副女さんと、ハジメが
芸術祭の ボランティアで
顔見知りだった 事で、
受付仕事を まだ 続行する
母親達は
体よく、子ども達を
ハジメに 預けたわけで。
「ハジメさん、、
オレは、ユキノジョウです。
で、ユリヤに、アコ、なんで。」
『白鷺くんと、香箱ちゃん』の
呼び名の ままな、
ハジメに、ユキノジョウが
挨拶めいて、指摘する。
ハジメの運転する、
白のオープンカーの 助手席に
ユキノジョウが 座り、
後部座席は、
ユリヤと アコが 並ぶ。
見る事さえ 初めての 車形に
ユキノジョウと アコは
歓声を あげて、
「120キロだすと~、ジェット
コースターみたいだよん~」
との ハジメの 言葉に、
ユリヤは 悲壮な顔を見せた。
「え!白鷺くん、ユキノジョウ?
香箱ちゃん~、ユリヤ?~
凄いねぇ、ぴったりだねぇ。
それで、檸檬に いたのぉ?
自転車のってぇ 旅するぅ?
何 それぇ~!夏休みの
主人公 だなぁ~。文学~!」
島での 時速は 30キロ程度。
オープンカーの風が お互いの声を 遮るが、
聞こえない 程ではない。
「あの! 意味、わかんないん
ですけど!!なんなんですか!」
「あは!
白鷺→ユキノジョウ
ユキノジョウ→基次郎。
香箱→ユリヤ
ユリヤ→レモン→爆弾!
なら、アコ→お姫さまってする?
でぇ僕→お坊ん で、いいよん~
ね?、白鷺ぃくん~?」
ハジメは、
その タレ目を ユキノジョウに
ウインクさせて 悪戯に 笑う。
ユキノジョウは、
この瞬間に どうでも、
良くなって、サイドミラーごしに
後ろを見てみる。
ユリヤが、体を前に
出してきたからだった。
「ハジメさん。それ。
本の話、ですか。レモンの。」
「あれん?香箱ちゃん、本好き?
それもぉ、なかなか渋いセンス?
う~ん、
3分の1だけぇ 当たり~!!」
ユキノジョウが、
隣の席で、 不機嫌な顔を作る。
白の オープンカーは、
青空と 緑の 下り坂を、
爽快に 走り抜け、
道を行く 人の視線を 拐って走る。
『わ、オープンカー!!』
程なく
シャッター音。
きっと、青を 背景に
白く光る バックスタイルを
写真に 撮っているに、
違いない。
「じゃあ~、渋い~文学少女の
香箱ちゃんはぁ
3つの時代のぉ ベストセラー本
知ってるかなあ?」
「あ、文学少女じゃないです。」
ユリヤが、
前のハジメの 肩を 叩いた。
勝手に話が、進みそうだと
考えたのだろう。が、
「ユリヤちゃん!がんばって!
ハジメさん!ユリヤちゃん、
学校で 1番頭いいんですよ!」
ユリヤに ガッツポーズを
見せて、空気を 読まない アコが
ハジメに 鼻息を 荒くした。
気が付くと、オープンカーは
麓にある、別の港町を 走る。
港町というより、
島の漁村といった、
喉かな 集落は、
焼板の 黒壁が 太陽に 照らされ
低い建物の 姿が
独特の 港を
浮き上がら せる。
ユキノジョウが 見ると、
いくつも ゴールが ある
バスケットゴールに、
旅人が、ボールを 投げていた。
「ジャンジャン♪
日本の 時代別 3大ベストセラー
江戸時代の ベストセラー本はぁ
『安房のお姫と八犬士のお話 』
だよん~♪」
ユキノジョウと アコは
キョトンと していたが、
ユリヤは すぐに タイトルを
ハジメに告げる。
「当ったり~! さすがぁ。
ジャンジャン♪ならぁ
明治時代の ベストセラー本はぁ
『日本の1万円札になってる人の
自由・独立・平等を 新しい
価値にぃ
身分じゃなくて、学問って本』
わかるかなぁ? 10人に1人は
読んでいたんだよん~。」
これは、
ユキノジョウと、アコも
紙幣人物である
著者を 言い 当てて、
ユリヤが 著した本を
やはり、言い 当てた。
「みんな~やるねぇ。
香箱ちゃん、学校1番!
なるほど
さてぇ、でもラストは
分からないだろうから、答え
言っちゃうねん~。」
そんな、
やり取りをしている間にも、
オープンカーは
たまに 水田や、
幾つもの 漁船留まりの
海沿いを
走り抜けていた。
「ジャンジャン♪
大正時代の ベストセラー本は、
なんと、
この島に いた人が書いた本~。
戦前かな?
みんなの 住んでる 神戸で
貧しい人が住んでた街にも
いてた 人なんだよ 。
ガンジーと、シュヴァイツァーに
並んで『3大聖人』て、
世界じゃあ、有名だった人の本は
戦争のあった 時代なのに
200版も重版してぇ、100万部も
売れたんだよん。って、知らない
よねぇ。 まあ、香箱ちゃんがぁ
大人になってぇ、思い出して~」
そう言って、
ハジメは ハンドルを握りながら
アハハと、笑顔になる。
ユキノジョウは、
その ハジメの横顔が、
小豆島で 会った
農村歌舞伎の青年の 横顔と
重って、後ろの
ユリヤを 振り返る。
「あ!!お兄ちゃん!
田んぼに、
白くて、足が 長い鳥が いる!」
アコが、山側に広がる 水田を
指さして、叫んだ。
「日本に 昔からいる、メダカが
いるんだよ~。
それを、狙ってるのかなん?
お姫さま、目がいいねぇん。」
海沿いに森がそこだけ
コンモリしている 神社横の
なんとか 通れる道を行くと、
だんだん、
アスファルトは
砂利道に 変わっている。
「もう、すぐだよん~。」
そう、ハジメが オープンカーを
操りながら、予告をした時
「あの、ハジメさん、さっきの人
神戸のコープ、作った人、
ですよね、、、
お母さんが、
その人、戦争の時、
ここに トラワレテ、いたって 」
ユリヤが、
後部座席から 答える。
白のオープンカーは、
白い砂浜に出た。
道は、そこで途切れて、
広場になっている。
ハジメは、
ハンドルを切って
『キッ。』っと
ブレーキする。
「到着~。ピンポンピンポン♪!
香箱ちゃん、当たりぃ。
さすがぁ、副女さん~。
ど~ゆ~つもりでぇ、
この島に
来たんだろうねぇ?
ねぇ~
君たちの 大人はさぁ?」
芸術祭の ボランティアで
顔見知りだった 事で、
受付仕事を まだ 続行する
母親達は
体よく、子ども達を
ハジメに 預けたわけで。
「ハジメさん、、
オレは、ユキノジョウです。
で、ユリヤに、アコ、なんで。」
『白鷺くんと、香箱ちゃん』の
呼び名の ままな、
ハジメに、ユキノジョウが
挨拶めいて、指摘する。
ハジメの運転する、
白のオープンカーの 助手席に
ユキノジョウが 座り、
後部座席は、
ユリヤと アコが 並ぶ。
見る事さえ 初めての 車形に
ユキノジョウと アコは
歓声を あげて、
「120キロだすと~、ジェット
コースターみたいだよん~」
との ハジメの 言葉に、
ユリヤは 悲壮な顔を見せた。
「え!白鷺くん、ユキノジョウ?
香箱ちゃん~、ユリヤ?~
凄いねぇ、ぴったりだねぇ。
それで、檸檬に いたのぉ?
自転車のってぇ 旅するぅ?
何 それぇ~!夏休みの
主人公 だなぁ~。文学~!」
島での 時速は 30キロ程度。
オープンカーの風が お互いの声を 遮るが、
聞こえない 程ではない。
「あの! 意味、わかんないん
ですけど!!なんなんですか!」
「あは!
白鷺→ユキノジョウ
ユキノジョウ→基次郎。
香箱→ユリヤ
ユリヤ→レモン→爆弾!
なら、アコ→お姫さまってする?
でぇ僕→お坊ん で、いいよん~
ね?、白鷺ぃくん~?」
ハジメは、
その タレ目を ユキノジョウに
ウインクさせて 悪戯に 笑う。
ユキノジョウは、
この瞬間に どうでも、
良くなって、サイドミラーごしに
後ろを見てみる。
ユリヤが、体を前に
出してきたからだった。
「ハジメさん。それ。
本の話、ですか。レモンの。」
「あれん?香箱ちゃん、本好き?
それもぉ、なかなか渋いセンス?
う~ん、
3分の1だけぇ 当たり~!!」
ユキノジョウが、
隣の席で、 不機嫌な顔を作る。
白の オープンカーは、
青空と 緑の 下り坂を、
爽快に 走り抜け、
道を行く 人の視線を 拐って走る。
『わ、オープンカー!!』
程なく
シャッター音。
きっと、青を 背景に
白く光る バックスタイルを
写真に 撮っているに、
違いない。
「じゃあ~、渋い~文学少女の
香箱ちゃんはぁ
3つの時代のぉ ベストセラー本
知ってるかなあ?」
「あ、文学少女じゃないです。」
ユリヤが、
前のハジメの 肩を 叩いた。
勝手に話が、進みそうだと
考えたのだろう。が、
「ユリヤちゃん!がんばって!
ハジメさん!ユリヤちゃん、
学校で 1番頭いいんですよ!」
ユリヤに ガッツポーズを
見せて、空気を 読まない アコが
ハジメに 鼻息を 荒くした。
気が付くと、オープンカーは
麓にある、別の港町を 走る。
港町というより、
島の漁村といった、
喉かな 集落は、
焼板の 黒壁が 太陽に 照らされ
低い建物の 姿が
独特の 港を
浮き上がら せる。
ユキノジョウが 見ると、
いくつも ゴールが ある
バスケットゴールに、
旅人が、ボールを 投げていた。
「ジャンジャン♪
日本の 時代別 3大ベストセラー
江戸時代の ベストセラー本はぁ
『安房のお姫と八犬士のお話 』
だよん~♪」
ユキノジョウと アコは
キョトンと していたが、
ユリヤは すぐに タイトルを
ハジメに告げる。
「当ったり~! さすがぁ。
ジャンジャン♪ならぁ
明治時代の ベストセラー本はぁ
『日本の1万円札になってる人の
自由・独立・平等を 新しい
価値にぃ
身分じゃなくて、学問って本』
わかるかなぁ? 10人に1人は
読んでいたんだよん~。」
これは、
ユキノジョウと、アコも
紙幣人物である
著者を 言い 当てて、
ユリヤが 著した本を
やはり、言い 当てた。
「みんな~やるねぇ。
香箱ちゃん、学校1番!
なるほど
さてぇ、でもラストは
分からないだろうから、答え
言っちゃうねん~。」
そんな、
やり取りをしている間にも、
オープンカーは
たまに 水田や、
幾つもの 漁船留まりの
海沿いを
走り抜けていた。
「ジャンジャン♪
大正時代の ベストセラー本は、
なんと、
この島に いた人が書いた本~。
戦前かな?
みんなの 住んでる 神戸で
貧しい人が住んでた街にも
いてた 人なんだよ 。
ガンジーと、シュヴァイツァーに
並んで『3大聖人』て、
世界じゃあ、有名だった人の本は
戦争のあった 時代なのに
200版も重版してぇ、100万部も
売れたんだよん。って、知らない
よねぇ。 まあ、香箱ちゃんがぁ
大人になってぇ、思い出して~」
そう言って、
ハジメは ハンドルを握りながら
アハハと、笑顔になる。
ユキノジョウは、
その ハジメの横顔が、
小豆島で 会った
農村歌舞伎の青年の 横顔と
重って、後ろの
ユリヤを 振り返る。
「あ!!お兄ちゃん!
田んぼに、
白くて、足が 長い鳥が いる!」
アコが、山側に広がる 水田を
指さして、叫んだ。
「日本に 昔からいる、メダカが
いるんだよ~。
それを、狙ってるのかなん?
お姫さま、目がいいねぇん。」
海沿いに森がそこだけ
コンモリしている 神社横の
なんとか 通れる道を行くと、
だんだん、
アスファルトは
砂利道に 変わっている。
「もう、すぐだよん~。」
そう、ハジメが オープンカーを
操りながら、予告をした時
「あの、ハジメさん、さっきの人
神戸のコープ、作った人、
ですよね、、、
お母さんが、
その人、戦争の時、
ここに トラワレテ、いたって 」
ユリヤが、
後部座席から 答える。
白のオープンカーは、
白い砂浜に出た。
道は、そこで途切れて、
広場になっている。
ハジメは、
ハンドルを切って
『キッ。』っと
ブレーキする。
「到着~。ピンポンピンポン♪!
香箱ちゃん、当たりぃ。
さすがぁ、副女さん~。
ど~ゆ~つもりでぇ、
この島に
来たんだろうねぇ?
ねぇ~
君たちの 大人はさぁ?」