しばらくスマホをいじったり周囲を確認していたアユカだが、ふいに誰かへ向けて手を振った。


その視線の先を追いかけてみると見知らぬ私服姿の男性が走ってくるのが見えた。


30代後半くらいか、少し髪の毛が薄くなりはじめている。


あれは誰だろう……?


物影から見つめていると、男性はアユカの前で立ち止まり何か2、3会話を交わした。


元々の知り合いというには距離感が遠いような気がする。


アユカは男の言葉に何度か頷き、そして2人で並んで歩き始めた。


一体、2人でどこにいくんだろう?


あたしは再びアユカの後をおいかけたのだった。