神話の 時代の 遺跡がある
青空に染まる 海の砂浜の上に
四角く、黒い建物は あった。
ユキノジョウ
ハジメ
ユリヤ
アコ達は、
四角い黒の
小さな小屋に入る。
そこには、『ノート』がある。
あと、モニターが見え
今流れる『心臓の音』が
何時、何処、何者、何様にかを
表示していた。
奥の扉を開ける。
壁に、
真っ暗黒く 塗る絵や、
墨写真の 様な ものが かけられて
暗い どこまでも のびる廊下には
異様な爆音といえる ほど
心臓の音が 振動していた。
ユキノジョウは、
自分が 大きな 生き物に
食べられた気分になる。
ランプが
廊下に 吊り下がって、
心臓の音に 合わせ点滅するのを、
ハジメは
いつかに 消えた
『心臓の波形』と重ねる。
ユリヤは、
音と共に
消えたりする 電球に、
『読破すると、1度は精神異常を
来たす』という奇妙な本の
冒頭を 思い出だした。
アコは、
壁の
アクリルの 黒い板が
学校で 撮った
レントゲン の様で、
何か 映りそうだと
怖くなる。
今 おなじ『 時間』と『空間』に
居て
同じ
『空気』を 『呼吸』する のに、
ユキノジョウ
ハジメ
ユリヤ
アコ達は
それぞれの
感覚や 記憶、情報、体験を
それぞれに
思い出していたが
それでいて、
4人ともが
『死』的な 感覚を
刺激されている という 事に
気付く事はなかった。
ただ 言葉にせず、
似ているけれども、
1人として 同じ音ではない
その、鼓動に 驚いて
大きく 迫る音の中
暗い廊下を 4人で 歩いた。
「みんなぁ、せっかくだから~、
心臓の音、残してみない?
あの廊下にも、心臓の音、
流してくれる みたいだよん。」
廊下を通り抜けて、
出てきた
驚くほど 穏やかな海の
見える 四角い 白い部屋で
ハジメは、
ユキノジョウ達に 提案した。
「やる!やる!ハジメさん、
やろ、やろ!」
アコが、ピョンピョン飛びそうな
勢いで、喜んだ。
「ハジメさん、ここ、初めてじゃ
ないって、言ってただろ!
もう、 録ってんじゃねーの?」
心臓の音を録って、残せる部屋で
聴診器を 手にして
ユキノジョウは、ハジメを見る。
「やだなぁ。1人で来てだとぉ
寂しいから~、録ってないん
だよん。ほら~
今度、島に来る時は、きっと
聞くのが、楽しみになるね~」
アコが、ふざけて
ヘッドホンは自分に、
ハジメの胸に 聴診器を当てて、
録音のスイッチを 入れる。
ハジメが、意趣がえしと
今度は、ユキノジョウの胸に
聴診器を当てて、
録音のスイッチを 入れた。
ユキノジョウが、ユリヤの胸に
ユリヤが アコの胸に
聴診器を 当てて
心臓の音を リレーで
採録を しあった。
ユキノジョウが 耳にあてた
ヘッドホンからは、
小鳥が リズムに 身をまかせ
ノックを するような
音が 聞こえる。
ユキノジョウは
ここは、
心臓の音の 図書館なんだと思う。
ハジメが 言うとおり、
ここは 心臓の音という形で
自分の存在を
保護して、蓄積して、
友達や、家族に 残しても おける。
全然 赤の他人が
明日、
残した 音を 聞いて
ユキノジョウが
島に 存在した事も、
知れるの だろう。
もしかしたら、
自分が いなくなって
自分の 子供が 聞くかもしれない。
でも それ以上に
聴診器を 当てている
時間を 一緒にする
今が 嬉しい。
4人で、
もう1度 心臓の 廊下に 戻る。
あんなに、
居心地が 悪かった 暗い空間に、
自分や、
今 一緒にいる 相手の鼓動と、
闇を
一瞬 照らす光に 包まれると、
その廊下は
今から 生まれる為に
歩く 場所の ようで、
暖かな 『生』の振動を
じんじんと 肌に 感じた。
そうして、
4人は
「なんか、おやつ 食べたい。」
と、頭を使ったから とか、
生きてる からとか、
笑い ながら
神話の時代の遺跡がある
青空の浜辺に 戻る。
青空に染まる 海の砂浜の上に
四角く、黒い建物は あった。
ユキノジョウ
ハジメ
ユリヤ
アコ達は、
四角い黒の
小さな小屋に入る。
そこには、『ノート』がある。
あと、モニターが見え
今流れる『心臓の音』が
何時、何処、何者、何様にかを
表示していた。
奥の扉を開ける。
壁に、
真っ暗黒く 塗る絵や、
墨写真の 様な ものが かけられて
暗い どこまでも のびる廊下には
異様な爆音といえる ほど
心臓の音が 振動していた。
ユキノジョウは、
自分が 大きな 生き物に
食べられた気分になる。
ランプが
廊下に 吊り下がって、
心臓の音に 合わせ点滅するのを、
ハジメは
いつかに 消えた
『心臓の波形』と重ねる。
ユリヤは、
音と共に
消えたりする 電球に、
『読破すると、1度は精神異常を
来たす』という奇妙な本の
冒頭を 思い出だした。
アコは、
壁の
アクリルの 黒い板が
学校で 撮った
レントゲン の様で、
何か 映りそうだと
怖くなる。
今 おなじ『 時間』と『空間』に
居て
同じ
『空気』を 『呼吸』する のに、
ユキノジョウ
ハジメ
ユリヤ
アコ達は
それぞれの
感覚や 記憶、情報、体験を
それぞれに
思い出していたが
それでいて、
4人ともが
『死』的な 感覚を
刺激されている という 事に
気付く事はなかった。
ただ 言葉にせず、
似ているけれども、
1人として 同じ音ではない
その、鼓動に 驚いて
大きく 迫る音の中
暗い廊下を 4人で 歩いた。
「みんなぁ、せっかくだから~、
心臓の音、残してみない?
あの廊下にも、心臓の音、
流してくれる みたいだよん。」
廊下を通り抜けて、
出てきた
驚くほど 穏やかな海の
見える 四角い 白い部屋で
ハジメは、
ユキノジョウ達に 提案した。
「やる!やる!ハジメさん、
やろ、やろ!」
アコが、ピョンピョン飛びそうな
勢いで、喜んだ。
「ハジメさん、ここ、初めてじゃ
ないって、言ってただろ!
もう、 録ってんじゃねーの?」
心臓の音を録って、残せる部屋で
聴診器を 手にして
ユキノジョウは、ハジメを見る。
「やだなぁ。1人で来てだとぉ
寂しいから~、録ってないん
だよん。ほら~
今度、島に来る時は、きっと
聞くのが、楽しみになるね~」
アコが、ふざけて
ヘッドホンは自分に、
ハジメの胸に 聴診器を当てて、
録音のスイッチを 入れる。
ハジメが、意趣がえしと
今度は、ユキノジョウの胸に
聴診器を当てて、
録音のスイッチを 入れた。
ユキノジョウが、ユリヤの胸に
ユリヤが アコの胸に
聴診器を 当てて
心臓の音を リレーで
採録を しあった。
ユキノジョウが 耳にあてた
ヘッドホンからは、
小鳥が リズムに 身をまかせ
ノックを するような
音が 聞こえる。
ユキノジョウは
ここは、
心臓の音の 図書館なんだと思う。
ハジメが 言うとおり、
ここは 心臓の音という形で
自分の存在を
保護して、蓄積して、
友達や、家族に 残しても おける。
全然 赤の他人が
明日、
残した 音を 聞いて
ユキノジョウが
島に 存在した事も、
知れるの だろう。
もしかしたら、
自分が いなくなって
自分の 子供が 聞くかもしれない。
でも それ以上に
聴診器を 当てている
時間を 一緒にする
今が 嬉しい。
4人で、
もう1度 心臓の 廊下に 戻る。
あんなに、
居心地が 悪かった 暗い空間に、
自分や、
今 一緒にいる 相手の鼓動と、
闇を
一瞬 照らす光に 包まれると、
その廊下は
今から 生まれる為に
歩く 場所の ようで、
暖かな 『生』の振動を
じんじんと 肌に 感じた。
そうして、
4人は
「なんか、おやつ 食べたい。」
と、頭を使ったから とか、
生きてる からとか、
笑い ながら
神話の時代の遺跡がある
青空の浜辺に 戻る。