「どうしてこんなことをしたの!?」


あたしは雄大へ向けて一歩踏み出して聞いた。


雄大は青ざめた顔のままうつむいて返事をしない。


「返事くらいしなさいよ!」


叫んだ時、アユカがあたしの腕を掴んで止めた。


あたしは驚いてアユカを見つめる。


「ちゃんと話を聞いてあげて。ね、雄大もちゃんと説明して」


アユカはまるで小さな子供をなだめる母親のような声で言った。


「アユカは事情を知ってるの?」


その質問にアユカは左右に首を振った。


「でも……なんとなくだけどわかってるから」


あたしはそんなアユカの言葉に首をかしげ、雄大が自分の口で話し始めるのを待ったのだった。