それでも、美穂と文音からにらまれた澄恵は悪いことをした気分になってしまった。


社内に恋愛感情を持ち込むべきじゃないのかも……。


そんな真面目腐ったことを考えたそのときだった。


安田が一枚の付箋を澄恵の机に張り付けた。


そこにはメッセージが書かれている。


《今日、美味しいフレンチを御馳走させてくれないか?》


そのメッセージを見て顔をあげたとき、安田はもう自分の席へ戻っていたのだった。