小豆島の 次の島。

『豊島←てしま』って読むって。

船は、 平らな島に 向かってる。
なんとなく、平らな島って
ユキノジョウは、思った。


日本で1番古い歴史の話で、

1番はじめの 天皇さまの ご先祖?
ひい祖父ちゃん?、
『豊玉彦』って
海の大神さまで、
それが 島の名前に
なってるって伝説もあるとか
別の由来も あるけどって。

副女さんが 教えてくれた。

そんで、
島の 『神子ヶ浜←みこがはま』
って浜が、
はじめの 天皇さまの お父さんが
生まれた浜とか っていって

昔は 海に
石の鳥居が立ったってたんだ。
ってのも 聞いた。
それって、神さまが 海から来る?
海から、お参りするから?
謎だ。

その鳥居も、
島に たくさんゴミが
捨てられようになると
嵐で しずんだって。

この島には 昔の『イセキ』が
たくさん あるらしい。

副女さんは、
豊島ってのは、瀬戸の海を
ツカサドル? 海人族の 祈る場所
だったんだろうね。って。

いろんな意味で
意味の深い 島なんだよ。って。
そのうち、わかるよ。

そんな話を、船で聞きながら
ユキノジョウは、監査女さんの
たまに 聞く 言葉を 思い出す。


『人の 祈りや、思い、念は
場所とか、相手に 積もるんだよ』


だから、
それを 副女さんに 言った

「そうだな。祈りの種類は違う
けど、小豆島なんかはキリシタン
も多かったんだよ。この島も、
人口からいったら、キリスト教
の礼拝する人、多いと思う。

人の何かが、積るなら この島
に、彼女が 来たら、一体 何が
彼女には 見えるのかな、、」

全部の意味は、わからないけど、
副女さんが、あえて この島に
ボランティアに 来たってことは、
ユキノジョウにも なんとなく
わかった。


小豆島と、同じように、
建物が 1つあるだけの 港に
船がつく。

港の 建物ん横に、
レンタルしてる 電動の自転車 が
たくさん、並んでる。

ユキノジョウ達は
その電動自転車を それぞれ借りた
ふつうより 小さめだから、
アコも ちゃんと乗れる。

てか、ギア付きの 男子自転車が
いつものだから、
電動は 初めてだ。

ユリヤも、アコも ちょっと
ビビってる。

最初のこぎだしで、
グンって、持ってかれる感じが、
なれてなくて、
体が 置いてかれる みたいだ。

港で、電動になれたら、
そのまま 道に出る。

平らな 道ー。

電動サイコー。

走ると、小豆島と
全然ちがう島だと 思った。
きっと、1日あったら
電動自転車で 1周できそうって。

海の風で サビたんだろうな、
灰色のナミナミ板の お店。

畑ん中に ある ガソリンスタンド。
そこにも レンタルの自転車。

「この国道のある、集落を抜けて
登り坂になると、低い林の山道が
ずっと、続くから 無理しないで
ノンキに行くよ。」

前を走る、副女さんが
ふりかえって、教えてくれる。

ところどころ、
黒い家があったり、
変わった石の組み方をした
壁があって、

「黒いのは 家の外板を焼いて、
潮風に強くしてるんよ。

石組みが 変わってるのは、島の
石を切り出して、京都とかに
運んでた 名残かもね。

コケが着きやすいから、庭とか
神社とかに 昔から使う石なん」

桂離宮って、わかんないか?
とか 言いながら
ユキノジョウ達の 前を 走る。

途中で、
変わった建物が見えて
そこが 今日の泊まるところだと
言われた。

学校みたいな 建物で、
昔の『乳児院』とかいうらしい。

昨日のゲストハウスと
全然ちがう!

で、
似たような、
建物を また抜けて、
ため池の 横を走る。

変わった屋根の小屋とか見えると

「あの かわいい 三角屋根の小屋は
『ベーハ小屋』って言うんよ。
米国の葉たばこを乾燥場させる。
だから、『米葉小屋』。
あれも 産業遺構だろうに。」

説明が入る。
社会見学だなあー。

副女さんが 言うのには、
周りの ちょっとしたことを、
説明しとけば、目印になるから
って 笑う。

それもそうかも。
道と木、たまに 家。
どこまで 続くんだろう?って
思うぐらい、迷いそうで

不安にもなる。


そんなにして、
かなり山のゆるい 坂を 走ると、
左っかわに、細くて 白い道が
出て来て、そこに入ると、

輪っかがたくさんある何かと、

四角い 石のプールみたいな
神社が 見えた。

もし、異次元ってのがあるなら
この島は、そんな
入りこんだ 気分の場所で、
落ち着かない。

夏の太陽が、
道を白くして、
低いオリーブの木とか、
果物の木が 出て来て

かと思うと、
棚の田んぼ とか、黒い家が
出てくるからなのか?


いつもの 芸術祭なら
もっと、人が 多いみたいだけど、
今は、まだ午前で 人も
少ない。

四角いプールみたいなの がある
神社には、、
子どもが いてて、
ユキノジョウは なぜか
安心した。