「お母さん、手術を控えてて怖くないの?」
意外にもリラックスした母の様子に、そんな言葉が口をついて出た。
「うーん、全身麻酔だったら怖かったかもしれないけど、局所麻酔だから意識もあるし……。特に緊張もしていないかな」
「そっか」
意識があるままというのも怖いんじゃないかと思ったけれど、お母さんが平気と言っているんだから余計なことを言うのはやめよう。
「プレートを入れるだけだしね。病気で内臓を切る、とかだったら局所麻酔でもさすがに怖いと思うわ」
「お母さんがそうなったら、私もきっと怖いだろうな……」
昨夜想像してしまった最悪の事態が頭をよぎる。不安に思っていることを、今、話してみようか。でも、明日手術を控えたこんなときに話さなくてもいいんじゃ。
尻込みしてしまいそうだったけど、ミャオちゃんと響さんの顔を思い出した。そうだ。ふたりは、悩んでいたことをもっと早く話してほしかったと言ってくれたんだ。
私は姿勢を正して、母に向き合った。
「ねえ、お母さん。昨日の電話って、もっと早くかけられたよね。骨折したときでも、病院の診察が終わったあとでも……。あの時間にかけたのって、私が仕事中だから気遣ってくれたんだよね」
「気を遣ったわけじゃないわよ。仕事中に電話しても出られないでしょ」
「休憩中だったら出られるし、メールを送ってもらえれば、携帯を見るタイミングですぐに気づけるよ」
珍しく食い下がる私に、母はちょっと驚いた顔をした。
意外にもリラックスした母の様子に、そんな言葉が口をついて出た。
「うーん、全身麻酔だったら怖かったかもしれないけど、局所麻酔だから意識もあるし……。特に緊張もしていないかな」
「そっか」
意識があるままというのも怖いんじゃないかと思ったけれど、お母さんが平気と言っているんだから余計なことを言うのはやめよう。
「プレートを入れるだけだしね。病気で内臓を切る、とかだったら局所麻酔でもさすがに怖いと思うわ」
「お母さんがそうなったら、私もきっと怖いだろうな……」
昨夜想像してしまった最悪の事態が頭をよぎる。不安に思っていることを、今、話してみようか。でも、明日手術を控えたこんなときに話さなくてもいいんじゃ。
尻込みしてしまいそうだったけど、ミャオちゃんと響さんの顔を思い出した。そうだ。ふたりは、悩んでいたことをもっと早く話してほしかったと言ってくれたんだ。
私は姿勢を正して、母に向き合った。
「ねえ、お母さん。昨日の電話って、もっと早くかけられたよね。骨折したときでも、病院の診察が終わったあとでも……。あの時間にかけたのって、私が仕事中だから気遣ってくれたんだよね」
「気を遣ったわけじゃないわよ。仕事中に電話しても出られないでしょ」
「休憩中だったら出られるし、メールを送ってもらえれば、携帯を見るタイミングですぐに気づけるよ」
珍しく食い下がる私に、母はちょっと驚いた顔をした。