なのだ。』
次の日の午前中。
かかってきた、電話の向こう
から聞こえたのは、
不機嫌なさ
ダレンの声だったんだよね。
もしかして ダレンってさ
昨日ケイと出掛けたのも
知ってるわけ ?
怖いよ。え、違うみたい。
『別に、、ただ、 何処か観光。
見れる所、 紹介、頼まれた』
おずおずとさ、 答えておくけど。
ケイトウならまだしも
ダレンから わざわざ通話って。
最初、だれ?って
躊躇したんだよ、これでもさ。
『イリュージョニストから、
アサミ姫に伝言だ。約束の
ランチタイムマジックを 披露
してくれるそうだが?
どうやら、我々にも 礼がてら
同席の許可が出ている。』
ダレンってさ、こんな押しの強い
、、タイプなんだ
なんでケイは、ダレンに連絡
したんだろうって思うけど、
もともとはさ、ハジメさんから
窓口を受けて、なんだった。
忘れてたよ。
『とりあえず、ランチタイムで』
わたしはさ、早めに、
切り上げの言葉をダレンに
投げる事にしたらば。
『場所は、庭園茶室だ。』
端的に、カンって投げ返されて、
今に至るわけ。
↓↓↓↓↓↓
「アサミ!!マイガッ!これは
ミラージュ、Why??」
隣にいるはずの、
ケイトウの狼狽えが半端ないし、
「騒ぐなケイトウ。スモークだ」
そのまた 向こうにいる
ダレンの顔さえ、わからなく
なりつつある これって
スモーク!!
「ダレン!NO!
エマージェンシーレベルですわ」
ハハ、確かに、
茶室に入るなり、突然
かーなーり、濃い霧になって。
ここは本当に、お昼の 日本庭園
なのかってぐらいに、
隣のケイトウ達が
一瞬、見えなくなった。
前後不覚、視界不明瞭。
ドクドクと
心拍数が上がるのが 自分でも、
分かる中
ユラリと 濃霧の空間に、
いつくもの人影が
伸びれば、わたし達
3人を 人影が並んで取り囲んで
ギョッした。
視界が奪われると
鼻腔を くすぐる深い薫りが
より強くなる。
「白檀の薫り」
ダルンが 低く呟くと、
横笛の高く細い音色が
霧の中に 聞こえてきた。
パタタ
風が 扇がれて
空気に、道の流れが出来る
のが わかる。
フア~サ~ッ~
霧が 左右に別れ、空いた空間。
庭園に 『和笛』を吹きながら
すくッとたつ
黒のローブ姿のマジシャンが
シルエットから 現れた。
しかも、その
傍らには ギロチン台がある
のだから 三度 驚く。
「Uwu!?」
アサミの隣で、ケイトウが
体を強張らせて、おののいた。
ローブのマジシャンは、
横笛を、バトンのように
くるくると回しながらも
ギロチンの周りを
一周する。
そして?
空中から取り出した
一輪の『桔梗花』を スッと
銀光りする、ギロチンの歯に
当てた、れば
『桔梗花』の頭が、ポトリ
と落ちた。
霧めいたモノトーンの世界に
『桔梗花』の 鮮烈な青紫が
目に残る。
少しずつ辺りにまた、
霧が上り始め
ローブのマジシャンは
自分の首に
赤い布を巻き付けた。
静かに、屈んで
ギロチンの首置きに 自分の顔を
こちらに
向け 首から上を出すと、
横笛を奏でる。
間髪入れずに、 ギロチンの歯が
『ダン!!!』「ひっ」
と、落ちた。
ゆっくり 屈がめていた 体を
起こす動作。
もちろん、そこに頭はなく。
首の辺りに
巻かれた 赤い布より、
上には 空間がある。
マジシャンの頭は
首置きに乗ったまま。
頭と胴体が
切られ離れてしまってる。
そう、見えた。
首なしのローブ体が、
そこに 立ち上がる、異様な風景。
次第に、
グリーンのレーザー光線が
首なし体から
発光されて、さざめいた。
再び、首なし体が、
切られた マジシャンの頭に
持っていく。
グリーンの光が 更に放たれ
目がくらむ間に、
また濃い霧に覆われる。
笛の音色、霧の中から
聞こえてた。
『ブアッ!』
茶室に 爆風が吹き込むんだ!!
たちまち
濃霧とギロチンは 泡と消えて、
そこには、
『桔梗花』を胸にあて、
礼のポーズをする
ローブのマジシャンが
いた。
3人は 唖然としつつ、庭方向に
パ、ラ、パ、ラ
拍手を贈るしかない。
茶室に、足を踏み入れたとたん
どこか、陰陽師の作る
霧の空間で 幻を、
みているような 短い
イリュージョンだったのだ、、。
立ち込めていた
霧はもう、茶室からは
それは、きれいさっぱり
無くなっているけど、
とても、声を上げるところでは
ない 3人。
けれど 静寂を破って
茶室の戸が開く。
茶室を借りるオプションとして
お願いしていた、懐石弁当が
コンシェルジュから
運ばれたのだ。
呆然とする 3人の前に
お膳に 全て整えられた。
昼食が 四角く
4つ並べられて、きちり
急須の日本茶も セットされた。
「イリュージョニストは、
アサミ姫と 如何な関係か?」
綺麗に仕切られた
枡の弁当に
あしらいの 紅葉が
添えられてるのを
ケイトウが 喜んでいてたり、
「たまに、こんな
正統派、 お弁当、いいよね。」
と、アサミが ケイトウに
おしゃべりをしていた時、
出し抜けに ダレンが
向かいの ケイに聞いてくるのに、
ケイは お弁当を
口に運び
ツイッと応えた。
「アサミさん には、パーソナル
コンダクターをお願いしたのです
ダレンさんに話すべきでしか?」
それを、聞いた
アサミの 隣に正座する
ケイトウが 面白そうに
「Ohー 事件ですか?↑↑」と
アサミに小突いて 揶揄してくる。
「貴方は、どうも好きに
やり過ぎるようだ。皆、日常の
仕事があるのだから、普通に
然るべき会社にでも、頼まれる
が良いのではないだろうか?」
これは、
ものすごく 硬い拒絶を、ケイは
アサミでない 人物
ダレンから 手厳しくされた
ようなモノ。
そんな言い方をした ダレン
なのに、
ケイは 笑みを湛えつつ
「I see、however 初めて 会った
アサミさんに助けられました。
信用する人のリードを 希望する
のは、ダメでしたか。」
やっぱり綺麗に、お弁当を
食するダレンを
真っ直ぐ見据えて負けていない。
ケイの台詞を理解した
ダレンの
『そんな事があったのか?』と、
言わんばかり、
アサミへの視線が 痛すぎる。
「なるほど。其処まで仰有る
なら、ほんの8日9日程の滞在。
すぐ自国に戻るのだろうなら
口出しは止めましょう。」
ケイと ダレンは さ
それでも、向きあって
構えていたけど、
その後は終始よ
さっきのイリュージョンや
この日本庭園の
見所なんかをさ
口々に話して 普通だったから
ようやく、ホッとした。
んだったはずが。
「アサミが迷惑なら『ケイヤク』
無しにしても、いい。」
ケイは、食事を終えて、
ケイトウと ダレンが 茶室を
出た瞬間、
後に続いて 部屋を出ようとする
アサミの手を引いた。
ダレンの 言うことはさ、
全く 正しい。
9日もすれば、また日常なんだよ
わたしは、ケイと 手を繋いだ
ままで、
「『ケイヤク』した、から、
やります。
イリュージョニスト・ケイ。」
と応える。そうすれば
「アリガトウ。次は『オンセン』
に、行きたい。ヨロシク。」
良く聞くと、とんでもない
リクエストを 今度はされ。
わたしは、ケイから繋がれた 手を
ほどいた。
Next morningー午前中。
オレはアサミのnumberを
知らないせいで、
しぶしぶ
ハジメのgallery staff、ダレンに
callした。
「イリュージョニスト・ケイだ。
アサミにmessageを。
lunch timeにmagicを披露する。
Japanese gardenだ。
ダレン達も、ぜひに。どうだ?」
Sharrock ハジメいわく、
stay中は ダレンを receptionに
しとけ! だったからな。
『イリュージョニスト・ケイは、
アサミ姫と、どいう関係でしょう
そもそも、個人的にmagicを
彼女に披露し、尚且つランチを
共にするのですか?何故に?』
telephoneから聞こえたのは、
不機嫌な
ダレンの声だぞ!ハジメ!
staffのsmile trainingぐらい
しとけ!厄介だ。
「なに No problemだヨロシク」
ケイは面倒そうに、電話を
切り上げ、早々に切って。
ペントハウスに備えつけた
PCからmailを流す。
「ん?昔にもexchange、、
あったな、。When?」
ランチタイムのmagicに
使う物品と配置を、
設置場所の日本庭園へ指定して
協力企業研究所
海外準備室を 宛先に送信。
仮初めの宿である
ペントハウスのデスクには
PCの横に、
シックなグレーブラックの
達磨が鎮座していて、
ケイはその達磨を
撫でると 思い出した。
『ーカイザー王子は、
本校の生徒に、どいうつもりで
あのようなハラスメントを
働いたのですか? そもそも
友好交流でのダンスパートナー
ですのよ?接待ダンスとでも?』
それは、マユのセリフだった。
このペントハウスを ケイに
用意してくれた
西の財閥一族の娘 マユ こと
住之江 繭子。
捜索の協力者 マユとの初迎合の
手厳しい台詞は忘れようもない。
「あのschoolは、、
シチリアを想わせるplaceだ」
南地中海洋式 のベージュ煉瓦壁に
赤瓦のシンメトリーゴシック。
木々のグリーンと相まって
修道院のような佇まいは
「ladyの Secret garden か。」
10年前、
インターナショナル
フレンドシップ交流として、
当時在籍をしていた
シンガポールの
ミドルスクールメンバーと
この国に訪れたケイは、
観光をしたKOBEと
あるミッションスクールでの
出来事に思いを馳せて、
「Oi!オレ!あの時から 、、
can't say ゴメンナサイか?」
そうだ、あの時マユに、
『はあ?!華ねえさまに
直接謝罪するから逢わせろ?
このタコが! 世迷い言を
吐くようなら
一昨日きやがれ スケベ王子!』
Get kicked out されたきりだ。
オジョウサマをキレさせた
Curseか?
次の年もフレンドシップ交流の
メンバーに名乗りを上げて
意気揚々と来日した
ケイを迎えた
スパニッシュミッションの
学舎には、
もう 前の年に
ダンスパートナーをつとめた
西山 莇美 の姿はなかった。
↓↓↓↓↓↓
「アサミ!!マイガッ!これは
ミラージュ、Why??」
ギャラリースタッフの1人で
ダレンの同僚ケイトウの
狼狽える 言葉がスモークの
向こうから聞こえる。
「騒ぐなケイトウ。スモークだ」
そのまた 向こうにいるだろう
ダレンの声。
そう 日本庭園の茶室に仕掛けた
スモーク!!
「ダレン!NO!
エマージェンシーレベルですわ」
ハハ、確かに、
チャシツに入るなり、突然
mallageだからな。
ケイは、霧と化したスモークに
己の姿を隠して
アサミと約束した
ツアーへの 報酬マジックを
スタートさせる合図を
アシスタントに送った。
昼の 日本庭園。
前後不覚、視界不明瞭
濃霧の空間に、
いつくもの人影。
人影のマッピングが取り囲んで
予想通り、ゲストはギョッする。
視界が奪われ鼻を くすぐる
深い薫りが強くなる。
Sandalwood
「白檀の薫り」をアロマに
薫らせた。
この旅で来ている、護衛が
スリンー竹笛ーの
高く細い音色を響かせる。
パタタと、 扇をあおいで
空気の流れを作れば、
霧が 左右に別れ、
庭園に ケイがすくッと立つ。
黒のローブ姿は修道士。
しかも、その傍らには
ギロチン台があるのだから
驚くだろう?
笛を、回して
ギロチンを回れば
一輪の『桔梗花』を 手に出す。
Everlasting love
変わらない愛を意味する
花だ。
でも、
銀光りする、ギロチンの歯に
当てれば
『桔梗花』が、ポトリと落ちる。
なぜか わかるか?アサミ。
霧の世界に
『桔梗花』の 青紫が目に残る。
辺りにまた、霧が上り始め
ケイは自分の首に
赤い布を巻き付け静かに、
屈んで
ギロチンの首置きに 自分の顔を
置くと、横笛を奏でる。
間髪入れずに、 ギロチンの歯が
『ダン!!!』「ひっ」
と、落ちた。
そこに頭すでになく。
首の辺りに
巻かれた 赤い布より、
上には 空間がある。
ケイの頭は
首置きに乗ったまま 頭と胴体が
切られ離れて見えるだろう。
首なしのローブ体に、
グリーンのレーザー光線が
首なし体から
発光されて、さざめいた。
オレは、きっと出逢った時から
心のままに動いて
間違いを起こした。
再び首なしの体に、切られた
ケイの頭を近づけると
グリーンの光が放たれ
また濃い霧に覆われての笛の音。
『ブアッ!』
茶室に 爆風が吹き込ませ
スモークとギロチンを
吐けさせる。
これで
『桔梗花』を胸にあて、
礼のポーズをする
ケイの姿で フィニッシュ。
茶室に、足を踏み入れたとたん
修道士に扮したケイがつくる
霧の断罪
イリュージョンだったのだ、、。
声を上げるところでは
ない 3人を前に、
まるで何もなかったように
ケイは
ランチの用意を合図して
ダレンに 電話口で聞かれた
問いに 答える。
「アサミさん には、パーソナル
コンダクターをお願いしたのです
ダレンさんに話すべきでしか?」
そう答えたケイの言葉を
聞いたダレンの反応は意外に、
「貴方は、どうも好きに
やり過ぎるようだ。皆、日常の
仕事があるのだから、普通に
然るべき会社にでも、頼まれる
が良いのではないだろうか?」
硬い拒絶だ。
ケイは何故かダレンから
手厳しくされる 理由を考え、
ムカつくのを押さえながら
笑みを湛えて
「I see、however 初めて 会った
アサミさんに助けられました。
信用する人のリードを 希望する
のは、ダメでしたか。」
応戦した。
そう何度も心に任せて
動く間違いはもうしない。
つもりだ。
「なるほど。其処まで仰有る
なら、ほんの8日9日程の滞在。
すぐ自国に戻るのだろうなら
口出しは止めましょう。」
なのに
ダレンは意外にケイを 正攻法に
抉ってきた。
言いたい事は I know it だ。
「アサミが迷惑なら『ケイヤク』
無しにしても、いい。」
ケイは、食事を終えて、
ケイトウと ダレンが 茶室を
出た瞬間、
後に続いて 部屋を出ようとする
アサミの手を引く。
ダレンの 言うことはな、
正しいのだろう。
9日もすれば、オレは 国に帰る。
今、NOと言われれば、、
アキラメル?
すがるように ケイが アサミを
見れば
「『ケイヤク』した、から、
やります。
イリュージョニスト・ケイ。」
アサミが応えた。ほらなら、
「アリガトウ。次は『オンセン』
に、行きたい。ヨロシク。」
時間をくれ。神よ。
アキラメルなら
Don't look for years!
10年も拗らせないだろうが!
「少しさ、意地になってたかも」
都内で珍く
薪と備長炭にて沸かす湯は、
優しく、身に沁みこむ。
澄んだ
湯船に浸かって、
緩む口元に 片手を
持っていくと、アサミは
プルプルと
笑いを、堪える。
少しだけさ、 空しいけど、
溜飲下がったよ。って
言うんじゃない?
男湯と女湯を隔てる
アルプス風景のタイル絵。
向こう側から ギャーギャー
聞こえる騒ぎを 伴奏に、
目の前にある 金魚の絵を
『ティカ』に見立 なでながら、
アサミは
鼻歌を くゆらせた。
花街の面影を残す、石畳と坂。
休日の昼なら 小路を散歩する人も
行き交うが、
今は黄昏時。
「温泉を お願いして、
『セントウ』に行けるなんて。 アサミは Surprise master だ。」
だってさ。
初めて乗るメトロにも、
驚いてたもん。
成功なんだよね。これ。
「仕事終わり、リード
出来るの、 銭湯だったので。」
急な無茶振り リクエスト。
お昼に言われてさ、どうにかなる
もんじゃないんだよ。
隣で、機嫌よさそうに
キョロキョロするケイを、
アサミは、恨めしく見る。
表通りから、
路地へ足を踏み入れる。
影の色濃く、
目の前には 趣ある細道。
料亭の明かりが灯る。
庭園ランチ後。
アサミが、思案してると、
オフィスのデスクコールが、
鳴った。
『はい?バンケット、タムラ
です。いつもありがとう
ございます。如何なさいました』
表示された
下のディスパッチセンター、
ヤマモリの直電に 答える。
『ラッキー、タムラさんだ。
オレって言わずに、話聞いて。
悪いけど、サロンホールが 今週
空いてる日、
教えて欲しいんだよ。頼む。』
意外な、ヤマモリさんの
お願いに、応答できないでいる
わたしにさ、
『すぐ分かると思うが 、今週、
大規模な賓客交流会がある。
うちに ディスパッチオファーが
内々にきてる。けど、日程調整
出来てないんだろな。お宅の課長
すり合わせ難航してるみたいで。
うちも、日決まり無しで、
人を 抑えてくれと言われても
困ってな。せめて、日を絞っ
て、人員抑えたい。』
サロンホールの空きの日時に
当てて、スケジューリング?
個人的情報サポートだよ。
『わかりました。けれど、
わたしではなく
担当に 依頼しては?』
闇に、ミズキ先輩に言ってよ!
ってさ 嫌味だよ。
『ミズキに、聞けるわけない。
聞いて、教えるわけないだろ』
なんだよ!それ!あんた達さ、
付き合ってるんだよね?
知ってますよ。
『分かりました。では、こちらも
お願いする案件あります。
出来れば 御指南を。
詳細は、メールで。そちらの
件は、確認次第折り返します。』
こうしてさ、
今回の ケイ・リクエストも
物々交換でツアコン先を、
ゲットしたわけ。
「アサミよく使う?セントウ」
ケイからの質問に、
意識を戻す。
階段に 灯篭が置かれ、
足元は明るい。
「あ、普段は家のユニットバス
です。銭湯は、、昔何回か。」
「へー。アサミも、久しぶりか」
階段を下ると、
明かりが目を引く
コインランドリーのすぐ横。
「うわ。『フゼイ』あるな。」
ケイが思わず声を上げた。
千破風建築のレトロな銭湯が
隠れ家のように現れた。
湯屋には、店主の憧れの想いを
込められた屋号提灯が
下げられている。
ヤマモリさんがさ、
いろいろ教えてくれたよ。
花街最盛期、座敷前の芸妓が
懇意にした銭湯とか。
「じゃあ、説明した様に、
銭湯を楽しんで 下さい」
暖簾の入り口を潜って
右が男湯で、左が女湯。
ここからはさ、一緒に入れない。
それも思って選んだし。
「緊張の、Japan culture tripだ」
弱音を冗談に、ケイは
木札鍵の靴箱に、靴を入れた。
番台には、
インバウンド・ゲスト用に
マナーポスターも
貼ってあるし、
マラソンランナーのwelcomeも
している。
一見さんでも、なんとかなる?
でしょ。
無料のタオルを貸してもらい、
女将さんに、
ケイの事を伝えおく。
「じゃあ、1時間後に、また。」
まるでさ、何かの歌だよね。
あ、でも歌詞みたいに
銭湯セットは 不要。
石鹸、シャンプーも備えあって
タオルもレンタル出来る。
手ぶらで来れるのはさ、
ありがたいよ。
「OK!1時間後に。」
うん、いざとなれば、
魔法でも使いなされよ。
入って驚くほどそこは、銭湯だ。
正統派の脱衣場。
ガラス引戸の向こう。
ペンキ富士が威風堂々に、
男湯と女湯に渡って描かれる
景色は、圧巻だ!
つい、ツアコンを忘れて、
お一人様 観光気分に浮かれるよ。
江戸前 銭湯なら、
熱っついだろうなあ。
桶に手を伸ばしたら
珍しくゲームの宣伝桶で、
吹き出した時、
隣の男湯から、年配の声が
響いてきた。
「あんちゃんら!
外国のお人かい? ポスターに
あっただろう。コレを使って、
先に体を流すんだぞ。あ!
おめぇ、バカ!
そっちじゃねぇ。かしてみろ」
どうやら男湯には 人が結構
いてるらしいけど、
「うあっ!Crazy!」
高い声で 熱いと叫ぶケイの声を
しっかり聞いた。
やった。
「あんちゃん、熱つけりゃ、湯船
ん端に水道の蛇口あるだろ!遠慮
すんな、いいから 水で薄めろ」
ふふ。
わたしだって西の人間。
桶に水を張って、
水かけながら入ってるんだよ。
『アサミよく使う? セントウ』
さっき、ケイが聞いたけど、
唯一今も繋がってる友人、
『シオンちゃん』とこが
お風呂なくて、銭湯だった。
毎日さ、行けなくて、
夏は、わたしんとこの
プレハブのシャワーを
使ったりしてたの
思い出したよ。
カラスの行水っていうだけある。
洗い終えて、
わたしも、ケイも
熱いお湯から
早々に 上がろうと、隣同士で
声を、かける。
「アサミ!わざとだろ!わざと
熱いセントウに来ただろう!」
ケイは、わたしの目論見にさ、
気がついて怒っていたよ。
「江戸っこの『粋』ですよ。」
とりあえず、誤魔化しといた。
きっと、デートならさ、
この後
ご飯でも食べるんだろうけど。
そうじゃないから、
またメトロに乗って、ケイと
並んで座る。
例えば、
あのモールでみた令嬢ならさ、
ハイヤーとかで
さっと、温泉にでも一泊で、
ケイを案内できるん
だろうし、もうそんな、
予定もあるかも しれない。
なんだかなーってさ、
思考を止めたらよ、
コテンと 肩に髪が 乗っかった。
目を動かしたら、
やっぱりケイの頭で、
腕組みして、足も組みながら
気持ち良さそうに
寝てる。
しかも、眼鏡の下、
ボサボサに伸びる前髪の
奥には、無防備なキレイな顔
あって、困ってしまう。
この人、昼間って
どうしてるんだろう?
不思議に思うと、ある事に
気が付いて、思わず
顔の温度が上がってしまった。
わたしと、ケイさ。今、
おんなじシャンプーの香り
してます。
1つ目の I'm sorry は 10年前だ。
オレ達が乗ったshipは
100万$のNight viewで有名な
harbor city に着港した。
Teenager をシンガポールの
middle schoolで過ごしたのは、
そこが アジア上流子息が
集まるschoolで、connectionsを
つくる為。
『ケイ!何時まで甲板に居る
気だよ?!もうすぐ港だよ!
荷物まとめないと ダメだろ!』
オレは middleschoolに
後に護衛と側近になる
Excellent friendsをつけて入学。
当時盛んだった
national friendship 交流の
メンバーに選ばれて
初めて この国に来た。
「おい!みろよ!
こんなに海の近くまで 街が
迫っているのを、後ろから
囲うみたいに 山が 守ってるぞ!
スゴい、パノラマだろ!!」
オレは興奮して まだ華奢な
両腕を甲板の上で 広げた。
『はあー。わかったよ!
素晴らしい景色だね!でも
もうタイムリミット。集合が
はじまるよ。あ、ケイ?
ちゃんとタキシードも入れた
のか?ケイはデモンスト
レーションのメンバーだよ!』
「わかっている。」
Tourismで回る
旧居留置街は
歴史的にも 異国情緒あふれる
坂道の街で、
初めて踏みしめた
Mother landの 美しさに
誇らしくなる。
friendship hostは
山麓を取り込んだ 広い敷地の
mission schoolで
レンガが緑に映える
スパニッシュミッションの
Cultural propertyが
修道院みたいで sanctuary。
門にはwelcome escortの
オジョウサマが沢山いた。
が、
その1人にやたら色香のある
美男子がいて
memberで 驚いた。
まあ、考えれば nonsense。
単に short hair の
子女だったわけだが、
とにかく
Beautiful dressed as a man。
男麗なイケメン美少女。
この時のfriendship交流は
初めてこの国で
ボールルームdance conventionが
開催されるに合わせた
eventでもあったのだ。
『あれが、ケイのパートナー?
まるで男同士でダンスだよ。
ジョークだぜー。残念だなー』
demonstration の 事前
trainingで 現れた 彼女は
西山 莇美 とnameされた
wear姿で、まるっきりイケメン
だった。
いかにもsportyな 小麦色の肌に
short hairは艶やかで、
長身でslenderなのが
かえてってgallantー凛々しい
やや cat eye は切れ長で流して
スッキリとnoseが
普通のmen'sより
よっぽどcool だと、男なのに
jealousyを感じた。
「ハ!まるでスター気取りだな」
オレはそうclass mateに
同調して、タイイクカンで
pre lessonを
『アザミ セイザン 』と挨拶した
彼女と開始した。
タイイクカンには
demonstrationするオレ達に
興味ある
member数人に、
国から付いてきた2人。
あとは グルリと彼女の fan が
山といて、
彼女がその girls に
smileで手を振れば キャーと
歓声が crazy だ。
Hey!待てよ!
オレはモチロンで、
こっちの
memberも かなりgood faceだぞ!
Why?なのに Don't lookかよ。
オレはかなり
Get angryよろしくだった。
オモシロクナイ。
「君、知らないだろ?
ボールルームダンスも 新しい
スタイルが 出てて、もっと
クールでストリートに
踊るのが 今どきなんだぜ。」
どおせ、型通りの
standard dance しか踊れない
オジョウサマだろ?って
嫌味を言って speed upする。
「足、もつれても、メンズなんか
サポートしないぜ、オレは。」
そう言って、本来のdanceなら
しない holdを外して、転ぶよう
彼女に
高速 spin をかけて投げた!
サイテーだな。
なのに、彼女は
Natural に着地と spinをして
オレに向き合えば、
これで 充分だというfaceで
出て行った。
Girls の歓声と共に。
Suppleーしなやか、だった。
あまりに
軽やかな movementだった。
で、オレはPrinceなのに
テキメン
アザミのAnyway faceが、
shockだった。
But オレはその後また 彼女に
shockを受けた。
Production demonstrationで
現れた彼女は イケメンでは
なく。
女神 Goddess で出現した。
Teenager で あんなに色香が
出せるのはdance でか?
short hairは変わらないが、
make up をしただけで
oriental beautyだった。
dress up した bodyは
style が 良かった。
何より 彼女は 雌豹 だった。
arch形の開口部に
ベルベットの幕で、
レトロモダンなstageから
partnerの アザミが
降りてくるのを
タキシードstyleのオレが
escortをして、
Runwayに 誘う。
アザミは、女神のsmileで
オレの手に 指を重ねた。
アザミが、斜めに
視線を 艶かしく
オレに刺し抉るのを
堪えて
手を組んで、
腰を互いに in set。
light が落ちると 真横にある
彼女の ear to neck line が
silkに 浮き上がって
イヤ、これは sexy 、過ぎる。
「Shall We Dance Lady?」
クソ、
黙ってdance start する
つもりだったのを!
不甲斐なくても
アザミを dance lead 。
いや、振り回してやる!!
Oneーtwoーthree
speed dance だ!!
「I wonder if I can follow you?」
せいぜい ついてこいよ!
上から目線で呟いた
オレのwordに
アザミは
「You、kids?」
フワリと 笑って
dance smileモードになった。
そこからは、周りのpartnerが
置物のよう見えるspeedに、
いきなり
オレが アザミを、
floor の端から端までを
ザーーーーー!と、一気に
回り 駆け抜ける っっっっ!
standard danceにあり得ない
speedで!!
アザミの
dressスカートが
ブアリ、風を大きく張らんで
華麗に波開く。
その波の中に、恍惚と笑う
雌豹の Goddess
そこから
大きくアザミの、上半身が
水面のswanのように
仰けて、、反らされる
再び 露になる
彼女の ear to neck line に
オレは ゴクリと喉を鳴らした。
アザミをゆっくりと、
guestに披露するかに
turn して見せるのが本来。
でも オレ自身が
アザミのゆっくりと
Upper bodyを 見つめていた。
腰をhold、
暫く Vに別れた 互いの bodyを
1つの bodyに戻す。
必要以上に bodyを重ねて
しまった。
もう、この瞬間からヤバかった。
今まで どれだけ partner dance
してるんだ?オレ!
fast dance じゃあるまいし!
なのに、本能で
アザミにlower bodyを
ぐっと押し付ける。
『カッ!』『タ、タタン!』
step!!&step!!
そこから、Top speed に
ギアをMAX 全開!!
熱い!
アザミが オレのleadに重ねて
足をはね上げたままに、
2人で多重旋回する間
オレは
構わず アザミの neck line を
口でなぞって
hipを 撫で上げていた。
吸い付くFeels goodで
Uwu~~甘くてもう 無理だった。
ガキな雄の switchが キレた。
もうspeedで ワルツという
超絶技巧なまでの優美な動きを
展開する
その
完全なるfinish demonstration
モードの直前に
やらかした オレを
アザミはstopして 仰ぎ見る。
そこには不敵なsmile。
周りの girls も shoutしてる。
知るか!
平手打ちでもするか?余裕だ。
girlsの ブーイングはCyclone。
ならばと、オレは
満面のsmileを浮かべて、
平手打ちを流して アザミに
kissする つもりだった。
friendshipmemberは
All boy sだぞ?
このdemonstrationのアザミを
見れば 誰だって
欲しくなる。
なら
makingする気満々だった。
Lady の抵抗なんざ
いなせる。
と、アザミの手にattention
したのにだ。
「Goddamn!!!!!!」
オレのshoutが 響いた。
激痛が Instep に走る!
オレの
エナメルの黒靴に
アザミのピンヒールのかかとが
『ダン!!』って
踏み抜いたぞ!!なのに
足の甲を
また、
狙ってかかとを 振り落とす!
って、おい!!
「GuOガぁっ!!」
連続して ヒールで踏み込み、
人の足先を?!
狙うかっ?!。ふつう!
オジョウサマだろ?
「NOー!!!ーNO!!ー!!」
アザミに memberが runwayを
崩して Grab しようとする。
痛みで not breatheなオレは
もう 訳が わからない。
Hall は
『クソ王子!天誅ですわ!!』
とかshoutする声でswingだ
『華ねえさま!をお守りよ!』
そう殺気立った声で
boy sも girl sも 大乱闘なった。
あの後、マユが readerで
discussion に なったが、
アザミには 会えなかった。
当然だ。
だから I'm sorry アザミ。
でも
I fell in love with you at first sight。
スディカァ
カウ ムンジャディ クカシィク
ああ、足の甲は骨折してたぞ。
From what I felt
ここまでで、オレには
アザミとアサミは some person
に思える。
Then more、確証がいる。
アサミの body line check しにくい
fashionを 取ればいい。
あとは、
「Hey!Assoc カスガ!
within this week 大規模な民間
交流会をヒルズ ビレッジ HALL
でplanningだ。
形式はdance partyでな。」
ケイは名刺のナンバーに電話を
して、主に自分の接待係を
言われている担当者に
躊躇なく 要求する。
「Once again。再現だ。」
ギャラリスト ハジメが
オレに introduceした 企業は
4th Princeが折衝し連携を
取り付けていた企業。
partnership出来ている所に
privateでもconnection
できたのはlucky。
『ちょっ!!待って下さいよ!
そんな急な無茶ブリされても
対応出来ないっすよ。
カイザー王子!あ、あ、ちょ』
ケイは伝える事が出来たと
直ぐに切って、
側の立つ 黒の執事服を着込み
金バッチを付ける
プライベートバトラーに
声をかける。
「ヤマモリと呼べばいいか?
short stayだが 世話になる。
早速だが、今のmissionと、
午前はceremonyのmeetingだ」
magic hourを迎えるまでは
Princeとしてのオレと
illusionist のオレ。
アサミは、
『『ケイヤク』した、から、
やります。
イリュージョニスト・ケイ。』
と言って手を振りほどいた。
understand。
昨日のアサミの目は
オレを
do not remember 記憶してない。
それを理解すれば
鳩尾にズキンとしたpain を
オレはフタをした。
約束の黄昏時に、
ケイはアサミに 連れ出される。
そこは
花街の面影を残す、
石畳と坂の小路で、どこか
あの港街を ケイは思い出した。
「温泉を お願いして、
『セントウ』に行けるなんて。 アサミは Surprise master だ。」
『オンセン』なら あの港街の
山麓にある、ARIMA で
bathing 済みだが、
『セントウ』とは?
ケイとアサミが 歩く小路から
少し離れて伺うように
護衛が2人ついているのは
アサミは
気がついていないままに
答えたセリフは
「仕事終わり、リード
出来るの、 銭湯だったので。」
そして、
急な無茶振り リクエストに
もちろん 予約も取れず、
呆れながらも
何とか アサミが
捻り出した 案が 銭湯だった
とは
隣で、機嫌よさそうに
キョロキョロするケイには
解っていない。
「アサミよく使う?セントウ」
ケイからの質問に、少し考える
アサミを隣に ケイは思う。
アザミが 『隠れていた時』に
使った事があるのかもしれない
と。
小路は 影の色濃く、
目の前には 趣ある細道で、
料亭の明かりが灯る。
「あ、普段は家のユニットバス
です。銭湯は、、昔何回か。」
アサミの目線が 泳いでいるのを
ケイは見逃さない。
「へー。アサミも、久しぶりか」
そこから 歩く事に意識を戻す。
階段に 灯篭が置かれ、
足元は明るい。
まあ、『セントウ』で
アサミの Upper body lineが
解れば いいだけだ。
あとは、、、
階段を下ると、
明かりが目を引いて
ついケイは
コインランドリーのすぐ横の
佇まいに 声を上げた。
「うわ。『フゼイ』あるな。」
千破風建築のレトロな銭湯が
隠れ家のように現れたのだ。
湯屋には、屋号提灯まで
下げられている。
「じゃあ、説明した様に、
銭湯を楽しんで 下さい」
暖簾の入り口を潜って
右が男湯で、左が女湯となってと
当たり前のように
アサミがケイに言った。
「一緒にじゃないのか?」
慌てた ケイが 聞くので
アサミは 黙って頷いた。
「緊張の、Japan culture tripだ」
弱音を冗談に、ケイは
木札鍵の靴箱に、靴を入れる
しかない。
『セントウ』ってそうなのか?
番台には、
インバウンド・ゲスト用に
マナーポスターが
貼ってある。
ケイも、無料のタオルを
貸してもらっていると
女将さんに、
アサミがなにかを伝えて、
「じゃあ、1時間後に、また。」
無情にも 暖簾の、向こうに
消えてしまった。
「OK、、1時間後に。」
アサミが先に姿を消したのを
見計らって 護衛が ケイに
並ぶ。
「My road。『セントウ』は
我々も ご一緒しますので、
参りましょう。では、私が。」
島遍路でケイについていた護衛が
先に番台を通り、中へ入るのを
女将が 目を丸くして
眺める。
「問題ありません。My road。」
確認をした護衛の顔が
暖簾から出てくると、
ケイと その後に続いて
番台を 通る事にする。
「Oho!FUJYAMA !」
開口一番、ケイが 感動して
驚くほどそこは、銭湯だった。
正統派な脱衣場の
ガラス引戸の向こうに
ペンキ富士が威風堂々と、
男湯と女湯に渡って描かれる
景色は、圧巻だ!!
「テルメとは また違いますね。」
ガラス引戸の向こうを
覗いて護衛達は、さっそく
その筋肉質な全裸を 躊躇いなく
さらしていく。
「お!和国の仏像だ。」
見れば、男湯の脱衣所に
木推りの観音と
金魚の観音が 風情を作る。
「これは、、」
後から入った護衛も
別の場所にあるモノに 視線を
止めたのを、ケイが 見つけて
口を、結んだ。
棚に、大きな戦艦大和の模型と
駆逐艦の模型もある。
ここにきて、意外な地雷が
あったな。
ふとケイが思った時、
「あんちゃんら!
外国のお人かい? ポスターに
あっただろう。コレを使って、
先に体を流すんだぞ。あ!
おめぇ、バカ!
そっちじゃねぇ。かしてみろ」
隣の湯場から、年配男性の大声が
響いてきた。
どうやら先に中を確認に入った
護衛が やらかしたのだろうと、
ケイも湯場に 急いだ。
「うあっ!Crazy!」
高い声で 熱いと叫ぶケイの声を
聞いて、2人の護衛が
身構える。
「あんちゃん、熱つけりゃ、湯船
ん端に水道の蛇口あるだろ!遠慮
すんな、いいから 水で薄めろ」
常連ご隠居に、
教示を受けながら ケイ達は
ようやく湯船に入ろうと
したところが、
また この失態。
ギャーギャー騒ぎ声を 伴奏に、
江戸前 銭湯の熱さに
始終 四苦八苦した
1時間になったトリオ。
「My road!何の苦行ですか!」
あげく
護衛達は 涙目をして 出て行った。
わざとだ。なんてmaster だ。
ケイは、
男湯と女湯を隔てる
アルプス風景のタイル絵を
睨む。
その向こうから、アサミの
鼻歌が聞こえたからだ。
だから、
「アサミ!わざとだろ!わざと
熱いセントウに来ただろう!」
ケイは、アサミに
いろいろ思惑が外れた事も
あって怒って非難しまくった。
「江戸っこの『粋』ですよ。」
それでも アサミは
誤魔化してくる。
何も確認できてない!
話す事も出来てない!
Where is the truth!!
沸騰するケイにアサミが
愛想をつかして
メトロで2人は並んで揺られて
黙秘していた。
これは、ヤマモリに
Information gatheringさせて
確証をとらないと、
オレが 動けない。
ケイは、
「Fuーー」っと 息を吐いて
寝たフリで
コテンとアサミの 肩に頭を
乗っける。
これぐらいしないと
I can't do it だろ!!
少し目を動かせば
アサミの顎が見える。
腕組みして、足も組みながら
葛藤するケイ。
What are you doing!
何をしてる?オレ!
アザミを探して、偶然アサミが
そうかもと思って、
Premonitionしてて、
確かめたいけど、もう確証が
あって
I can say it なのに、
動けないのは
Why?
わかってる、I know it
10年探した lover は、
オレになんの Feelingsなくて
Not awareで、
鬱陶しがられてるって reality 。
凹む、、
ケイは
変装の眼鏡の下、
ボサボサに伸びる前髪の
奥の瞳で
アサミの『そんな気持ち』を
見つけて 落ち込む。
なのにーNevertheless、
アサミの髪から
オレと同じ、Fragranceが
して、口が緩みそうに
なるのを オレは 堪える。
26 years old オレは
中二病 真っ只中だ。