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翌日は早番勤務だったため十八時前には仕事が終わった。今日が休みのゆかりとは食事予定のお店の前で待ち合わせをしている。
今にも雨が降り出しそうなどんよりとした黒い雲に覆われた空の下をしばらく歩いてようやく待ち合わせ場所に着く。そこは、居酒屋の前だった。
「おーい!めぐみ!」
ゆかりが大きく手を振っている。
「早く行こう。もうみんな集まってるから」
「みんな?」
ふたりで食事じゃないの? 他に誰か誘ったのかな。私とゆかりの共通の知人といえば仕事関係の人しかいないけど。
そんなことを考えながら、ゆかりの後について店内を進むと、広々とした個室に案内される。
「お待たせしました」
ガラッと扉を開けると、そこにいたのは数名の男女。女性側は全員に見覚えはある。ゆかりと同じ婦人服売り場で販売員をしているこたちだ。でも、男性側は誰一人としてまったく知らない。
これは、もしかして……。
「ちょっと、ゆかり」
部屋に入って行こうとしているゆかりの腕を慌てて掴んで引き戻した。そしてサッと扉をしめる。
「どういうことか説明して」
「え、うん。アハハ」
ゆかりは笑って誤魔化そうとする。そんな彼女についつい冷たい視線を投げてしまう。