夏休みは境界。公開告白される君と3日間の旅~小豆島・豊島編

何度目か 終戦記念日が、
また やってくる前日。

ミサの後に 開くカフェに、
その旅人は、来られました。

島には、
常設された アートが 出来まして、
ずいぶん 国内外からの
お客様が 増えました。

隣の島の 教会は、
アート島に ふさわしく、
クラウドファンディングを
活用されて、
とても、
モダンな 建物に 修復を
されています。

その為、
アートをご覧になられる、
初めての お客様が、
ミサに 来られるように、
なっています。

私共の教会は、いかにも島の
チャペルらしく、
本当に 何の変哲もなく、
細やかモノで ございましょう。

それでも、
かつての宣教の方は
偉大な方でした。
先々代は、勿論の事
先代も、真の先導の方でした。

一時期は、
その崇高な 行いに、
近隣の島などに、
出向き、ミサをされていた
ほどなのです。

旅人は、
『ゲッセマネの園』を
聞きました。

本当に 久しぶりに その祈り場を
聞きました。

その人は、
この島に幽閉のごとく、
閉じ込められていたと、
島の長の手記で、
私も 読みました。

あの旅人が、
一体、どのようなモノを 目に
されたのかは、わかりませんが。

私は、
今は、療養の為に、
島を離れた 長の手記で、
目にしたのです。

『世界の賢人』と言われた人は、
この国に、読書文化を もたらした
人物でもあります。

かの方が 書かれた本は、
大正時代にベストセラー本となりました。
その売上金で、
出版社が 潤い、本格的に
印刷書物の値段が 下がります。

現代文学の1円本という、
『円本』が 誕生したのです。
この円本なくして、
この国に、
読書ブームは 起きませんでした。
読書大国の 礎となる
資金を、稼いだ本が、

かの方の 書かれた 本なのです。
それを、長の手記で、
知るというとも、縁を、
感じます。

私は、開戦時の 歴史には
明るく ありませんので、
手記に 書かれた 内容しか、
わかりません。

第二次世界大戦は、
この国と中国、そして米国での
緊張が 張りつめた中で、
堰を切る ような
出来事だった のだと、
手記から 感じます。

先の 中国との戦いに、
勝った とは言え、
国の力は 大変失われ、
とても 次の戦争など、
出来ない状況が、正直な
様でした。

ですから、
開戦傾向の 軍とは別に、
内閣は 米国に 調停を結びたい
その調停の役に、
宗教家として、世界に名もある
先生に、渡米を内密に
依頼していた というのです。

なるほど、
国の勅使として 秘密裏に
海を渡ったので なければ
国外には 出れる
当時では ないのは、
私でも 想像できます。

では、なぜ それは公表されず
今に 至るのか?
それは、
後の動きで、分かりました。

さて、手記を進むと

時の 米国大統領に、
直接、会うことの 叶う人物と
かの方を
国は、認識していました。

米国歴史で
1番長く就任した
その 大統領は
先生の 宗教家としての
姿や人格に、共鳴しています。

政治家でも、
国の役があるわけでも
外交官でもない
1人の宗教家を
信用した 瞬間でした。

大統領は 会見 すぐに、
和平調停の電報を

天皇に 打ったのです。
これで、
国は 開戦を 免れた
はずなのです。

しかし、電報直後

国の軍部は 米国の島を
襲撃してしまう。

パールハーバーです。

大統領も、先生もあまりの
事に 驚かれて
いました。

調停の 先生に、
大統領は、

米国の軍が、
攻撃を受けて 仇討ちと
躍起になり
抑えこむことが 出来ないと、
お詫びをされ
直ちに 帰国を促されます。


その後、再度
交渉を 試みられますが、
正式に
国民に ラジオで軍より
パールハーバーにて、
開戦を宣言が 成されたのです。

この国と、相手の国。
史実だけを 見れば
1つ1つの国の総意として
開戦したようですが、

手記には、
米国の民の多くが、
戦争回避の ミサを各所で
行っていたのが
分かりますし、

この国でも
同じくミサが 行われています。
結果 かの方は、
それが非国的な行い、
思想に問題有と 判断。

すでに、
本土から 追い立てられる
結核患者を 島は
受けていたので、

結核の療養と、
この島の サナトリウムに
実質、封じられました。

時の米国大統領を 動かした
人物です。

本土決戦と なりし時に、
人柱にする為だったと 資料が
軍に残っていた そうです。
そのように、
旅人が 教えて下さいました。

旅人が言いました
『ゲッセマネの園』は、

かの方が、
この島で 拓いた
グリーンチャペルなのです。

建物のない、
ただ 青空の下、植物を整え、
丸太を椅子にするような
祈り場を、
グリーンチャペルと
申します。

戦前戦後、
可能ならばと
本土から、この祈り場に
かの方のミサをと
人が 行き来したようです。

この 祈り場を、
かの方は
『ゲッセマネの園』とされました
その場で、

終戦を迎えるまで、
切に

戦争が終わり、
世界が平和になる事を
人類の贖罪を
祈られました。

その場所には、
ゲッセマネの如く
沢山の人と、
かの方の
祈りが染み込んでいます。


ゲッセマネ。

オリーブの油を搾る器です。
この島は、
1番の敷地を誇る
オリーブ畑があります。

奇しくも、
オリーブは、
平和のシンボル
国際連合の旗にも
オリーブの枝が描かれています
事は、ご存知でしょう。

神話に
荒れ狂う洪水の後
ノアの方舟に、
再び平和が訪れを告げる
鳩が オリーブを咥えて
描かれます。

以来
平和や 許しを求め者は
オリーブを着ける のです。

その様な
オリーブの油は
『黄金の液体』『最強の薬』と
重宝されたのです。

実際のゲッセマネにも
樹齢2000年のオリーブの古木が
並ぶようです。

かの方は、

島に拓いた
『ゲッセマネの園』には
フェニックスを
植えられました。

フェニックスは、
不死鳥から 名前をとられた
ナツメヤシの植物。

燃える火の中から
生まれ変わる 伝説の鳥に、
かの方は
何を なぞらえたの でしょう。


島は、
それほど 大きな島では
ありませんが、
とても豊かな島でした。

戦後の本土での食料不足。
にもかかわらず

瀬戸内海の島において、
奇跡的に、
自給自足可能な 島は、
ベーコンやチーズを
作っています。

それへは、
農業をするには、
耕地面積が狭い島に

多角な農業を
教えてくださったのも、
先々代でした。

『農業は聖業』
と、かの方が 取り組んだ
デンマーク方式の農業。

循環農法を目指し、
『太る農業』
農業、農畜産加工、販売
「6次産業」の進められました。

今、
先進的な その農業に
再度、光が当てられて
注目されています。

そうして 島は、
ミルクの島や、福祉の島と
言われたのです。

けれども
島は、
毒の島と、呼ばれる事に。

かの方が天に召され
国が 高度成長に入り

大量生産・大量消費・大量廃棄
好景気の しわ寄せを

ゴミという形で、憎悪と共に
島に
持ち込まれるように
なったのです。

それは、それほど昔では
実はありません。
今だ、土壌の毒を 排出洗浄する
作業が、静かにされています。


かつて
この島に いたかの方は、
戦争を回避する 実働の人であり、
世界の賢人の1人と言われた人。

国に、
本の文化を 作る礎をなし、

戦時中、
贄にと囲われたにも
かかわらず
戦後
内閣総理大臣の 補佐官にと
求められた人。

循環型の生活を
提案し、

この海に 囲まれ
人口が限られる国で、

1次産業から 6次産業を
まとめ
多角的に兼業な、
自給自足を促す策の、先見の人。

そして、
ただ、この世の平和を
『ゲッセマネの園』で、
祈り続ける人。

そのような かの方の
姿が、長の手で綴られた
手記を、

私は 読んで
この小さな島の 小さな教会で
ミサを するのです。

アーメン。
色とりどりの 丸いランプが、
ネオンみたいに光る、
『やぐら』の周りに、

二重の 円を 作って、
みんなが、盆踊りの形を
作りはじめて、おどっている

オレは、
どうして ハジメさんに、
この 話を したのか、
わからなくて、
やめておけば 良かったと
思った。

「あー、いいや。なんでもない」

持ちっぱなし、
半分のこして
かじった、イチゴあめを
全部 ほおばって、ガシャガシ

かみくだく。

監査女さん みたいな人が、
いてても、
大人に よって、
ウソだとか、モウソウだとか
何回も 学校の授業参観で、
いってるのを
ユキノジョウは 聞いてる。

それに、

ちゃんと聞いたんじゃないし、
副女さんが、
事務さんに、監査女さんから
いわれたって、
話してるのを
聞き耳してた だけだし。

「それってぇ、副女さんとかの
絡みになる話かなぁ~。ふ~ん。
それで、島に来たってわけかぁ」

ハジメは、
簡単に、何でもないように、
ユキノジョウに つぶやいた。

やっぱり スルドイ。

ユキノジョウは、ハジメに

「占いとかとは、ちがうから。」

いつか、
監査女さんが いった
ことばを、静かに伝える。

「なるほどぉ。
白鷺くん、僕は
そ~ゆ~『御告げ』には、
まだ
出会った事はないっていうかぁ
僕への『御告げ』は
聞いた事は ないんだけどぉ。」

ハジメは、真面目に
ユキノジョウの 顔を 見ている。

「 実際~、力が ある人 ってのに
お願いする人達を、
僕は見た事はあるんだよなぁ。
それこそさぁ 偉い人がね、
贔屓にしてたりするんだ~。
看板も出してない、紹介でしか
会えないとか?、
お心付けを、帰りにぃ壺へ
入れてね
なんて いうような 人だよん。」

ドラマに出てくるみたいな、
人って、どっかには いるんだな。

ユキノジョウは、
ハジメの 話に うなずく。

「 そんな『御告げ』ってぇ、
意外に優しくないもんだよぉ。
白鷺くんが、言ってるのもぉ、
なかなか厳しい『御告げ』だ。

じゃあ、それでぇ 凄く悩んで
しまっている人、いる~?」

どう?って、ハジメが
ユキノジョウに 問いかけるから
考える。

「 悩んでないと思う。準備して
いるんだと、思う。
ウソだってことも あるけど、
準備は するって 。
オレ、不安なんだよ。
何かあると、バラバラに、なる
気がする。わかんねーけど。」

オレは、副女さんと 事務さんの
話で、不安だった。

「白鷺くんはぁ、香箱ちゃんに
何かあるかもしれないって、
思ったんだねぇ。
自分が 守れないかもって?~」

ユキノジョウは、
また ただ うなずいた。

オレは、ムテキじゃない。
聞いた時、すごく 思ったから。

「フシギな力っての?持ってる人
いると、ユーレイだって、
神さまだって いてるって 思う。
そんなの、ぜんぜん、
ケンカになんない相手だと
思うけど 、バラバラになる
のも、はなれるのは、イヤだ」

それだけだな。
でも、話すと スッキリした。
ちゃんと、聞いてもらって
よかった。

「白鷺くん達の 年の子ってぇ、
言わないだけで、本当は~
頭の中では 沢山、考えてるん
だねぇん。驚いたよ~」

スッキリした顔の ユキノジョウの
オデコを、ハジメは
指で 小突いた。

「やめてよ!」

「あははぁ!ごめん、ごめん~」

ユキノジョウが オデコを
おさえる。

「白鷺くん~。副女さんにぃ、
その話をしたらぁ~。あの人は
ちゃんと 話てくれるでしょ?」

「わかった。」

ユキノジョウは、
手にした イチゴあめの 棒と、
ハジメの たこ焼きのゴミを
まとめる。

「あとぉ、香箱ちゃんにもぉ
何かは 言っとく方がいいよぉ。
あ、
ほらぁ、謝るにしても
スイーツ渡すとか?~。
キラキラした物、あげてぇ
あやまる!!大事だよ~!」

君って、マメだねぇと、
ゴミを まとめる、ユキノジョウに
あきれながら
ハジメが、電話の写真を 出す。

「ほらぁ、見て~。
クリスタル使用ペットボトル。
神戸ウォーターだよぉん。
これも 凄くキラキラでしょ?」

それって、
ハジメさんが いつも あやまるの
スイーツお土産にしてる
やり方なんだろ!キラキラって、

「あ。」

ユキノジョウが ハジメに、
言おうと した時、

『ヒュ~~バンッ!ドドーン、』

周りが おなかに ひびく音と
一緒に
バッと 明るくなった。

ユキノジョウは、思わず
耳を 両手で おさえる。

「わあ!!ハジメさん!
オレ、こんな 近くで 打ち上げ
初めてだ。花火すげー!」

『ヒュ~カッ、ドドォーーン、』

ハジメも、
音のすごさに、耳をおさえていた

「凄いねぇ!僕も 間近で花火は
初めてだよ~。凄いよぉ~」

海の風に
花火の 煙に においも してくる。
火の粉まで、落ちてきそうだ。


あの時。

『花火、見れるん?!』

ユキノジョウの問いに、
監査女さんが、
しまった顔をして、
次の子に キラキラ光る
コインを
わたしていた。

『ナイショやよ。』


ユキノジョウは、

もしかしたら、

この花火も、見れるってこと
だったのかもしれない。

空いっぱいに広がる 花火の下
監査女さんの言葉を
思いかえした。


ユキノジョウの意識が、

ハジメが取った、個室の
天井に 下がる
紙のランプシェードから

深淵に落ちて、
闇になる。

その黒は、心音が聞こえる中

島の 誕生会の お知らせの
黒板の黒に なって
視界が 開いた。

焼き菓子には、
みかんのジャムが
かかっていて、
甘い中に 皮が ほろ苦い。

『"ユリ?!"』

ユキノジョウの肩に、
やわらかいけど、甘い汗の
髪が、のっかった。

声をかけたけど、
あたまり、肩を動かせない。

ヤミに、重い、、。

『"まあ、いっか。"』

とりあえず、
肩にのっかる ユリヤの髪に、
スリスリと 何回も ほおずり。

男にも 美味しく
食べれて、
御満悦だった みかんパウンド。

夜の道のカンバンに、
『ようかい美術館』とか、
『迷路のまち』とか
なんか へんな文字が 見えて
気になったけど、

肩にのっかる髪ん においを
かいで、
ななめ下にある、ユリヤのヒザ。
で、
どうでも よくなった。



『"そんなに 美味しいなら、
お土産してくれて、
良かったんですよ"』

優しい黄色。
レモンのホテル

母親達は 悪びれるもなく、
レモンのサワーを
なぜか
御相伴に 預かっている。

それから、
時間が あるからか

疲れ テーブルに
うつ伏せて 寝惚け眼だった
ユキノジョウと ユリヤは、
レモンのホテルを、
2人で 散策する。

『"ペアなってますね。じゃあ"』

レモンのホテルに 宿泊すると
母親達に、話していた。

『"ユリ、イヤホン入れるよ。"』

ユキノジョウは、
ユリヤの耳に、

ユキノジョウが持つ
イヤホンを 突っ込んで
そして
自分にも スタンバイすると

スイッチを 入れた。

カメラの
使い方を 言われながら。


夏の夕方は 昼間の様に
まだ 全然、明るい。

体験にくる 旅人も
レモンのホテルには
現れそうにない。

ユキノジョウと ユリヤは
2人きり。

指示される ままに、 進む。


ユキノジョウは、
ダダッと、階段を 上りきり、

今度は
ユリヤの腰を 抱いて、

目指す 部屋に
もうダッシュを かける。

ん、、
ユリヤの手が
自分の腰にあって、
自分の 手が ユリヤの腰に
回ってる!!と 思うと、
とたん、 ユキノジョウは
回りの音が 消えた!
気がした。

スローモーションだ。

優しい黄色の光に
ホテルは 包まれて いる。

自分の心臓が バクバク
してるのだけ が 感じて、

みょうに、腰の手に
ドクドク 感覚がして、
ユキノジョウには

自分の顔が あつい。

大人なら、
青春の 酸っぱさや、
爽やかさを、その色味の世界に
感じるのだろう。

公開告白をする
シンギのせい、
うちの学校は
カップル率が 高い。

『"彼女には 男は こーゆー時、
イス、持って行けって。
中突堤で サプライズ花火、
あるってよ!"』

トウヤは彼女、
アゲハも 彼氏がいる。

ユリヤの浴衣が 似合っている。

せっかく、2人の宿題を
ジャマするな 。消えろ!

未知への 予感に
ワクワクと 進んでいく。

外の遊具で 並んで とか、
外の 檸檬色の 布で戯れてとか。
学校で 遊ぶような
じゃれあいの
いろいろ 。

「ほほレモン?何?それ?」

ユキノジョウが 呟く。

優しい 黄色の
縁側。
目の前には、

たわわに 実る レモンの木。

「アート体験だって。」

ユリヤは、
にっこり として 伝げた。

レモンを
ユリヤが 手に取り、
なので
ユキノジョウと ユリヤは、
躊躇いもなく
ユキノジョウは
レモンを 弄び
ユリヤを 見投る。

「何これ。」

ワクワクで
始まった感覚。
星空は、レモン距離

カメラのシャッターを切る。

「で?」あれで、

「終わり?」

大人なら、
もっと違う感覚を持てたのだろう
けどと、思いながらの

ユキノジョウの問いかけに
ユリヤは、頭を 傾げた。

少し、考えた風にして
2人で 笑って、ユリヤが

1つ籠から
レモンを 手に した。

そして、
ユリヤはレモンを カメラに置く。

ユキノジョウは、

レモンを 見つめると、
恐る恐る
ユリヤの体に、
レモンを 乗せた。

「本は ないから、ユリん上。」

ユキノジョウを 見て

ユリヤも 自分の体に 並んで
レモンを 乗せて、

ユキノジョウは
ユリヤのレモンを 見つめる。

乗せたレモンを、
手に して
ユキノジョウは

と、口に ユリヤのレモンを
近づける。
ユリヤは 頬を
ユキノジョウに 出した。

そうして、
ユキノジョウは
手にした レモンを ユリヤに
見せて、

「撮るね。」

ユリヤが 合図をする。
シャッターが 切れる音がして、

ユリヤに 添えられた
レモンが 消え

ユキノジョウの口が
ユリヤの頬に 寄せられた
感触に

ユリヤから
レモンが 落下する。

ユキノジョウが、
レモンが 『ボン!』と、
爆発 して見せた。

最後のミッションを
終わらせたと 言うことか

『"ユキノジョウ達、
みんな見てて、気がついたら、
紙テープ投げてさ、
結婚式みたい だったぞ。"』

落ちたレモンは
破裂して
2人は
爽やかな
酸っぱくて 甘い 香り に
包まれる。

お客さんに エンディング用に
配ってた、紙テープ、

紙吹雪が 舞台に降って

破裂した レモンを
目の前の レモンの木の根元に
隠して

たわわに 実る レモンを
もぐと、自分の手のレモンを
ユリヤに 渡して、

2つのレモンを
中に 戻させた。

ユキノジョウは、
ユリヤと 二人並んで、
手を つなぎながら、

抜け出て 神様の場所に 行く。

まるで、二人の魂
ユキノジョウと、ユリヤが
代わりを
次いだみたいに

ユキノジョウは、
人差し指を 口に当てていう。

『"オレの シラサギ 動かしてた
けど、時間、
止まってるみたい だった。"』

誰もいないぐらい
静かで

リーーーーン
リーーーーンって、音だけ が
頭と 境内 に ひびいてる。

ユリヤのこえ が 耳元にして。

ユキノジョウは
あれ?っと思うが、

カイトは ニカッと 悪い顔して、
ユキノジョウを 見る。

『"二人の 共同作業 だろ?"』

体を起こした。
ユキノジョウも、
顔だけ、
機嫌を悪そうに 起きる。

わっーー!!
『"ニャーニャー、ニャー、"』

カモメ?の大群、走る。

『"ニャーニャーニャー"』

『"ユキくん!!!"』

ユリヤがさけんだけど、
『"ガッ!!"』

ユキノジョウは、
自分の頭を
カモメ?につかまれ 頭の皮が

『"ムケタ、、、。"』

終わりの音楽と
三番叟の猿回しの ヤツらが踊って

舞台の役者も
みんなが、
好きずきに踊ってる。

『"ウソだろ。っっっ!!"』

母親達に ユキノジョウは

ムケタ ところに
消毒液を ぶっかけ
頭を シュワシュワさせた
ユキノジョウは、
涙目になった。

あわ、これ。


『"終わった。もらした。"』


ユキノジョウの意識が、

深淵の底から、
浅瀬に 浮き上がって

薄く明るい中、心音が聞こえると

ハジメが取った、個室の天井に
下がる
紙のランプシェードに

戻って、夢から覚めた。

あああああ、、、、。

もらした。と、思った。
けど、
2度見して、これ、ちがう、
においで わかる。

マジか、夢で やるのが
さいしょって、

どんな 夢 見てたか、わすれた。
それよか、
凹む。どーすんだ。あー。

ユキノジョウは、寝転がったまま
頭をかかえて
天井の電球を 見つめる。

きっと ちっさい子どものだ。
手書きで、
マジックの絵が 書かれた
紙の傘が、ついてる。

「ユリに あんなこと したから。」

それか、
自分の 体が、こんな風に
なって きたから、
ユリヤに あんな キスしたか。
くっそー!
どっちか わかんねーぞ。
オレん体


ユキノジョウは、
上半身を 起こして、
フトンがわり
かけてた、バスタオルを
こしに まきつけた。

ソロソロと、四つんばいで、
フトンから 動いて
思い出す。

昨日、
港に、白いオープンカーで、
ハジメの着替えを 取りに行って、
そのまま 盆踊りに 行った。

ラストの花火を、見て
オープンカーで、ゲストハウスに
戻って。

ユキノジョウは、
ハジメが 取った 個室のフトンに
そのまま 寝転がって。

中に入らないで、寝たから
バスタオルを かけてくれたのは、

・・・ハジメさんだろうな。

ユキノジョウは、
かけ フトンも、しっかり
ぬれてるのを 確認して、

「あーー。もー。」

っと、つい 声を出してしまった!

さっきより、カーテンの外が
明るくなった 個室で、
となりの フトンで 寝てた
ハジメが、「んんん?」と

体を 動かして、ボーッと
目を開けた。

『チュン、チュン』

外の鳥のこえが よく 聞こえる。

ユキノジョウは、
こしに バスタオルを
まいたまま
かけフトンの上で、
体育すわりを するしかなかった。

「鳥ってねぇ、3次元と4次元を
行き来する 生き物なんだって」

ハジメは、おはよ~と
大きく伸びを しながら そんな
関係のない ことを いってきた。

「意味、わかんねーぞ。」

ユキノジョウは、
ハジメを 見もしない ままだ。

「 どぉしたのぉ~。機嫌わるい
けど、まだ寝てても大丈夫~
僕はぁ、
トイレいくねぇ。?!」

体を 起こしたハジメは、
そこで ユキノジョウの 様子が
ようやく わかった みたいだった。

「あれ。もしかしてぇ、、
うん。うん。そっかぁそうか」

あ~、どう?あ、荷物とる?
えっとぉ。
そんな ことをいろいろ
ユキノジョウの となりで
あせって

「大丈夫だよぉ。」

ユキノジョウの 頭を ハジメは
ポンポンとして 抱きしめた。

「ハジメさん、これBLっぽい、」

フキゲンな顔をして、
ユキノジョウが ハジメに いうと

「えぅ、って~もうさぁ、どう
したら分からないんだよぉ。
何?おめでとうとかぁ?
大人の階段登ったねぇとか?」

自分が寝てた フトンの上で、
ハジメも あぐらで、すねる。

「それも、キモチわるい。」

まだ、ユキノジョウは
体育すわりの ままで 答える。

「でしょぉ。本当~経験値ないん
だからさぁ僕は。という事でぇ、
ここ、朝風呂開いてるから~
一緒に行こぉ。洗濯乾燥機も
あるし、先に 回してしまお!」

ユキノジョウの荷物を、
ユキノジョウ側に 引よせて
ハジメは 自分の 荷物からも、
タオルを 出した。

「 ばれないのはぁ、今の うち
だよん。ほら、いくよぉ~」

かけフトンも、ハジメは持って
出ていく。

仕方なく、ユキノジョウも
替えの パンツとズボンを サッと
ひっつかんで、
ハジメの後を、バスタオルまきで
追いかけた。

昨日、
ハジメと 2度目に会った
大浴場に
ユキノジョウは、つれられ、
着てた服を 全部ぬぐ。

かけフトンと、
その においのある服を
気にもせず
ハジメは 洗濯乾燥機に
つっこんだ。

「ハジメさん、ごめんなさい。」

ユキノジョウが、同じく服を
ぬぎ 始めた ハジメに、
あやまった。

「 いいよぉ別にたいした事 して
ないから~。ほら、宿とかの
布団って 撥水性もいいしねぇ
敷き布団もぉ、 畳も 大丈夫~」

ハジメは、ユキノジョウに
クセなのだろう、ウインクをする

朝1番の大浴場は、だれもいなく
ユキノジョウは、ホッと
安心した。

昨日いた、おじさん
みたいなのいたら
やっかいだ。

とにかく、体をシャワーで
流して、ユキノジョウは 洗った。

「 白鷺くん~、お父さんにでも
ほらぁ、体の成長ってゆうの?
これからさぁ、あるじゃない?
保健で習ってるかもだけどぉ、
またさぁ、
聞いておくといいよぉ。」

ハジメも、ユキノジョウのとなり
に、来て頭をあらう。

ユキノジョウは、
鏡から、ハジメにキョトンとして

「オレんとこ、父さん、別居。」

伝えて、頭にシャワーをした。

「わぁ。そうなのぉ。ごめん。
あ、なら、ほら、PTAでさぁ、
役員のお父さんとかにぃとか」

頭を アワアワにしたまま、
ハジメが ユキノジョウに、
あせって ことばを 続ける。

「うん、でもぉ、ほら誰でもじゃ
ないかな~!そうだぁ、お仕事
で 守秘義務ある人が
いいかも~うん、
人は 選んだ方が いいよぉ。」

そして、頭のアワアワを
シャワーで流して、お湯にむかう

オレは、ちょっと 考える。
会計男さんと かってことかな。

「守秘ぎむってベンゴシとか?」

「うん!そうそう~、弁護士とか
お医者さんとか~、そんな感じ

普段からさぁ 守秘義務が体に
染み付いてそうな~
大人ならぁ
ちょっと 聞いてアドバスして
もらっていいんじゃない?~」

ユキノジョウも、頭をシャワーで
流して お湯に入る。

昨日も、
こんな風にして 話てたから、
ユキノジョウは、笑えた。

「アハ。なんか こんなのばっか」

この 白しけメン、ハジメさんが
いってるのって、

保健体育で いってた
『朝のセイリゲンショウ』って
やつの
こと なんだろーなー。

そんなの聞けるのなんか、
会計男さんイッタクに決まりだ。

会計、書記、監査。
3役は『 シュヒギムゲンシュ』な
何かあったら 相談できる
仕事をしてる人を
1人は あてるって、

事務さんが いってた。

そのかわり、総合委員長は
お父さんも、お母さんも、
地元出身でお店をしてるみたいな
人に おねがいする。

あと、芸能人とか テレビ局とか
の人は 委員長にスイセンする。

それを、自然なかんじで、
するらしい。

だから
会計男さんだなーって
ユキノジョウは、お湯にあごまで
つかって ハジメに聞く。

「ねー。体と、気持ちと、
ならさ どっちが先なの?」

また、お湯で泳ぎ始めたハジメは
ユキノジョウの 問いに
考えているように 間を あけて。

「白鷺くんの体の 変換とぉ、
香箱ちゃんへの気持ちって事~」

うん、とユキノジョウはうなずく

素直でぇ、哲学的だぁ~とか
ハジメは 面白そうに いいながら

「一緒かなぁ僕はそう思うよぉ」

だってさぁ、男って そんなもの
なんじゃないかなぁ~。ってね。

ハジメは、そう笑って
お湯を 泳いだ。

それを見ながら、ユキノジョウは
心の中で、ハジメに

ふーん。そっか、ありがとね

と 礼をいう。

ハジメさんは、

お風呂から 上がると
オレが 汚した、洗たくの中のが
かわくまでに、

朝ご飯の 玉子かけご飯を
すごい いきおいで
食べて、仕事が あるからって
風みたいに、
チェックアウト してった。

子どもみたいだと、
思ってばかりの 白しけメンは、
オレのために、
夜、いてくれたんだと
その時 わかった。

ちゃんと、フトンのこと
ヒソヒソと、スタッフさんに
いって、あやまってくれても
いた。

あと、

昨日、大浴場で 島のおじさんが
教えてくれた とーり、

朝ご飯は、和食をえらんだ。

出された
玉子は、すげー コクがあって
ぽよほよってしてて、
大きな
カツオブシと 味ぴったし の
バツグンに うまかった。

で、もーすぐ
チェックアウトするってのに

「 ユキノジョウくん荷物そこに
おいて、サンドイッチ作るの
手伝ってもらっていい?」

副女さんは、
スタッフの人に、お昼の
テイクアウトで、
サンドイッチを お願いして、
数が 多いからって

わざわざ
それを 手伝っていた。

それは もう、
役員の『サガ』だと 思う。

そして、

まだ、共同作業するの、
ぎこちないから、

オレは、
食堂のイスに 荷物を おいて、
やけに
ノロノロと、
サンドイッチの 具を はさむ。

そうすると、
ユリヤも、だまって
ユキノジョウが 具を
おいた のに、
パンを
しずかに のせていく。

気まずい、けど、
昨日よりは、ユキノジョウの
気持ちは マシ だった。

ハジメさんの おかげ かな?

だから、

「なあ ユリ、昨日さ、オレ また
夜に、花火みた。すごかった。」

しゃべろうと
オレが 口にしたのは
ハジメさんと 昨日、
港の盆踊りで
見た 花火の ことだ。

「え、昨日の 花火、見たの?」

あ、花火で セイカイだ。

オレは、よしって
心ん中で ポーズして 思った。

「うん、ハジメさんに 夜さ、
港ん つれて もらったら、
盆踊りとか しててさ、
それで 見れた。
ユリ、、、見たかった?」

オレが まだ、ユリヤを
見れないで
様子を 声で
うかがうと、

ユリヤは、
パンを のせる手を 止めて、

「うん。」

と となりで いった。
から、オレは すかさず、

「あー。あの、 ごめんな。」

今だと 思って あやまる。

ドサクサだと 思うし、
他ん子なら、
いっしゅん
どれを あやまってるとか
分かんないと 思う。

けど、

「いいよ。」

と、ユリヤは いってくれた。

きっと、何かとか わかっていて、
それで ゆるしてくれて、
だから、
とりあえず 終わった。

良かった。

だてに ほとんど
365日 いっしょじゃない。
けど、
何でも、ぜってーじゃないからな

そこからは、
サンドイッチに
どんどんと、 具が はさめて、

テイクアウトって お昼 準備は、
すぐに 出来た。

「じゃあー、荷物まとめて
チェックアウト だねー。
アコー! アコーどこー!」

ユキノジョウの 母親が、
さっきから 姿が見えない、
アコを
大声で呼ぶ。

ほんと、あの子、お昼を作るの
手伝いもしなくって、
どこー?!もうー。

と、いいながら
2階に上がる階段とか
母親は 探してる。

そこが、子ども達の 定位置
みたいだからだ。
でも、アコは、そこにいない。

アコの声は、意外に
外から 聞こえたのだ。

見たら
ゲストハウスの 玄関から、
アコの頭が
ピョコンと のぞく。

そして、

「お母さん!アタシ、お昼まで
ここにいる!ここの子達と、
まだ、遊ぶ!!だから、
後から むかえに きてね! 」

そんな 事を すごい 笑顔で、
母親達に センゲンして、

アコは
ここの スタッフの子ども達と
外へ 走って 消えた。

いつも たいしたヤツだと思うよ。
すぐ、だれとでも仲良くなる技が
ハンパないのだ。

ああなった、アコは どうしようも
なくなる。

「副女さん、ごめんねー。
今日って
予定、どんな感じかな。」

それが、わかってるから、
ユキノジョウの母親が、困って
副女さんに あやまる。

「いや、いいよ そんな。ほんと、
アコちゃんの 順応性の方が
ほとほと 感心するわ。
まあ、
午前中は、最後に もう1つ
アートを見てから 浜に行こう
かなって、思ってたぐらいよ」

だから、アコちゃんが 残るなら
サンドイッチの お昼を
アコちゃんの分
置いてきますけど
と、スタッフに
おねがいをしてた

スタッフさんも、
子ども達が、すいませんとか
話してる。

そっか、アコは 別行動か。

オレは、ユリヤから
「いいよ」を
もらったから、昨日の夕方と
ちがって、
午前中は、また ユリヤと
いっしょに 回れる。

そう、思うと、やっぱり
あやまって 良かった。

アコを はさんで、
オレと、ユリヤが
並ぶことは
とりあえず
今日は 『カイヒ』出来たわけで、

アコは 好きに 遊べばいいと
思うだけだ。
セーフ!!

あれ?
でも、オレって 何をユリヤに
あやまったんだろ?

花火をユリヤ達に
ナイショで、1人で見た
とかじゃない。

昨日のレモンのことだけど、
何で
あやまったんだろ?

ユリヤは、
何を ゆるして、
くれてんだろ?

あれ???
なんだ? よくわかんないな。

ハジメさんは、
あやまっといた方が いいって
いってた。



ユキノジョウ達は、
アコ以外で

電動自転車を 港まで こいで、
一旦返却すると、

今度は 軽四の車を
レンタルして、

予定した 次のアートへと
4人で
向かうことにした。


結局、朝に船に帰ってきた
ハジメは、

そのまま
石工房に、ゲストを案内して
無事に、工房での 体験も
終えるところだ。

『 今日も 島のアートを鑑賞する
のだけれど 、1番最後に
見るといい
場所とか、ありますか?』

そんな風に、ハジメが ゲストに
相談される。

ヨミと、シオンは 側で 聞きながら
ハジメが どう答えるか、
興味津々の 顔をしていた。


ハジメは 淀みなく
言葉を 紡いだ。

『 この島の最後を飾る アートを
1つ挙げるなら~、この場所で
しょうねん。その場所はぁ、
色で 例えるなら そうだなぁ

まるで~
現代の ポンペイ・レッドな館。

2000年前にぃ、ベスビオ火山噴火で灰に沈んだ都市の~
古代遺跡、赤の壁館を~彷彿と
させる アートですよねぇ』


そうして、
ユキノジョウ達は、この島で見る
最後のアートへと、進む。

午前とはいえ、
すでに 夏の太陽が照りつける
その 独特の 景観の野外から、

館に入った途端、
ユキノジョウは、
血のように真っ赤なガラスから

外の景色に
“あの世”を 見たみたいに
感じて、ユリヤの手を握った。


『黒い 古民家が、まるでぇ、
2000年の間ぁ~、鮮明な
赤の壁画 を時間と 風雨から
護ってぇ、
まるで シリカゲルの如くね
保存をした 灰や溶岩ドームの
ように~ 感じてしまうのは
館のアートの赤が
印象的だから でしょうねん~ 』


館を ユキノジョウ達は
その まま順路に 連なって行く。

どこか、あの世を並んであるく列に並んだ気分だった。

中を 行ってると、
ユキノジョウは 今まで 考えた事が
ないけど、
『生まれる』とか 『最後』とか
『生まれる前』とか『最後の先』

みたいな、
道徳の時間に 感じる
どうしたら、いいか わからない
気分になる。

怖いような、
必ずやってきて、
何回も 運動会で、スタートの合図
する ピストルを
聞くのを
くぐり抜けてきた気分に なった。


『生きているような 鮮烈な 赤とぉ
秘儀の間に~ 描かれたぁ
秘儀の絵をぉ
見た時に 感じた 背徳の美しさ
に 圧倒されたの時の 感動をぉ、
ふとねぇ 思い出しましたよ~』

そうすると ユキノジョウには、
いたるところの 赤が、
血のようなのに、

死神が いる場所には 感じなくて
その真逆な感じもある
不思議な 場所だと 思った。


『まるでぇ、
けだるい 夏の夜に見る
"生死の祝祭"みたいだとさえ
思ってしまうようなぁ
ファーストスペースがあってぇ』

ふと、
外をみたら 石の庭に
赤い川か 池みたいなところに
コイが 泳いでる。

大きいのに、
同じもようの 小さいのもいる。
小さいのは、
生まれた コイ だと
ユキノジョウは、わかった。

川は、円筒の建物と 交わって
流れている。


『次にはぁ 滝の塔があるんです~
そこは~
まるでぇ 上も下もない 無数の滝
みたいで、囲まれているとぉ、
ほらぁ ニュートリノの観測器の
中にでも 放り込まれたみたいな
感覚になる 塔なんですよぉ。』


塔の中に 入って
ユキノジョウは 驚いて、
もとの口に 戻りそうになる
円塔の中 には
何千もの "滝のポスト
カードの タイル"が
ぎっちりと 貼りつけられ
天井と床が 鏡になっている
だから 上から
下へに 流れる
滝の中 底なし井戸に
落ちそうだと

びっくりした。


『塔と川はぁ、男女なんでしょう
永遠に 怒濤にながルル 滝とぁ
鯉が泳ぐ 羊水 といったところ
でしょうかねん~。 死の祝祭で
ありながらぁ 生々しい
人のエネルギー。そんな 場所』


トイレ
さえも、
魔界で、
ユキノジョウは
こんな
トイレじゃ、
毎日 困ると、
ビミョーな
気分で、
用を足した。


『真っ赤な世界はぁ、
覗く彼の岸から
“この岸”を 見せてくれる。
そうしてぇ
信仰、生死のエネルギーを
思わせる 時間はぁ、
宇宙に漂う
僕をぉ 自由に解き放つ 体験を
させてぇ、現実に戻してくれる
うん!この島を
出る時に ふさわしい アートじゃ
ないかなって 思ってます~。』

ハジメの 答えに、
ヨミと シオンは

どうして そんな風に アートを
読み解けるのに、
いつまでも
『家庭的な嫁』を
追い求める
自分の姿を
読み解くが 難しいのか
と、

ため息をついた。

出来る事なら、ボスである
オーナーには 本人が望む
家庭的な結婚を
してもらいたい。

ギャラリースタッフの
ヨミも、シオンも
心から 願っているのを
全く 知りもせず

ハジメは、ゲストに
子どものように 本人のクセであるウインクをして
笑っていた。


「 ユキノジョウー!ハジメさん
っと 昨日は部屋、一緒だったん
でしょー?
どうだったー?
なんか、会ってすぐの
男の人と泊まるっていうの、
お母さん 意外だったよー?」


ユキノジョウ達 4人は
島で見る
最後の アートの 鑑賞を
終えて、
ユキノジョウの母親が
運転する レンタルした 軽自動車に
乗って、島を走っていた。

港で レンタルを している、
電気自動車は
2人乗りだけだったので、
ガソリンスタンドで、
借りたのだった。

「 なんか、モンスター大人じゃ
ないかって 思ってた。
けど、 ちゃんと 話
聞いてくれる へんな人。
まあ、いいヤツだよ。」

軽自動車は、思いの外
コンパクトで、 仕事で忙しい
母親を いつもより
近く感じる。

そもそも、母親は ここ1週間
不在で、父親の家に いてた
ぐらいなのだ。


ユキノジョウが 隣を見ると
ユリヤも、ユキノジョウを
見ていて、視線が合った。

とくに、お互い
何かを 言うわけでもないし、
もう、気まずくもなかった。

「ハジメさんの 非常識さは、
たまに、びっくりするけど、
基本、真面目な 男だよ。
まあ、『ぼんぼん』だからね、
モンスターVIPが 出たりある」

副女が 助手席から
ユキノジョウに 振り返って、
笑っている。

ハジメに出会ったボランティアの
チームで、その『ぼんぼん』さに
助けられ、
『モンスターVIP』に、
迷惑こうむった事から、
仲良くなったと 馴れ初めを
話す 副女。

大人になってからの、
男友達は 珍しいと。


ユキノジョウ達は
最後に 海に行く事にして、

島の南側にあるという、
『神ノ子浜』に 車を走らせる。

副女曰く、
里山がある 原風景の 島の北側と
違って、
島の南側は
白砂の 乾いた 海岸に、
オリーブが
ある山が
青い海まで迫って
まるで 地中海リゾート気分が
味わえると言う。

実際 リゾート浜化したが、
撤退して、施設が そのまま
残った 状況だとも 。

この旅に来て、
ユキノジョウは
いつもより ユリヤと居ている
はずが、
意外に 別行動が 多かったから、
漸く、
一緒に いる狭い車の
今、
とくに どこに行くでも 良く
全く 気にならない。

それでも、
昨日から いるこの島で、
今走る道の 様子は、
見たことがない。

あまりに
うっそうとした、
背の 高い草が 密集するように
両側を 囲う道。

不安になる。

軽自動車を 運転しながら
ユキノジョウの母親が 話す。

「それでも、全国をギャラリーで
移動するってー、どんな人って
感じだわ。名刺もらっとけば
良かったかも!しまったわ!」

と、少し車がバウンドした。

「ねぇ、、 道あってる?」

隣のユリヤの顔を 見ていた
ユキノジョウが
たまらなくなったのか
前の 大人達に 確認する。

いつの間にか
アスファルトが なくなって、
車を走らせているわけで。

「大丈夫だよ、だいぶ前だけど
来た事 あるし。でも、
まだ
リゾートの経営をしてた時
だから、
まだ、拓けてた感じなんだけど」

副女も、どこまでも
続く 草の伸びた道に、
自信が 揺らぎそう なのか、
車窓の風景に、苦笑だ。

「え?!なに!それー?
リゾートって、元リゾートって
こと?もしかして
向かうのって 廃墟の浜ー?」

電話を 地図案内機能に して、
ハンズフリーにセットをしている

ユキノジョウの母親は、チラリと
横目で
その 地図を 確認しつつ 嘆く。

「ごめんなさい。そうなるの
かもね。でも、海はキレイよ。
あ、
海に続く 桟橋も 残ってると
思うし、ほら 人少ないのも
ディスタンスってことでね。」

そろそろ、見えるんじゃ
ないかなー?と副女が
前を 指さして 言う。

さすがに 延々と
山道 みたいな 風景で、
前も 後ろも おんなじ 見えかた。

「えー?!海への道!
なんか いー感じじゃん!
オレ、全然いいよ 、その海!」

ガタガタと、
車体が 揺れるような 道。
本当に 道 あってる?
と、母親が呆れるが、
ユキノジョウは ユリヤに、

「あのさ、
ユリにっ、わたしたいの ある
から、海ついたら もらってよ」

そう 言うと、
ユリヤが、目を細めて
頷く。

ユリヤの家は、
父親が 単身赴任で
1年で 何回かしか、会えない。

誕生日と、お盆、クリスマスと、
年の瀬。

その時は 必ずプレゼントと、
お土産を ユリヤに
渡してくれると、前に
言っていたのを、

ユキノジョウは、思い出して、
次に 言う言葉を 口にしようと
して、

前方に、何か 看板が
見えたのか、前の2人に
遮られた。

「良かった!?案内でてきた!?
かな?」

副女が、目を細めて確認している

何か違うかも?とか いいつつも、

「 ユキノジョウ!生意気な事
言っちゃってー。
すっかり、男の子って感じじゃ
ない ?やだぁ、子どもの成長っ
て、早くないー?って、」

ユキノジョウの母親はからかう。

様子が 違う事に 気がつき
1度 軽自動車を、
止めて、看板を 見る。

「ねぇ、副女さん、
これ 道、
間違ってる? もしかして?」

┏一一一一一一一一一一一一一┓
┃この先は 立ち入り禁止┃ ┃事前に 見学は 以下に連絡を┃
┗一一一一一一一一一一一一一┛

副女と、ユキノジョウの母親は
道が 二股に別れていた、反対側 に
行けば良かったと
愚痴り、

Uターンして アクセルを
踏み込んだ。
ほどなく、ユキノジョウの母親が
副女に 聞いてくる。

「ねぇ、さっきの場所って、
奥に 行くと、
産廃事件の場所になるー?? 」


その問いかけに、
副女は 助手席から 答える。

「察しの通りよ。
今から 向かう『神ノ子浜』と
産廃の場所っ、ほんと近くって
その気になれば見えるぐらい。」

ユキノジョウは
よくわからないという、顔で

「副女さん、サンパイって何?」

聞いたのは、
ユリヤも あまり分かっていないと
察したからだ。

「あ、そうだね。ごめんよ。
産廃は、産業廃棄物で、ゴミ。
なんだけど、普通の家からでる
ゴミじゃなくて、会社・工場・
お店からでる 決まったゴミね」

軽自動車は、
道を戻って、二股に別れた
分岐点に ついた。
よくみれば、
うっそうとした 草の間に、
浜への道を示す
看板が ユキノジョウからみえた。

「日本ってね、世界でゴミの量が
1番に 多い国なんだよ。
こんなに、狭い島国なのに。」

ユキノジョウと ユリヤは
副女の言葉に、軽く驚いている。

「テレビで 日本って外国の人が
道にゴミが おちてないって、
びっくりするんじゃないの?」

そう ユキノジョウが 疑問を言う。

「そうだね。ゴミへの意識が 高い
から、街の道は 皆の意識で
キレイなんだろうね。
で、それでね、家のゴミは
市町村で 処理するのね。
でも、
産廃は別で、事業者が処理する。
ゴミの受け口が 別なのよ。」

ゴミの行方なんて、考えた事が
ない、子供達は ピンと
きていない。
そして、目の前の
伸びた草が 途切れて
建物が 幾つか見えた後

浜辺が見えて来た から、
気持ちも そぞろ になってしまう。

「まあ、そんな訳で 産廃が、ここ
から見えるぐらい近くに、
違法に、持ち込まれたのよ。

『神ノ子浜』はね、天皇一族に
纏わるの伝説 とか、
縄文弥生時代の 遺跡が
ある様な 島を代表するぐらいの
浜辺なのにね。あぁ、これは」

そう言って
軽自動車が 到着した場所は、
確かに
無人になった 白い リゾート浜だ。

真っ青な海に 向かって 何処までも
伸びて いそうな、
白い 桟橋も 廃墟さを
どこか 物語っている。

「ここって、」

まるで、無人島に
流された
気持ちに ユキノジョウは なって。


「つわもの共が 夢の後って浜ね」

副女が 囁いた。
『ウーーーーーーーッ ッ ッ ッ 』


ユキノジョウは、
いわれた ままに

目をつむって、海を向いて

これからも 世界が 平和なように
モクトウってのを
した。

浜には、ユキノジョウ達しか
いなくって、
完全プライベートビーチだ!!

「まあ、そんないいもんじゃない
プチっと廃墟ビーチだわ。
逆に、この島じゃ、嫌みやね」

後ろで、副女さんは
いうけど、気にならないな。

だって、海の家のあと?
テラスじゃない?とか

副女さんと、母親がいってる
白いハウスには、
塩で サビてるけど、ビーチチェア
テーブルだってあるし、
水の出ない
シャワーで、着替えれる。

てか!
誰もいねー!!サイコー
オレこんな
ぜーんぜんっ 人いねー海とか、
プールってさ
来たことないぞ!

いっつも、人いっぱいだし。
コミコミ ふつう。
なのに、誰もいねー!!!

まあな、
ちょっと 見た目アレだけど、
こーゆーテイストのインテリア
って思えば へーき。

アトラクションっぽい。
白い、ニセモノのヤシの木とか、
ハゲててさ、
夏の 明るいハロウィンだな!!


「先に ゲストハウスで作ってきた
サンドイッチ食べようか?ほら」

時計を 副女さんが
母親に見せて、お昼を 出してる。

ユキノジョウの母親は、
どっかから、
くたびれたパラソルを
見つけてきた。

「そうしよっかー。じゃ、食べて
海に行く?ユキノジョウ 、
ホテルの紙袋に、水着買ってる
の 入ってるし。ピンクの」

げっ!ピンクのバナナの絵とか
じゃないだろな!

ユキノジョウは、
昼のサンドイッチが、広げられる
のを、見もせず

車の荷物から、紙ふくろ
を出して 見る。

ピンクに、バナナじゃなく、
ピンクに、ネズミのキャラだ。

よしと、しよう!

そうして、
荷物を 持って もどると、

浜に、はじっこが
ちぎれた パラソルが さしてた。

パラソルのくいも、
のこってたか。

その、パラソルん下で
副女さんが、

「今日は、終戦の日だからね」

っていって、時間に
モクトウを したのだ。


それから、ボロテラスで すわって
お昼をする。

「「いただきまーす!」」

ユキノジョウとユリヤは、
ラップになっている
サンドイッチを 口にした。

「あ、なんか 普通に挟んだだけの
サンドイッチやのに、美味しい」

ユキノジョウの母親が、
声にしたみたいに、
なぜか おいしく感じる。

「本当。マヨネーズとか、チーズ
が違うんだろうけど、野菜が
新鮮やし。凄くわかる。」

副女さんも、ユリヤも
おどろいた顔を していた。

ゲストハウスで作ってる
レモンウォーターも、
すごく レモンのすっぱさと、
においがして、
ユキノジョウは、
ゴクゴク
飲めてしまった。

でも、
1番おどろいたのは、

いつもスクール水着キテルのしか
見たことなかった
ユリヤにだ!

ギンガムチェックっていう
赤と白の むねんとこに
フリルってのが ついた
水着か!

おわった。

「わあ、ユリヤちゃん!可愛い
水着にあわせて、白のリボンも」

「でしょ。もう中学なるし、
スクール水着もないしね?
相変わらず、髪は おだんごに
するとこが、授業まもるユリヤ
っぽいとこだから、リボンでね」

学校なら、
水泳ぼうに、女子は
かみをいれないと、おこられる。

「もう、中学なるもんね。
頭に 水中メガネして、外でも
泳ぐの、今年で 終わりかー。」

ユキノジョウの母親は、
フフーっと、ユキノジョウと
ユリヤの 頭に着けてる
メガネを 指さした。

そっか、
中学って 外のプールじゃ メガネ
しないのか。忘れてた。

じゃあ、水着のポケットに
入れたヤツ、
ユリヤは どこに入れるんだ?

水中メガネの いいとこは、
お金とか、ポケットがわりに
入れれる とこなのに。

ユリヤは、もともと 食べるのが
少ないし、
ユキノジョウは サンドイッチを
バクバク食べて

浮き輪に空気をいれる。

大人2人は、のんきに、
お昼を しながら
ビーチチェアに ねそべって
しゃべってる。

ボロテラスには、
ちゃんと 屋根があるから、
日カゲなって、海から風もある。
かいてき なんだろ。

ユリヤが 日焼け止めを
ぬっているのを、
ユキノジョウも 手伝って

サンバシが伸びてる、
真っ白い 砂浜の 海に
泳ぎに 出た。

ちゃんと、
リゾートの浜をしてた時は、
サンバシに、クルーザーが
直接きて

ビーチハウスで、
今 流行ってるみたいな
グランピングっぽいのが

早くに やってたって
副女さんが、教えてくた。

そのサンバシは
ちょと ガタツイてるけど、
アーケードもある。

あそこで、
ユリヤに ポケットのを
わたそう。

ユキノジョウは、
波にゆられて
浮き輪につかまる
ユリヤと、
サンバシを 見ながら

キゲン良く 遊ぶ。
何を残すの?


少しずつ目指す、浜に向けて
ハジメ達を 乗せた
船は、
ゆっくりと 青の波を
進む。

午前中の ゲストを
石工房に連れて、

そのまま
ゲスト達は それぞれ
この島を堪能 すれば
次の島へと
キャラバンの様に
移動していく。

「この島の東って、まるで
南国ですね!
白い断崖の 間際まで、緑が
あんなに 迫ってますよ!」

スタッフのシオン君が、
凄い勢いで、デッキまで降りて
直下たつ 海岸を 仰ぐ。

「東側になるんだけどねぇ。
こっち側の島影を見れるのはぁ
釜山の航路客ぐらいだよねぇ。」

東西南北~、こんなに島の印象が
変わる所も 珍しいよねぇ。

「オーナー。東周りで、島の南へ
向かうでよろしいのですか?
南は、消滅集落と墓地が ある
ぐらいですが。」

ハジメと、シオンと並び
ヨミも デッキに出てきている。

「見事に北側はぁ、人の生活も、
アート振興も進でいるのにねぇ」

南はねぇ、亜熱帯的な植物が
多いためかな~、
かつてはさあ、
リゾート開発される 兆しも
少しはあったんだよ~

「南のリゾートっぽい話も~
撤退してぇ、そのまんまみたい
だからねぇ。ちょっと見たいん
だよねん~。わがままだよね~」

そして、ハジメは
出来れば 昨日、
牧師に 聞いた場所に 行って
みたいのだ。

港からさあ、 車を走らせても~
構わなかったんだけどねん。

ふと、この東の海岸線を
船から 見たかったのと、

南に残った 桟橋を
使ってみたい『悪戯心』が
ハジメに、湧いてきたのも
あった。

「もう、芸術祭が始まってー
どれぐらいなんですかね?
島のアートも 増えてますけど、
たまに、そのままになっている
作品も、年季入ってたりしてー」

ボランティアさんの
メンテナンスも まめにあるって、
聞いてますけどと、
ヨミに 話す シオンの声が
ハジメにも 聞こえる。

初期なら
打ち上げ花火のような
作品も あるのかも
しれない。

管理なければ、
廃材に なりうる モノも
あるだろう。

維持と持続の 不安定さを、
人は どれぐらい
想像できるだろうか?

「ああ~そろそろ
島の南側にぃ なるねぇ~。」

何回目かになる 芸術の祭典。

今回も
島内の海岸や
古民家や路地なども
舞台となっている。

瀬戸内の独特の風景、
集落の建物、
土地の歴史を 内包して、
それを 特色とした
トリエンナーレに 成長した。

近年は、
美術館鑑賞という、
形式で展覧してきた 企画展と
一線引いて きている。

島からインスパイアを受け、
島の為に創られ
設置され、

その島でしか見れない、
まさに 島限定の
インスタレーション作品が
島の芸術祭の特徴と
なった。

『サイトスペシフィック・ワークス』

アーティストが直接来島し
島や建物、
土地を見て
『場』を選んで、
プラン立て、制作する手法だ。

その為か
野外作品も多く、
作品専用の建屋でも
設置として
メンテナンスが
必要に なると
開催年を 重ねると
目につく。

「あれ!もしかして、産廃の
半島ですか?! 海から見る
なんて 思わなかったなー。」

シオンくん、いつの間に
双眼鏡を 覗いていたの かなぁ

ハジメは、
シオンが 指さした 方向を見る。

長年 隣の島へ 搬出され
産廃処理の仕上げを
されてきた作業も、

押しに押して、
今は 土壌汚染の
復帰に 務めている
らしい。


科学の発達で、エコで環境に
配した 資材が増え、
100年単位で 朽ちない、
ノーメンテナンスな素材も
年々開発されて。

アートの世界にも
新素材は進出しては いる。

ただねぇ~、
『サイトスペシフィック・ワークス』なアートはぁ
規模が大きいから
新進の素材を潤沢にさぁ
使用するってぇ 珍しいんだよ~。

「シオンくん~、ちょ~っと
その双眼鏡~かしてくれるぅ?」

そう、
シオンから 渡された モノを
覗いて、桟橋を
ハジメは 確認しようとする。


島ならではの、
塩害による塗料の剥げに
対応するのも
課題だろう。

また、
有名アーティスト依頼となると、
メンテナンスが
ライセンス問題で出来ない事も
ある。
アートと建物が一体した作品なら
なおさら。

建築家に依頼した建物の、
劣化をメンテナンスした
オーナーが 訴えられる事も
あるのだ。

「うん~、やっぱり残ってる~」

そして、
アートだけでなく、
昭和、バブル期、リーマン前夜にあった
別荘、セカンドライフ時流に
起こったリゾート開発にも
同様に見える。

今 目の前浜に 迫ってきた場所も、
遠目には、白いテラスハウスが並ぶ元ビーチリゾートで、

桟橋も 撤去されず
双眼鏡に 映る。


「お陰でぇ、船を 付けれるけど」

って、桟橋に 誰か人の影が
見えるんだけどぉ~。
あれ~。
管理人も いない
不毛のビーチのはず?だよねん。

双眼鏡を そのまま 手に
桟橋に どんどん 船が近づく
ハジメの耳に、

浜から~?
絶叫~~~?
まだぁ 誰かいるのか?なん?

「オーナー?到着地点に、係員が
いてますけど?良かったですか?
あら?でも 閉鎖してましたね」

ヨミも シオンも 近づく浜辺の
異変に
ハジメの隣で、
不思議がっている。

あれ?れ?
よくみるとぉ~

もしかしてぇ、
「白鷺くん、香箱ちゃん?」

「「???」」

船は ゆっくり 廃墟な桟橋に
寄っていく。

呆然とする3人に
突然 目映い 反射がした。

わぁっ!!なんか 眩しい光~!
この キラキラって何~?

そして まるで、
船寄せをする
港員のように 佇む姿を
2つ捉えて、投げられたのは

昨日から
何回目かの 迎合を果たしてきた、
男の子の声だった。

「やっぱり、ハジメさんの船か。
タイミングわりーよ。」

ユキノジョウと、ユリヤが

朽ち始めようとする
桟橋の上から

船を 扇いでいた。

えぇ、凄い不機嫌だねぇ。

睨まれるハジメの心中を
無視して、
隣から 呑気な シオンが
ハジメに 揶揄している。

「あれって、白鷺くんじゃない
ですか?やだー!
オーナー、約束してたんですね」

いや、心底びっくりしてるよん。

ハジメが ヒラヒラと手を振る。

見ると、さっき
ハジメの目を 直撃した 光が
ユリヤの手から
また、放たれてた。

「あ~、そうかぁ、
なんかキラキラあげたらって
言ったの僕だよねん~。って、
何?香箱ちゃん 持ってんの?」

船の上から、
叫ぶ ハジメに

ユキノジョウが ユリヤの
手をつかんで
掲げた。

ユリヤに 渡したのであろう
その手のモノを見せる。

ハジメと、ヨミ、シオンが
グッと身を乗り出して
覗き込む。

ユリヤの 白い手には
小さな
ガラスの靴が
キラキラ
輝いていて、虹を創る。

「ダイヤモンド?」
ヨミが 呟くと、
シオンが、ハジメの 双眼鏡を
取り上げ 覗く。

「ガラスの靴に、スワロの小石が
付いてて、それが反射してるんで
すね!凄い、あの小ささで、
こんなに光るなんて!!
夢の国の お土産 恐るべしっ!」

いやいや~、シオンくん、
夢ないよぉ、その解説ぅ。しかも
何処の 商品かも わかるってぇ。

何よりさぁ~

「それぇ~?!」

なんだよぉ、そのぉ~
恋愛力のぉ ツヨサ~ぁ。

言ったさぁ、言ったけどぉ
君はぁ
僕の~アドバイス
斜め上いく 強者だねぇ 白鷺くん。

「参ったねぇ これが勝ち組?~」

僕は、その場に
ハハハハハ。はは。 はァ~。
って
笑って
へなへなと座ってしまう。

「あの。オーナー。
後ろから、凄い勢いで、
女性達が、走ってきます!!」

あ、ほんとだぁ。


『コラーーーーーーーーー!!』
『あんた達ーー、へんなのに
ついていっちゃダメーーー!!』

アハハ、
桟橋を 脱兎の如く、

ずぶ濡れの砂マミレの
妙齢のレディ2人が

鬼の形相で 渡ってきたよん。

『『あ?ハジメさん?』』

「ヨミくん~、奪衣婆だよ~」
『誰がじゃ!うおらららっっ!』

どうやら~、副女さんには
聞こえちゃった らしいねん。